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第22話「剣技の大会(グランドの1回戦)

 スタン! と、リングから降りたクレアは勢いをつけて俺に抱き着いてきて、


「優君、勝ったよ! まずは初戦突破。あと2回でクレアは優君の良妻という名の真のパーティーメンバーだよ」


 むゆっうぅと柔らかいお胸の感触が!


「お、おう、その調子で次もその次も勝てよ」


「クレア、一回戦突破おめでとう。良妻はあたしがなるから」

「おめでとうございます。恐妻には私が」

「クレアちゃん、おめでとうだぜぇ!」


「マアニャさんもミイニャさん、アルカちゃんもありがとう。クレアがまた改めて最初に優君とパーティーを組みますから」


「優斗、いったいどういう鍛え方をしてるんだ? アイルコットンを出てから、まだそれほど日数は経過していないだろ。それなのに、あんな速度で」


 イケメン剣士はグランドはクレアの成長を心底驚いたようで、俺が使った方法を聞きたがった。


「自主性、効率、感性。もともとクレアには才能があった。それを伸ばす手助けをしているだけだ。クレアに負けたら立つ瀬がないな。副団長」


 グランドは一度肩を竦め、


「言ってくれる。僕もただ日々を過ごしていたわけじゃない」


 女の子の審判が次の対戦者をコールして、グランドは右足からゆっくりと自信満々にリングへと上がった。


 グランドの一回戦の相手は、俺が見る限り戦闘能力は騎士団員並み、力の騎士団副団長ならまず敗北することはない。


 ゆっくりと剣を抜き、相手が女の子なのでグランドは少し遠慮がちに剣を掲げるように構えた。


(あれは両手握りの上段の構え)


「あいつ、なんか色々出来るようになってやがる」


 始めてください!


 審判の女の人が声を上げた。

 じりじりとグランドの相手女性は距離をちょっとずつ詰める。


「降参してください。僕は力の騎士団副団長のグランド。勇気と無謀は違う。まだ騎士団員の君にはどうやっても今の僕は倒せない」


 相手は聞く耳を持たず、剣に手をかけ斬りかかろうか迷っている様子なのだが、動きを止めた。


「優君、あれなんで動かなくなっちゃったの?」


 クレアがリング上を指さして尋ねてくる。


「あの子も剣士だ。グランドの視線、威圧感にたじろいでいるんだ。それを感じられるだけ才能あるよ」


(それにしても、前に稽古をつけたときのグランドじゃない。甘さも消えているようだし、なにより自信を持っているようだ)


 何度も斬りかかろうと女の子の剣士は柄に手をかけ抜こうとするが、もう一歩前には出られず、最後は剣から手を放し、


「負けました!」

 悔しそうに唇をかんで、降参したのだった。


(気力だけで勝ちやがった)


 剣を鞘に戻し、憎たらしいドヤ顔でこちらにやってきたグランドは真っ赤なツーサイドアップを見て、


「どうでしたか?」

 と、感想を聴きたがった。


「う~ん、よくわからなかったわ。もっとキン、キン、シュパンっていうのを見たいわね。剣士同士なんだし」


 マアニャの言葉を聞いて、俺はグランドには悪いが吹き出しそうになった。


「優君、次でしょ」


 クレアが嬉しそうに俺を見る。試合はAブロック、Bブロックの1回戦とブロック順に行われるようだ。

 俺は屈伸など準備運動して、審判のお姉さんが名を呼ぶのを待つ。


「優斗、しっかりね」

「優斗君、ファイトです」

「優君、クレアはその姿をずっと見てる」

「お兄ちゃん、ファイトおぉ!」


 おう、グランドとは違う1回戦を見せてやるか。


 ジンクスとかはない。俺は左足からリング上にあがった。

 対面するのは、3人の幼女剣士のうちの1人キイラ。こっちの視線に気が付き、なめられないようにだろうか、睨みを利かせてきた。


「てめえ、手加減する約束だな」

 あっ、この子も口悪そう。


「ああ。ちゃんと手加減する。えっと君、名前何?」


「キイラだ! 覚えておけ」


 怒鳴るように答えてくれた。


「キイラ、お節介だけど剣士の才能がありそうだ。少しだけ稽古をつけてあげよう」


「はっ! 寝言は寝てから言え!」


 この子が三人の中で一番口が悪いな。

 さてさて、俺の1回戦が今開始される。


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