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第33話「お昼休憩&魔術の大会開始(マアニャの1回戦)」

 魔術の大会開始まで1時間休憩があるらしい。

 久しぶりに連続で戦ったから、お腹が空いたということでナルブタンの町にあるイタリアンレストランに来た。


 カグヤ嬢たちの貸し切りだったらしいが、俺たちは特別に食事をすることを許された。

 6人掛けのテーブルに腰掛ける。俺の隣にはマアニャとミイニャが、向かいにクレア、その隣にアルカ、グランドが座っている形。


 それぞれランチメニューを注文し、出てくるのを待っていた時、


「優斗、優勝おめでとうと言わせてもらおう。君の力は存分に見せてもらったよ」


「お目に叶う戦闘が出きたかわかりませんけど、一戦、一戦楽しかったです」


「越谷優斗、次は負けないからな。チャンスだったのに」

 クロガネはカグヤ嬢の隣で悔しそうにこっちを見た。


「クロガネ、お前、科学の騎士団団長じゃないのかよ?」


「何かあった場合、仮という形で団長をやるだけだ」


 それは団長だろ!


「カグヤは俺より強いぜ、双子のお二人さん」


 勝ち抜けばカグヤとマアニャ&ミイニャが戦うこと知ってるのか。


「強ければ強いほど、望むところよ。優斗が傍に居ればあたしたちが最強だってことを証明してあげるわ」


「お姉ちゃんの言う通りです。クレアの戦い観てましたよね? 確実に成長しながら戦闘してました……わたしたちはあんなもんじゃありませんから」


「口は達者だが、まずケティとコウコに果たして勝てるのか疑問だ? この2人はものすごい強いぞ。優斗が戦ったとしても、一筋縄ではいかないはず」


「カグヤ嬢、優斗のことも過小評価しすぎだわ。優斗がもしほんとに一筋縄でいかないのなら、それは相手が女の子だから」

「優斗君は異性相手に本気で戦いませんからね」


 よくわかってらっしゃる。


「ふっ、それからクレア、ノルマ達成おめでとう。優斗のパーティーメンバーに相応しいと言っておこう」


「ありがとうございます」


 クレアは俺を見て、にっこりとほほ笑む。可愛い!


「優斗を独り占めできるだろ。良妻がどうとか言っていたけど、今は一番現実感があるし、一歩どころか、2、3歩リードしているしな」


 カグヤ嬢のことを聞き、マアニャとミイニャはキッとお隣の席に睨みを利かせ、


「あたしを本気で怒らせるとどうなるか、思い知らせてやるわ」

「後悔しますよ、その言葉」


「ほらほら、睨んでいる暇があったら知恵を磨き、お腹を満たしておくんだな」


 テーブルに料理が運ばれてくる。取り分けられるように小皿も用意してくれた。

 マアニャとミイニャが俺に和風キノコのパスタとトマトとナスのパスタを取り分けてくれる。


「召し上がれ」


「うん、ありがとう……」


 俺たちは食事を始める。


「ときに優斗、見事な剣技は誰に習った?」


 簡単には教えるのは惜しい気がした。なんかそれを知りたがっているような……


「さあね。逆手二刀流は俺のオリジナルで、毎日訓練してもらっていたとだけ伝えておこうかな。続きは魔術の大会でマアニャとミイニャが勝ってから話してあげるよ」


「優斗!」

「優斗君!」


「なるほど。わかっているようだな、色々と……いい使い魔を持っているな、マアニャの方か」


 勢いよく空中で食べ始めているベリにカグヤ嬢は視線を向けた。

 そういえば、カグヤ嬢の使い魔見ないな。


「ベリちゃんはあたしたちの大切な家族だからね」


 それを聞いて、ミイニャは、

「来い、来い、早く来てください」

 と、念じていた。


☆ ★ ☆


 Aブロック……マアニャ、ケティ、他。

 Bブロック……ミイニャ、コウコ、他。


 もう間もなく、魔術の大会が開始される。マアニャとベリは割とリラックスしていた。


「ベリちゃん、ケティと戦うまでなるべく魔法力温存ね。1回戦、2回戦はあたしが何とかするから」


「ハイですにゃ。分析と体術でサポートします」


「優斗、ちゃんと見ててよ。クレアに教えたことはあたしも応用できるなと思ったわ。それをこの1回戦で見せてあげるから」


「ん、なんだかよくわからないけどしっかりな」


 コクリと頷いて、マアニャはリングへと上がる。客席の男性陣どもからその容姿に歓声が上がった。

 クレアの時と同じか……


「マアニャ様がどれほど強くなったか観るのは楽しみだよ」

 グランドは俺の隣にやってきて、こちらを見る。


「呑気でいいな、お前は……この魔術の大会はマアニャもミイニャもノルマを設定されてる。さっき食事中に少し話題になっていただろ」


「ああ。パーティーメンバーがどうとかというやつか」


「勝たなきゃいけないんだよ。マアニャもミイニャもな」


「大丈夫! マアニャさんとミイニャさんは勝てます。優君がそう信じているから」


 始めの合図で、マアニャと小さな魔法使いの女の子の試合が開始された。


「ファイトォ!」

 短い杖を出したかと思ったら、相手は炎の中呪文をいきなり唱えた。


 マアニャはそれを待っていたかのように口元を緩め、憎たらしい笑顔を作る。


「ファイラァ!」


 おいおい、炎の中呪文に最弱呪文唱えてどうするんだ……と思ったが、相殺したどころか、中呪文を飲み込みそのまま女の子にヒットする。


「降参した方がいいわ。あんまり怪我させたくないし、この試合で試したいことは試せた」


 負けましたと、煙を上げながらその子は答えた。


 おいおい、あいつまさか……


 ふふふ~ん。と機嫌よく口笛でも吹きそうな感じでマアニャはリングを下りてくる。

 満面の笑みを浮かべているとはまさにその顔。可愛いじゃないか。


「どう優斗、今のあたしの高等テクニックは?」


「相変わらずすげえ才能だ。クレアに俺が教えたのは剣での話だ。それをまさか魔法に応用するなんて」


「魔法の方が簡単でしょ。だって術式はここにあるのよ」


 マアニャはおへそのあたりを指さす。

 魔力に想いを込めやがったこの赤髪の女の子は!

 マアニャ、魔術の大会初戦突破!

2月に入り、更新頻度を2日に1度にしています。

次回は17日に更新予定です!

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