第40話「大会優勝の報酬」
限界を引き出して戦闘した三人は相当疲労がたまっていたようで、夕食後にはすぐに寝てしまった。
俺は夜のナルブタンの町をアルカと共にぶらつき、3人に喜ばれそうなものを選び購入していく。
優勝したので賞金が貰えたことが大きい。それ以外にも優勝者には貰えるものがあるにはあったが……
「お兄ちゃんも今日一日疲れたでしょ」
「戦闘はそれほどでもないけどな」
マアニャたちのことで気をもんでいたからな。
「最後にお兄ちゃんがだれを選ぶのか楽しみだぜ。カグヤ嬢の提案というか、商品どうするか決めた?」
「いや、まだだ。あの3人寝ちゃったし……旅の目的から逸れそうだしな」
「アルカちゃんはいいと思うよ。根の詰めすぎは良くないでしょ。それにプラスになる提案だと思うよ。この町に来て、アルカちゃんは懐かしい感じがしたし、あの人たちいい人そうじゃん」
「それは間違いない。強い味方は多いに越したことはないし、目的は同じみたいだからな。皆に意見を聞いて一致してれば、あの商品をもらうか」
「優斗……」
買い物を終え、戻ろうかと思った俺たちに力の騎士団副団長のグランドが声を掛けてきた。
「なんだよ、お前帰ったんじゃないのか?」
夕食は共にしたが、大会も終わったからと早々に別れたのに……
「いや、そこの温泉施設を利用してた。なんていうか……やっぱり優斗と話したいことがあってね」
「なに?」
「マアニャ様とミイニャ様が戦っていた時、ほんとに信じているだけだったのか? 君が我慢しているのは理解したが、優斗はお二人を何が何でも守ろうと誓っているはず。容赦のないカグヤ嬢の攻撃を見て大けがするかもしれない状況で……」
「はあ、言いたいことはわかった。確かに俺はマアニャとミイニャが勝つと信じていた。けどほんとにぎりぎりのギリギリになったら、降参させるんじゃなく、割って入るつもりだった。大会ルールは俺が決めたルールじゃないし、カグヤ嬢とタイマンで勝てば誰にも文句を言わせない覚悟……までしていた。あの二人は降参なんてする性格じゃないからな。まあでもそれは、奥の奥の手だ。ちゃんと勝っただろ」
グランドは俺を見て呆れた顔をしたが、徐々にその表情は緩みだし、
「まったく優斗らしい。ちょっと悔しいよ。そこまで二人を信じられる君が。優斗には敵わないなとまた思ってしまった……一つ頼みがある。決勝戦では戦えなかったけど、もしよければ今から少し戦ってくれないか?」
「いいぜ。ほかならぬ友達の頼みなら」
少し手を抜いて、二刀流スタイルで訓練を兼ねてグランドと30分くらい剣を交えた。
間違いなくこの副団長は強くなっている。バニア団長はきちんと指導しているようだな。
「ふう」
キンと左右の剣をおさめ、大の字に寝そべり息を整えているグランドを見やり、
「次に会う時はバニア団長を超えてろよ。お前なら出来るはずだ」
「はあ、はあ……簡単じゃないが、そこを目指して毎日団長と対戦するよ」
グランドは右手を握り、拳にして俺に向けた。
「また会おうぜ!」
俺はその拳に左拳でタッチする。
――翌朝――
俺とアルカが目を覚まして、だいぶ経ったころ、3人娘は起床した。
「あ~、なんで起こしてくれなかったのよ! 早寝しすぎた」
「せっかく優斗君とのイチャイチャできるチャンスを不意にしてしまうとは……最大の不覚です」
「くうっ、お二人とも寝ていたなら、クレアの大チャンスだったのに……もう優君のバカ! 起こしていいのに」
起きて早々元気がいいな。どうやら完全に疲れは取れたようだな。
「限界まで引き出して戦ったんだ。疲れるのは当然だよ。なあ3人とも、昨日のカグヤ嬢が言っていた商品の話なんだけど、どうしたい? アルカには昨日聞いた。もし意見が一致したら提案の方も受けようと思う」
マアニャたちは顔を見合わせ、笑顔になる。
「面白そうじゃない。せっかく優勝したんだし、何にしようかな~」
「ついにこの時が来ました。さすが私のうんのよさ」
「クレアも何か一つ。もう楽しみ」
3人ともノリノリだなぁ。
そんじゃまあ、優勝商品である自分たちの町を作る。いただくか




