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第38話「魔術の大会・決勝戦マアニャ&ミイニャVSカグヤ」

 ついに魔術の大会は決勝。そこまでシードされていたカグヤ嬢の登場。

 早々にリングに上がった彼女にわれんばかりの喝采が起こる。人気あるなあ、悪役令嬢のうわさはなんなんだよ……


 見た目も緑の艶髪のロングストレート、そして、王族の娘はみんな美人なのかというくらい目を引く容姿だしな。


 左右からマアニャとミイニャに足を踏まれる。


「なにカグヤ嬢に見惚れてんのよ! 優斗はあたしだけ見てればいいの」

「私を見ていてください。他は目の毒です」


「わかってるな、二人とも。いやベリを入れて3人か。絶対勝てよ」


「かなり温存できたからね。とりあえずここまでは順調に来れたわ。最後は二人だしね」

「ぎゃふんと言わせないと気が済みませんからね」


「勝ったら特別な何かを頂戴ね」

「勝ったら特別な何かを下さい」


 2人は同時に口にしてにらみ合う。息ぴったりだ。


「クレアは優君と仲良く応援しています」


「含みを持たせる言い方じゃない。応援は感謝するけど」

「カグヤ嬢を倒して、すぐ私が優斗君の隣に行きます」


「お姉ちゃん、ミイニャちゃん、ベリちゃんファイト~」


 マアニャとミイニャはリングに上がり、余裕顔のカグヤと対峙した。


「よくケティとコウコを退けた、二人とも。少し楽しみになったぞ、戦うのが」


「全力でねじ伏せるわ」

「覚悟してくださいね」


 マアニャとミイニャは構えを取る。



「2対1とはいえ、勝算はあると思うか、優斗?」


 グランドはまた俺に解説をご希望のようで隣へとやってくる。


「勝算はあるさ。あの二人の成長は群を抜いている。戦いながら強くなるからな」


 ただ現時点では……


「俺は信じてるぜ。二人が勝つことを」



 試合開始が宣言される。


「さて覚えているな、二人が負けたら優斗のパーティメンバーから外れて……」


「ミナザブレス!」


 カグヤ嬢が話してる途中で、ミイニャがいきなりぶっ放した。


 炎と風の混合魔法が、カグヤ嬢に当たり、正確にはズガガガとシールドに阻まれたように、コースを変え、左右に分かれるように斜め上へと軌道を変えたように見えた。


(絶対防御か。風の壁……あれを魔法で破るのは至難の業だ。ミイニャは無意識にか、風の弱点である炎系との複合を選択した。でもあの壁は弱点属性でも難なく弾く)


「複合魔法が出来るとは驚き。センスはあるけど、それだけでは足りないな」


「お姉ちゃん、ただ見てただけじゃないでしょうね? 気づいたことは?」


「あれ、優斗が言っていたことを実行しているわ。ただの風の壁じゃない。それにあんな魔法はないから、オリジナルで鍛えたのね。360度死角はなし。当然だけどキャリアじゃ到底敵わない」


「風とお友達というやつですか? さすがは最高の風魔法使い」


「まあ、そのくらいじゃないと倒しがいがないわ」


 マアニャはぼっと自分のいる範囲を炎で覆う。


「ほう、間近で見るとわかるな。炎の源から多くの力を借りられる器か、マアニャ」


「源……ああ、これそういう感じなの?」


「お姉ちゃん、最初から全開……」


 ミイニャの方も氷で自分の周りをひんやりと覆う。


「なるほど。さすが王族の家系。自力でそこまでたどり着いたことは褒めてあげよう」


「偉そうですね」


「ミイニャ、どいてなさい! マラザボムゾ」


 フェニックスの炎がカグヤ嬢に向かっていき、風の盾に弾かれながらも、その防御を崩しかけたが、カグヤ嬢は右手を緑の光で覆い、マアニャの魔法を簡単に断ち切り、そのかまいたちのようなものが、マアニャとミイニャを逆に切り裂く。


「きゃあ!」


 2人とも手で防御して、致命傷は避けたようだがぽたぽたと血が落ちリングを赤く染めていく。


 ミイニャがすぐさま自分とマアニャの傷を回復した。


(容赦も躊躇もねえ……)

 俺は強く両手を握りしめた。


 その光景を見ていたグランドは、


「カグヤ様は風を自在に制御して攻防一体。いくら2対1でも実力に差がありすぎる。マアニャ様もミイニャ様も並みの魔法使い、僧侶のレベルを超えている。むしろ成長して5本の指に入るくらいかもしれないが、それでも相手が悪すぎる」


「ごちゃごちゃうるさいぞ。グランド」


「優斗、二人を止められるのは君だけだ。降参するように進言するんだ」


(降参……冗談だろ)


「優君、抑えて! 血が出てるよ」


掌に爪が食い込んで血がぽたぽた流れてきて来た。

わかっていたことだ。一筋縄じゃ行かない相手。苦戦し、追い込まれることは。


「グランド、よく見ておけ。マアニャとミイニャが凄いのはこっからだからよ。俺は二人なら、勝てると本気で思ってる」


 リングに聞こえるくらいの声を張り上げる。


「大変、優君血が出てるよ。クレアが治療しなくちゃ」


 クレアも意図を理解したようで、ノリノリで参加してくる。


「はい、優君手を出して」


 むにゅむにゅと必要に体を密着させてきた。やりすぎだ!


「どうして意地を張るんだ? マアニャ様とミイニャ様とのパーティーの件ならどうにでもなるだろ」


「意地なんてはってない。この戦いは二人が決めたものだからな、俺はちゃんと反対した。相手は騎士団長よりたぶん上。普通なら勝てっこない。でもこれは2対1の戦い。相手が10の能力で1~10にいきなりなるのは無理でも、一人ずつが5になって合わせて10になら俺は可能だと思ってるからな」


 ほんとに頼むぜ二人とも。もう一段上を見せてくれ!

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