第41話「頼まれた伝言はきちんと」
カフェ『グランデ』はかなり混雑していて大忙し。
俺はミイニャとゆっくりと話している時間もなく……
閉店1時間前の夕方4時。ようやく店内からお客さんが居なくなった。
「お疲れ様でした……優斗君のせいで、女性客まで来るようになってしまいました……」
残った洗い物を片付けながら、ミイニャはため息を交えそんなことを言う。
「お疲れミイニャ……って、なぜ俺のせい?」
「優斗君に近づけば、幸せになれるっていう噂が流れているみたいです」
ああ……外れスキル覚醒したから、不幸スキルから幸運スキルに変わって、多少影響あるかもしんないな。それはまんざら嘘とは言えないのかも。
「だから俺にタッチしたりしてきたのか……」
「楽しそうでしたね。スキンシップ……いったい何人の人を落とすつもりですか?」
ギロリ&キッと刺すような視線が。相変わらずこえぇな……だが、睨まれるこの感じは嫌いではない。
「……最終的には1人がいいです」
「私は幸せになりました、本当に。なので、その噂は真実だと思います」
「マアニャと話をしたぜ」
ミイニャがラブを見せないうちに、話題を変えるにはこのタイミングしかないと思った。
「どうでした?」
「嫌いな人と婚姻はしないと言ってた。てことは、あいつそのザビア家の奴好きなのかな……」
「ありえません。お姉ちゃんの好みはわかります。他には?」
「えっと……ミイニャは俺をちゃんと召使いにしたのか聞かれたな。ちゃんともなにもだからこそこうやって手伝ってるのに……」
「じゃあ明日は来なくていい。命令だと言われませんでしたか?」
洗い物をする手を止め、美人は視線をまたこっちに。
「よくわかるな、言われたよ。そんな命令は聞けないけどな。初めて破ると思う。あっ、それから……これを見せろって」
マアニャが手の甲に書いた文字をミイニャの視線に移るように動かした。
「そしくなかつ……」
ちょっと消えかかってきてしまっているが読めないほどはない。
「これは私にですか? それとも優斗君に?」
「2人にだそうですよ」
「お姉ちゃん……」
ミイニャは安心したように、少し息を吐いた。
やっぱ可愛いよな。よくこんなに仲良くなれたよ。
「どういう意味?」
「明日の朝までにわからなかったら教えてあげます。その剣、買ったんですか?」
カウンターの下に置いてあるそれをミイニャは見る。
「いや、店主さんがいい人で。譲ってもらったというか……丸腰だとちょっと不安だから」
「そう思います。今日は早く寝ましょう。明日に備えて。カッコいい優斗君のいつもよりさらにカッコいいところをみるのは、不謹慎かもしれませんが楽しみです。夜の大切な時間をイチャラブ出来ないのは非常に残念ですが、遅刻したらダメですからね」
「了解です」
マアニャの伝言の意味はよくわからないけど、ミイニャがこんなに冷静ならなんとかなるんだろうか?




