第16話「デレデレデレのマアニャと夜を共に①」
お風呂に一緒に入る?
とか、さんざん俺をかまってきたマアニャだけど、俺は我慢というか迷い迷ったあげくに一人ずつ入ることを提案する。
なんとなくだけど、混浴するとクレアがいじけてしまうんじゃないかというのもあり、ミイニャからはボコボコにされてしまいそうだし……
俺は気を使い過ぎなのかな?
「パパ、しっかり。ベリは二人の幸せを願っています」
「わかってるよ」
マアニャが浴びるシャワーの音が微かに聞こえる室内でベリは俺の行動を促すように言ってきた。
色々やばいなぁ。
☆ ★ ☆
マアニャが出た後すぐに洗面所で念入りに歯磨きをして、シャワーを浴びてベリと湯船につかる。
「ママは可愛くて、綺麗で、優しいですよね」
「んっ、ああ」
「パパは強くて、優しくて、頼りになってカッコいいです」
「ありがとうよ、褒めてくれて」
俺は水面に出ているベリの顎をなでる。
さて、どうするかな。
部屋着に着替えた俺と体を拭いたベリが浴室を出ると、マアニャはパジャマ姿で俺ににっこりとほほ笑む。
やばいだろ、やっぱこれ……可愛いんだよな、ほんとに!
「あのな、マアニャ」
「優斗、あたしは今この瞬間、こうやって一緒にいる時間はものすごい幸せなの。あなたもそうよね?」
俺の言葉を打ち消すようにかぶせてきやがる。
「うん……」
俺はベッドに近づきながら頷く。
「ベッド一つしかないし、優斗は今夜あたしと寝るしかないのよ!」
「カスラニクスの街でも、一回寝てるよ」
「そうだったわね。あの時はなんにも……」
なんにもしていなくはない。マアニャと一緒に寝た日は、クレアと情報を集めに部屋を出て、戻ってきたときは、マアニャを抱き枕にして心地よく寝た記憶がある。
俺は体がくっつくくらいマアニャの隣に座り、
「また言わなくてもいいかもしれないけどさ、俺、マアニャのこと好きだからな」
「しっ、知ってるし。いきなり不意打ちしないでよ!」
顔を真っ赤にしてマアニャは恥ずかしそうに俯く。やっぱ二人きりだから意識してしまうな。
「マアニャもミイニャもクレアもさ、俺のこと好きだって言ってくれるから、俺は恥ずかしがり屋だけど自分の心の内を話せるんだよ」
「優斗のことはなんだってお見通しよ。あたしが一番ね! ベリちゃんは優斗をパパって呼んでる。あたしがママ。あ、あたしはね。それが本当になれば……いいなって」
顔を真っ赤かにして……今のマアニャはデレデレデレだな。
「たぶん俺はもっともっとマアニャを好きになる。わかるんだ、なんとなく……俺、優柔不断だから、マアニャを傷つけちゃうときがあるかもしれないけど、想いだけは変わらないから、目を背けないで近くで見ていてほしい。ご両親の呪いは俺が絶対に解く。傍にいてさえくれれば俺は今よりもっと強くなれるから」
「ねえ、それってプロポーズじゃない?」
「ちょっと違うよ」
「プロポーズだと思うけどな、あたしは。そんなに言葉選びしなくても大丈夫よ。あたしは優斗を信じてる。絶対選んでくれるってね……いま、無防備な状態? 戦闘態勢じゃないわよね?」
「なに? リラックスしている状態だけど」
ふっと口元を緩め、何をするのかと思ったら、
「優斗、大好きよ!」
ぎゅ~と抱きしめられた。それを見て、ベリがおおっという声を漏らす。
風呂上がりのマアニャ、いい匂い、柔らかい肌が脳細胞を刺激しどうにかなりそうだ。
夜はまだまだ長いのです。




