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第21話「今度は妹(ミイニャ)の召使いになります」

 午後1時50分。クレアにミイニャが経営しているカフェの前まで案内してもらう。

 店の両隣は左にやっているのかわからない特殊道具屋。右側には宿屋があった。


 カフェの名は「グランデ」


 見た目は、現代風な普通の喫茶店みたいだけど、なぜか店の外にメニューが置かれていない。

 俺ならば少しでも宣伝になるだろうから、イチ押しメニューでも書いて立てておくくらいするが……


 外からでも閑古鳥が鳴いていそうな様子だな。オープンしてからそこまで時間が経過しているような外観の印象もないし、まともに経営できていないのでは……


「じゃあクレアは邸に戻ってるね。あっ、そうだ。はいこれ」


 クレアはポケットから懐中時計を出し、俺に渡してくれる。


「……ありがとう……クレア、スマホ持ってないの?」


「スマホ? えっと、もしもしするあれかな?」


「そうそう。電話」


「今のところ必需品でないから、持ってないよ。日常生活に支障ないし……欲しいなら、左に入った便利屋さんで買えると思う。それから一文無しは大変だろうからって、マアニャ様がこれを」


 茶色の封筒も渡される。中身はお金なんだろうと想像がついた。


「……あいつ、案外優しいな……」


「わかってるくせに。だからあんなにかまってるんでしょ」


「とにかくありがとう。また戻ったらいっぱい話をしよう」


「うん。かなり楽しみにしてるからね」



 クレアは軽く右手を上げて、邸の方に離れて行く。それをみながら、俺はカフェの扉に手をかけ、ゆっくりと引いた。


 チャリンとコインを落としたようなベル音が鳴る。


「いらっしゃいませ」


 ドアが閉まるよりも前に、ミイニャの気持ちのいい挨拶が耳に届く。

 接客は悪くないと言うか、好印象だ。


「……あなたですか……」


 俺を見て明らかに美人は嫌そうな顔する。それだけで落ち込むだろ……


 マアニャと違うのは、髪型と髪色だけ。背丈は一緒。スリーサイズ等は若干マアニャの方が発育している気がしないでもないけど、確かめたら殺されそうだし。


 ショートの少し赤みがかった茶髪をウエーブしていて、それが良く似合っていた。


「いらっしゃいました」


 店内は掃除も行き届いて、清潔に保たれているが、やはりというか、予想していた通りお客が居なかった。


「呼んでいませんが……」


 眉間にしわを寄せ、さらに迷惑そうな顔を作る。


「ええっと……お姉さんから説明は?」


「何もありません。まだウロウロしていたんですか? あなた1人じゃ町の外に出ても魔物の餌食でしょうしね。ふふふ」


「おほん、マアニャに頼んで、二人限定の召使いにしてもらったから」


「……」


 ミイニャはパチパチと瞬きする。聞こえなかったかな……

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