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第10話「手にしたSランクの武器」

 少し図書館で時間を過ごし、買い物をしている4人のところへ戻る途中、またまた変わったお店を発見した。


『新武器作ります!』


 と、表に看板が出ていて、アイテム+アイテム=じゃじゃ~ん! とまで記されていて興味をひかれ、自然とそのお店のドアをくぐった。


 店内には見たこともない変わった武器や、防具品などがあり、きょろきょろと見回りながら奥にいた女の子に目を止める。


 何やら作業をしている様子。剣と剣を交わすように置いたかと思ったら、それを包み込むように彼女がした途端剣は合体し、一つの剣になってしまった。


(スキル持ちか。何のスキルだろ?)


 視線に気が付いたようで、顔を上げたかと思ったら、


「いらっしゃいませ~」


 と、八重歯が見える可愛い挨拶をしてくれる。可愛い妹みたいな子だな。小動物みたいにくっついてきてくれそうな……


「こんにちは。今のどうやったの?」


「えっと、企業秘密です。んっ、あれ! 越谷優斗さんですよね!」


 彼女は立ち上がり、身を乗り出すように俺を見る。


「えっ、うん」

(この子も俺を知っているのかよ)


「2本の剣を差してる。本物だぁ。メンテナンスですか? よろしければ拝見します」


 剣のメンテもしてくれるのか、そりゃあ助かる。

 俺は彼女がいるテーブルの向かいの席に座り、2本の剣をテーブルに置きながら、いましがた彼女の作った剣を眺めた。


 刃の部分は光り、細い剣だ。女の子用の物だな。


「さすが、両方ともにいい剣ですね。ソルジャーブレイドとソウルフィニッシュ」


「えっ、そんな名前がついてるの? どっちがどっち?」


「こちらの鞘が濃い赤、絵が深い青の方がソルジャーブレイド。Bランクプラスの剣になります」


 アイルコットンの武器屋で譲ってもらった方か。


「そして、黄色い鞘に黒い柄のこちらがソウルフィニッシュになります。こちらもBランクプラスの剣です」


 アイルコットンを出ていくときに、手にした方ね。

 そうか武器にもランクがあるんだったな。


「両剣とも刃こぼれもなく、まだまだ現役で活躍できそうですし、メンテの必要はないですね」


「2本とも使い始めてそんなに経過してないからね」


「ですけど、少し強化しておいた方がいいかもしれません。この2本をベースに新しい剣を作るには材料がありませんが、強度を上げるだけならすぐにでも可能です」


「えっ、ならお願い……あっ、でも連れを呼んでこないと俺の持ち金では足りない気がする」


「ご心配はいりません。優斗さんからお金をいただくなどとんでもない」


(……なぜそんなに俺が得できる仕組みなのかわからないが、この子が悪い子でないのはすぐにわかる)


「じゃあお願いします」


「はいっ。少しだけお待ちください」


 彼女はテーブルのブザーを押し、にこっと笑顔をまた作る。

 なんだろ。この子、俺と似た感じがするんだけど。


「これ、女の子用の剣だよね? 騎士団員の子が使うの?」


「はいっ。その通りです。持っているもので組み合わせたいものがあれば、新たな武器を作れちゃう可能性があります。まみが今まで作ったものなら、失敗なく調合できます」


【調合】

 なるほどそれがこの子のスキルか。

 試しに何かやってもらおうと思い、持っているものをポケットなどから色々出した。


 アイルコットンで予備に買った初心者の杖、タロムコロムで大量にもらった体力回復薬、あとは俺の予備用の衣類やら、ガムとかのみ。これじゃあ目ぼしいものは出来そうにないなと思ったが、まみって子は初心者の杖に目を止め、それを凝視している。


「初心者の杖ですか。これ今はあんまり出回ってないんですよ。この杖はもともと2つに交差している妖精の木から作られていたもので、武器に宿った妖精の力は特定の周期で消失してしまうので、持ち主が妖精の力を扱えないと、武器本来の力が半減して攻撃力も魔法力も著しく低下してしまうんです。タロムコロム限定回復薬もある。惜しいですね。もう一つ初心者の杖と、精霊の森にあるリンバインの実があればもの凄い武器が出来そうなんですけど……」


「ミイニャさんが装備替えしたとき、初心者の杖は捨てようとしてましたが、ベリが念のため預かっておきました」


 ベリはどこにどうしまっていたのかわからないが、おなかの中から初心者の杖を取り出し、テーブルの上に置く。


「リンバインの実なら、この前精霊の森に行ったとき何個か取ってきたけど、効力失っちゃってるからな」

 胸ポケットから出したそれは腐っているかのような奇妙な色だったが、みるみるうちに黄色と赤色半々の元の色に戻っていく。


(妖精の力、使用しましたよ。ご主人様)


「ティーゼ……ありがとう! そっか、この実妖精の力も宿してるのか。なんにせよ、これでいいの?」


「完璧です。作ってみていいですか、新武器?」


「お願いするよ!」


 まみって子は力強く頷いて、初心者の杖2本、タロムコロムの超回復薬、リンバインの実を優しく両手で包み込む。


 それら四つは光りだし、重なったかと思ったら次第に形を変え、光が消えると1本の杖になっていた。


「こ、こ、これは……えっと、確か前に杖の図鑑で見たことが! Sランクの武器『フェニックスの杖』では……あわわわ、Sランク武器が出来ちゃった」


 フェニックスの杖、赤みかかった杖で、赤いオーブのようなものが上にはめ込まれていて、そのオーブの下から白い羽がくっついている。


 俺はその杖を手にしてみた。振ってみるとブンと音を立てて、長さが伸びた。


「フェニックスの杖は伸縮自在で、杖の中で最高の攻撃力を有していて、持ち主の魔法力を自動回復してくれる超優れた最高級武器です」


 んっ、持ち主の魔法力を自動で回復……そんなのを探していた子がいたような……


「ここで出会うことになったか」


 やはり、ミイニャの運の良さおそるべし!

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