第26話「家系限界突破」
「つまり婚姻婚約によって、有能な人材が確保できるってことか?」
「そうです」
「相手側のメリットは? ミラ家が代々その美貌を受け継いでいるんなら、それだけで結婚するメリットになるけど、それだけか?」
「いえ、わたしたちは生まれた時から、1つのステータスが振り切れているんです。家系限界突破っていいます」
「スキル的なことじゃなくて?」
「ステータスですね、私で言えばうんのよさがそれに当たります」
やはり。だからこそこのぼったカフェをやっていけるのかもしれない。
ユニークスキルで表すなら『ラッキー』かな?
「なるほど。それはぜひ傍に置いておきたいな。ダンジョン攻略とかに役立つだろうし」
「ええ……喉が渇きました。アイスティを入れられますか?」
「おまかせを。俺は紅茶好きだぜ」
「聞いていませんが……」
ミイニャは大袈裟にため息をついた。
手際よく、水だしアイスティを作り、冷えたグラスに注ぎこむ。
「味見します」
「どうぞ。おすすめはレモンを入れたアイスレモンティです」
「……」
ミイニャは少しむっとしながらストローで喉に流し込むと、ゆっくりとこっちを見た。
「……私が作るより美味しいです……」
「どうもです」
「どうやら、私の召使いに命を賭けたいようですね」
「いや、そこまではちょっと……」
「お客さんが来ないので話の続きを……これから尋ねる質問には、必ず真実で答えてください。これは命令です。いいですか?」
「なんなりと」
「あなたは……」
ここからミイニャの怒涛の質問が始まった。
そして俺はその問いすべてに真実で答えたのだ。
このことが、ミイニャが徐々に俺に気を許してくれた原因の一部であることは間違いないだろうな。
「なるほど……少し安心しました。ではそのことはしばらく2人だけの秘密にしましょう」
「ミイニャと呼ばせてもらってもいい?」
「……ダメだと言っても呼びますと顔に書いてあります……最後に大事な質問がまだ1つ残っています」
「なにかな? 真実でお答えするぜ」
「切り盛りしているのが超美人とか、美貌を受け継いでいるとかとおっしゃいましたが、それって私のことですか?」
「他にいないだろ……」
「ありがとうございます」
小首を少し傾け、口元を緩めたミイニャは笑顔を見せてくれた。
やはり、美人の笑顔破壊力は物凄いな……
この時はまさか、一緒にカフェに住んでくださいと言われるとは思っていなかったんだけど。
次話よりた2ヶ月後(現在)の話に戻ります。




