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第17話「デレデレデレのマアニャと夜を共に②」

 まだ部屋の明かりは消えていない。


 ベッドの左手側の電気スタンドが付いてまま。そして俺の眠気は左隣に横になっている真っ赤な髪のマアニャによって完全に覚めている状態。


「優斗、せっかくなんだからもうちょっとくっつきなさいよ!」


 先ほどから何度目のセリフだよ。完全にからかわれてるな、俺。


「くっついたら欲望が表に出ちゃうかもしれない」


「欲望……へえ、いいわよ、別に」


 なんか心の底から嬉しそうなんだよな。元からすげえ可愛いけど、口元を緩めた表情は可愛いを通り越してやばいし。


「よくないだろ」


「なんにもされない方が屈辱なんだけど……好きなのよね、あたしのこと?」


「何度も言ってるだろ」


「だったらその証拠を頂戴!」


 こいつは、マジでなんなんだ! 頂戴とか言うな!


「クレアには熱いキスしたっていうじゃない。あたしにもしてよ」


「何度もしてるだろ」


「愛って大事だと思うのよね、あたし」


 俺は上半身だけ起こして、ずっとこっちを見ているデレデレマアニャと目を合わせた。


(ダメだ、完全に。嬉しさでどうにかなりそうだ)


 ベッドから出て、備え付けの冷蔵庫を開ける。


「あっ、あたしにもアイスティ頂戴」


 頂戴、頂戴言うなよ、もう!


 ペットボトル。この世界で初めて見た。本当にカグヤ嬢は色々やっているみたいだな。


「ベリはその炭酸と書いてあるやつがいいです」


 サイダーか。


 マアニャとベリに布団に戻りながら飲み物を渡す。

 グビグビと空中で一気飲みしたベリは目をこすり、


「ベリはそろそろ限界ですニャ。おやすみなさい。パパ、ママ」


 俺の隣で体を丸めて、すーすーと寝始めた。


「これで二人きりね」


「ちょっと体起こして話そうぜ。布団の中は俺が持たない」


「もうしょうがないわね」

 マアニャは当然のように体を寄せてくる。


「負けるなよ、絶対に」


「ミイニャとクレアに?」


「違う。カグヤ嬢にだよ」


「そっち。あの人の風魔法なんか特殊な感じがするのよね。お手合わせすれば少しは強さの秘密わかると思う。絶対的に訓練時間で劣ってるわ、あたしとミイニャは。その差は戦いながらも埋めていくつもりよ。優斗が応援してくれたらあたしは強いから。うんうん、もっと強くなれるから」


「応援するのは当たり前だけど。でもそれだけじゃ」


「だから、愛の証明を頂戴って言ってるでしょ。ミイニャに強い武器をあげたでしょ」


「マアニャにはベリがいるじゃないか」


「そんなにあたしとキスするのがいや?」


 愛ってやっぱキスかよ! 嫌なわけない。


「お前、誘導するのが上手いよな。俺の取扱説明書でも持ってるのか?」


「お見通しって言ったでしょ。あたしが一番優斗を大好きなんだからさ」


「ミイニャとクレアに内緒に出来るのか?」


「2人を怒らせたくないわけね。まっ、あの二人だって、優斗とこんなふうな状況になればなにするかわかったもんじゃないでしょ。クレアも完全に吹っ切ったみたいだしね。それでもあたしは誰にも負けないけどね」


 何という自信!


「それ以上をしてもいいけど、とりあえず、んっ!」


 口元を緩めたままでキス待ちの顔に。


 ずりぃよな、しなかったら絶対に傷つけちゃうじゃないか。

 肩を引き寄せてゆっくりとその魅力的な口を塞ぐ。

 今回はちょっと長めにキスをした。


「何蕩けた顔してるのよ!」


「マアニャだろ、真っ赤なのは」


「布団の中入りましょ。朝までからかいまくってあげるからさ」


「それはそれで楽しそうだな」


「大好きなあたしと一緒なんだから、楽しいに決まってるじゃない。あたしこうしている時間幸せだし」


 ついお互い本音が口から洩れてしまったな。


☆ ★ ☆


 眠かったので俺とマアニャは朝もシャワーを浴び、服装を整え、まだ眠っていたベリを背中に乗せて部屋の外へ出る。

 ミイニャとクレアとアルカはすでに部屋の外で待っていて……


「さあ、今日も張り切っていくわよ」


 睡眠時間が少ないはずなのに、なんて元気なんだ。


「幸せそうな顔を……」

「優君と二人きりでいればああなりますけど」


 じろっとミイニャとクレアの視線が飛んでくる。


「無事ですか、優斗君。お姉ちゃんに襲われてませんか?」

「襲われる! マアニャさん、なんてことを!」


「いや、大丈夫。襲われてはないから」


 全然寝かせてくれなかったけど。


「お兄ちゃん、お姉ちゃんのこと大好きだもんね。幸せな時間だったでしょ」


 アルカが余計な、余計なことを言ったので、ミイニャとクレアはむっとしてさらに俺に近づいてきて、


「今日は私が優斗君を捕まえますから」

「いえ、クレアが捕まえるから」


 えっ、今日もご褒美付きが決定しているのか。


「捕まえるだけなら、アルカちゃん行けそうだな。なんたってスピードには自信があるからね」


 そういえば精霊の森に向かう時、アルカは俺の速度についてきてたからな。


「参加するつもりですか?」

「アルカちゃん、大会でないんでしょ?」


「アルカが参加しようが別にいいじゃない。優斗を捕まえることに変わりはないんだし」


「ちっ、お姉ちゃんはなんて余裕を」

「クレアだってハンデさえなければ……」


「とにかく朝ごはんを食べようぜ。外のカフェに行ってみたい」


「カフェ、私も行きたいと思ってました」


 食べたら、ギルドの登録をしておくか。依頼を受ければ情報と報酬も貰えるだろうし。

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