第35話「魔術の大会・マアニャVSケティ」
ミイニャは2回戦も相手を寄せ付けず無傷で快勝した。
そしてブロック決勝戦へと戦いは進む。ケティとコウコちゃんの方も全力を出していないため、1、2回戦は参考にもならない。
「さてと、ケティは強いからより気合入れないとね」
ちらっとマアニャはこっちを見る。
何か奮起させることを言った方がいいよな……しかもこいつに冗談は通じないから、その辺も考えてか。
「マアニャ……」
「なによ?」
「そのなんだ……お前が怪我とかすると俺が困るから……やられたりするなよ」
「うんっ! 頑張って勝ってくるね、ダーリン」
ダーリン!
「あ~、そのセリフずるい! クレアの時は無理するなとかだったのに! 俺が困るとかカッコよすぎだよ! マアニャさん、勝ってくださいよ!」
「ちぃ、お姉ちゃんがなんで最初なんでしょう? 優斗君の言葉を励みにしなかったら私が許しませんよ」
「ベリ、しっかりな」
「はいです、パパ」
マアニャとベリはリングに上げる。リング上ではケティが腕組みをして待っていた。
「マアニャちゃんと戦えるのを待っていたよ」
栗毛色の髪とバストを揺らしながらケティは言う。
「こっちも。ケティの力を超えて、カグヤ嬢と戦って勝つ! そして優斗のパーティーメンバーに戻る」
「手加減はしないよ」
「望むところよ」
マアニャVSケティ戦開始!
☆ ★ ☆
試合開始と同時に二人は身の回りを炎と土で覆っていく。いや、リングの半々が炎と土で覆われた。
「へえ、マアニャちゃんやっぱすごいじゃん。もしかして魔法書に書かれていない上のステージに本能的に気が付いているのかな?」
「上のステージ? 全然気づいてないけど!」
マアニャはにこっとほほ笑む。
「その顔は気がついているでしょ。じゃあちょっと力勝負してみようか?」
ケティは右手を前に出す。
「いいわ。どのくらいの差があるかによって、考えが変わるし。そこまでの急成長を考える」
ケティは土を硬化したデカいのをマアニャに放つ。マアニャの方は炎の球を投げつけた。
ビリビリと両者の中間でそれは衝突して、押し合いマアニャの炎の方が押し負けていく。というよりその硬化したデカ石見たいのがマアニャの炎を吸収しているように見え、マアニャたちの方に向かっていく。
「ママ、右手をそのまま前に」
ベリはマアニャの手に自分の手を添え、向かってくるデカ岩の塊のようなものを消滅させた。
「ふう、上手く行きました。ママが強くなっているので、ベリの力もそれに伴い上昇中です。でも……」
「土と炎じゃ相性が悪いわね。でも、優斗に言われたしケガしないでケティをやっつけないとね。ベリちゃん、ケティの土魔法で気が付いたことは?」
「もともと土魔法使いは希少です。そしてケティさんは本能的、無意識に土の強度を変えられます。おそらく最強強度はママのマラザボムゾ改良版でなければ貫けません」
「強度か!」
マアニャは何か思いついたようにそれは、それは可愛すぎる笑顔を浮かべる。
「ケティ、あたしも試させてもらうわよ。ていうか覚悟!」
マアニャは指先に火の玉を集め、
「まずは一つ目! 小さな小人さん」
ドォンと放つときに音がするほどの勢いだった!
「なっ、なにこれ!」
ケティはその速度に驚き両手を合わせ、それを地面に置き、高度な砂の壁を作る。
だけどマアニャの小指の弾丸はそれを簡単に貫く。
その炎玉がケティに触れようと瞬間、オート防御のように壁の砂がひと塊になり、炎の小さな球を消した。
「うわ~、あぶない! マアニャちゃん凄すぎる。ていうか発想やばすぎる。なんなのさっきの」
「ふっ、やっていることはケティと同じよ。その砂とね」
「……冗談でしょ! この域まで行くのにあたし小さいころから一応自分でも頑張って」
「ええ、ほんとにすごいと思う。あたしよりも魔法を学んだ時間も長いし、もしかしたらセンスもあるかもしれない。それでもあたしは学んだ時間が劣っているとかセンスの差っていって、諦めてしまうことはしたくない。あたしにはいつも心配してくれる仲間といつも見ていてくれる強い召使いがいるから。それがあたしの背中を押してくれる。力を奮い立たせてくれる」
「……そっか、家系限界突破で魔法力が! 遅かれ早かれ到達するってことか。じゃああたしもちょっと本気出すよ!」
「うんっ。そうしてほしい。カグヤ嬢を倒すためにね」
マアニャの言葉を聞いて、俺はなぜだか嬉しくて身震いしていた。
俺ももっともっと強くならなくちゃいけない。段々3人娘との差が縮まってきている。
それはいいことで、喜ばしいことだけど……3人に負けないように努力することをおこたったらだめだろ。観戦しながらの指先への最弱魔法点灯を開始する。




