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第1話「町づくり」

 剣技の大会、魔術の大会に優勝した商品は、賞金+町づくりの権利だった。


 町づくりがどういうことなのか、いまいちわからない俺たちはカグヤ嬢に直接聞くためと、返事をするために部屋を訪れた。


 ケティとコウコ、まみにセシスも部屋にいて……


 大きなあくびをして、カグヤ嬢は閉じそうな目を俺へと向ける。


「町づくりを請け負うということは、ギルドにてこちらと協力関係、簡単に言えば同盟を結ぶということが条件と昨日伝えたはず。そのこともよいのだな?」


「ああ。なんかあったら助ければいいんだろ。強い味方はいて損はないし。強い敵を一度に大勢相手をするのは骨だからな。その同盟は受ける」


「優斗たちの旅の目的は闇の教団の壊滅でいいのか?」


「ああ。マアニャとミイニャのご両親の呪いのことは知ってるだろ。元に戻してあげたいんだ」


「術者を倒せばその呪いが解けるという考えか」


「ああ。そっちはなんでギルドに入ってるの?」


「闇の教団というか、悪者は安定的な生活に邪魔だからね。あとギルトのクエストで町づくりに必要な素材が手に入ったりするからというのも理由だ。朝食を食べたら、優斗たちが自由にしていい土地に案内しよう」


「うん。よろしくお願いします」



 ――朝食後――


 カグヤ嬢の移動魔法によりすぐに目的に到着した。


 ハスウクラウンという地名の場所らしい。心地いい風が当たるが、肝心のその土地は何もない草原地帯で……


「よい場所でしょ。気候も最適だし、ナルブタンより建物を作りやすい。科学の騎士団がここを拠点しようとして、お父様がこの土地を購入したけど、騎士団は現在ナルブタンに拠点を移しているから、この土地は手付かず。この場所を優斗たちの拠点にするがよい」


「あのさ、町づくりって具体的にどういう順序でやるの? 俺、そんな知識ゼロだぜ」


「案ずるな。ケティとコウコ、それにまみが手を貸す。私も頻繁に見にくる。監督する立場で……ケティまず更地に」


「はい、は~い」


 ケティは真っすぐに手を上げ、両手を合わせその手を地面に置く。すると地面が掘り返され、土地もわかりやすいようにくぼみで仕切られていく。


(す、すげえ能力だな……)


「驚くことはありません。ナルブタンの町と王宮は私たちが作ったんですから」


 コウコが説明してくる。

 何もないところにあれだけの物を建造したのか……


「とりあえずあたしの間隔でくぼみ作っておいたけど、まず必要なのは優斗君たちの家だね。住む家、あとは作りたいものどんどん言っていって」


「はいっ! 優斗君との愛の巣、カフェ『グランデ』2号店をすぐに建設してください!」


 ミイニャが手を上げながら、即座に少し早口にニンマリ顔でその小さな口を動かした。


「ずるいわよ、ミイニャ。何早い者勝ちみたいに……」

「クレアだって、優君と何かお店をやりたいです」


「何のお店ですか? 時間は有限です。時は待ってはくれません。さっ、早くカフェ2号店をちゃちゃっとお願いします!」


「じゃあ、あたしもカフェ作ってほしいわ」

「あっ、クレアもお願いします」


 嫌な予感……背中でまだ寝ているベリとオルフィがずり落ちてくるのを手で押さえながら戦況を見つめる。


「何言ってるんですか! いきなりカフェ3つもいらないです。アホですか、売り上げとか考えてくださいよ。足を引っ張らないでください、商売敵」


「ミイニャが辞退しなさいよ。さんざ優斗の楽しい時間過ごしたでしょ」


「うんうん、クレアには優君とのふれあいの時間が絶対的に不足しています」


「あたしも。足りなすぎなくらい」


「くぅ、乳でかコンビ。共闘を組むとは卑怯な……」


「とりあえず家を作ってくれないかな?」


「優斗君、二階の一部屋が私たちのお部屋でいいですね?」

「優斗、ベッドは大きい方がいいわね」

「優君、お風呂大きくしようね。混浴できるように」


 三人はむっとした顔でにらみ合う。


「あのさあ、お兄ちゃん。アルカちゃんはスキルの売買ができる場所が欲しい。それと空を飛ぶことを商売にするためにその場所も」


「ああそうだな。スキル売買は専門家を1人連れてきたいなあ。それも信頼に足りる人物。とりあえず家の間取りとか大きさを決めようぜ。みんな仲良くね」


「まっ、優斗君が傍に居れば何とでもなりますから……」

「各々必要な部屋を発言していきましょう」

「大きなお風呂は外せないです」


 間取り等は3人に任せておけばいいだろ。



 俺は使い魔と話をしているカグヤ嬢の方に歩み寄る。


「ちょっと聞いておきたいことがあるんだ」


「なあに?」


「俺のこと随分知っていたのはなんで?」


「巨大な戦力は把握しておいた。私には方々を見渡す能力があるからな」


 カグヤ嬢は指先に緑の球を作る。


「ということは人も探せる?」


「ある程度の特徴と秘めてる力があれば」


「俺の師匠がどこにいるか見つけてくれないかな? えっと特徴は綺麗なお姉さん、30代くらいかな。森の奥か、山の奥に住んでいて、そこの魔物はやたらつええ」


「ああ、優斗の師匠なら昔会ったことがある」


「えっ? じゃあ居場所も」


「なんだ、何も聞かされていないのか?」


「うん……」


「仕方ない。他言しないという条件で少しだけ知っていることを教えてあげる」


 カグヤ嬢は口元を緩め俺を見た。

 やべえ、少しドキっとしてしまいました……

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