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第26話「剣技の大会(クレア準々決勝)」

 グランド、クロガネ、俺、セシスは難なく2回戦を突破した。

 そして各ブロックの代表が決まる準々決勝が始まる。


 Aブロック。クレアVSまみ

 Bブロック。グランドVSクロガネ

 Cブロック。俺VS幼女剣士アカビア

 Dブロック。セシスVSシシナ


 ふっ~、ふっ~と先ほどからクレアは大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせようとしている。こっちにまで緊張している様子が伝わってくるな。


 無理もない。相手はカグヤ嬢のパーティーメンバーみたいなものだろ。さっきの2回戦を見る限り、相手が弱すぎて実力が把握できていない。


「ちょっと師匠でしょ。かわいい弟子に一言かけてあげなさいよ」

「優斗君、クレアの緊張をほぐしてあげてください」


 マアニャとミイニャの双子姉妹に言われたら、もと召使いとしては従わざるをえないな。


「クレア、あの子強いからな。最初から飛ばしていけよ。ノルマはこの準々決勝の勝利だ。あとのことは考えなくていい。4つを力全部出しきれれば大丈夫だ」


「うんっ。優君先生、クレアは負けないよ! 優君とこの先も一緒にいるために」


 マアニャとミイニャを見て、遠慮しようかどうか迷ったようだけど俺の腰に手を回し、短時間だけ抱きしめてくれた。


 おおっ、いい匂いが。いい感触が! 頭の中が真っ白になってしまう。


「よしっ。力満タン。いまならもう負けない」


 審判の言葉を聞き、クレアは三度目のリングに上がった。


 どか、どか……一言声をかけろと言っておきながら、なんで俺ボコられるんだ!


「この試合ね。あのカグヤの側近強そうだしね。ミイニャ、あたしたちも気合入れてみてるわよ。同じくらいの側近を倒して、さらにカグヤ嬢も倒すんだから」

「わかっています。お姉ちゃんこそ戦っているつもりで見るように」


 ふうっと息を吐き腕組みをして、俺はリング上に目を向ける。

 可愛い可愛い弟子がものすごい心配で、自分が戦いたい心境。


「どう見る?」


 イケメン副団長、グランドが俺の解説、見立てを聞きたいようで右隣りにやってきた。


「まみって子か。あれは相当場数を踏んでる。グランド、お前よりもかも。なんていうか、見た目は少しおどおどしているけど、それは性格上のことで戦闘に自信があるし、こういうときはこうっていう戦術めいたものが完成している感じだな」


「クレアさんは苦戦すると?」

「俺でも苦戦するぜ。たぶんな」


「そんなにかい?」

「まあ、見てればわかる」


 審判が試合開始を宣言した。


 クレアもまみって子も行儀よく頭を下げ、二人とも腰に下げている中剣に手をかけ、引き抜きながら向かっていく。


 キン、キン、キン。

 びゅ、びゅ、びゅ。


 と、剣が交わる音と動く音が響き渡る。


(スピードは互角。もちろんすでに妖精の力を使っている。クレアの方が剣速ではやや分が悪そうだ)


 互いに剣を交えること数十秒、お互いに距離を取った。


「速いね」

 グランドがリングに視線を向けたままつぶやくように声を漏らした。


「ああ。剣速は今のでも6割ってところか。様子見も兼ねているし。あの子も体は小さいけど、もはや剣士として完成されてるな」


「というと?」


「体の使い方、スタミナ消費を最小限に抑えている。型で言えばモーションが小さいんだよ。だから剣速があがるんだけど……」


(まっ、あのくらいならクレアならどうにか出来るけど、当然それだけじゃなさそうだ)


「クレアさん、強いです。剣を使い始めて短期間とは思えません」


「ありがとう、褒めてくれて。全力じゃないよね? なんか優君先生と相手をしているみたいなきがするもん」


「まみの得意武器は剣じゃないので。剣士ですけどね」


 そう言うと、可愛い女の子は剣をおさめ、背中側に隠していたブーメランを出した。


(やばい……ブーメランとは)


「そういえば優君が言ってた。ブーメランは戦士が装備できる武器で、射程範囲が広く、スピードもすごいって」


「優斗さん、もの凄い強いみたいですね。えっと、まみも出ている以上はわざと負けるわけにはいきません、申し訳ないんですけど」


「勝負ですから、謝らないで。自分の力でクレアは勝つよ」


「では、行きますよ!」


 普通のブーメランではなさそうなブーメランをまみは構え、小声で何かつぶやいてから、クレア目掛けてそれを放った。


 シュルシュルと高速回転し、猛スピードでそれはクレアを捕えようとする。


 剣でクレアはそのブーメランを受け止めると、バチバチと火花が上がって、クレアはその勢いに押されながらもなんとか上へと弾いた。


「やばいっ!」

 俺は思わず声を上げてしまう。


 ブーメランに目が言っていたクレアは、まみを視界から外してしまっていた。そしてそのまみは、そのすきにクレアの背後に回り込んでいたのだ。

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