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第48話「マアニャの意図は?」

「なっ、なんだこれは?」


「はい残念。カシム、あんたが極悪人だってことが今証明されたわ。あたしはね、大好きな人にしか唇は奪わせないのよ」


 マアニャは急に勝ち誇ったように両手を腰に当て、胸を張る。


「あたしの両親が呪いにかかっているのは、当然あんた知ってるでしょ……だってあの呪い、闇の教団がかけたんだからさ」


 俺とミイニャはマアニャの話を聞いて顔を見合わせた。


「何を言ってる?」


「とぼけんな! あれは魔力と悪意(憎悪)に満ちたものにしか扱えない禁忌術。そんなの闇教団の誰かがやったとしか思えないでしょ。両親が呪いにかかって以来、あたしは禁忌術を研究すると同時に闇の教団をずっと調べてた。うちの団長が教団の1人と戦ったことがあって、その時パパに面白いこと言ってたのを思い出したのよ。闇の教団に属しているものは、目には見えない証を宿しているってね。それよ」


 マアニャは燃えている奴の手首を指さす。


「うちの邸ね。あたしが魔法でちょっと細工してるのよ。悪意+魔力を宿してる者が近づけばわかるのよね、これが」


 マアニャは人差し指を立て、カシムに向けるとその先が紫に燃える。

 あいつ、魔法使いなのか……


「あなたと婚姻の話を進めてたのは、大勢の前で犯してきた罪を告白し、捌くため。そしてあの呪いの解除方法を聞き出す。ちなみにその証はあたしと距離を縮め触れれば発火するようにしこんでおいた。もちろんあなたがただの悪人で、闇教団と関係なかった場合は発火しないから、その時は逃げたけど。でも発火したと言うことは、あなたは闇教団で超極悪人だってこと」


「……そこまで準備して捕まえる気なら、どうしてこの場に団長が不在なのかな?」


 カシムは剣に手をかける。


「団長はこんな危険なこと絶対認めないし、話した時点であなたは消される」


「だがここにはいない。詰めを誤ったな。たかが騎士団員なんて何人いようが僕の敵じゃない。呼びさえしておけば結果は変わったのに。到着していればマアニャは僕の餌食になることはなかったのかもしれないのに、くっ、くっ、くっ……」


 キモイ笑い方だ。


「ご心配なく。あたしには……」


 言い終わる前にカシムはマアニャに斬りかかる。


 その一撃をグランドはギリギリで無い距離で止めた。


「ひやひやさせてくれますね。何の説明もないんですから……」


「敵を騙すにはまず味方からって言葉知らないの?」


「仮団長のグランドか……噂じゃマアニャと仲がいいらしいじゃねえか。人のワイフに手を出したりしてないだろうな」


「生憎、仲がいいのは僕じゃない」


 カシムとグランドの戦闘が開始される。


 俺は飛びたしたい気持ちを全力で抑えていた。

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