第8話「マアニャとミイニャを奮い立たせる」
「だからなんであなたはミナザブレス撃ったあと、どや顔決めるのよ! 隙だらけでしょうが」
「ふっ、私の最高魔法に倒せない敵はいないから」
「いっぱいいるわよ! そんなんじゃカグヤと当たるまで残れないわよ」
「お姉ちゃんこそ武術を鍛えた方がいいと思う。力、有り余ってそうだし……あっ、優斗君」
ミイニャが俺に気付いて、小走りに近づいてくる。
「あっ、こら。すぐサボるんだから」
「特訓はどうだ、二人とも」
「はっきり言って思わしくない。このまんまじゃ絶対ダメだわ」
「お姉ちゃんはあきらめが速いですね」
「あなたに言われたくないわ!」
「魔法は俺の専門外だし。普通のやり方じゃ2対1でも敗北必死。でもそれじゃあ俺が困る。何としても勝ってもらわなければならない」
「当然です。私は負けません!」
ミイニャは自信満々に両手を握って拳にする。
「どこからその自信が湧くんだか」
マアニャはベリという優秀な使い魔がいるけど、ミイニャに使い魔がいないのは結構いたいな。
カグヤ嬢は間違いなく使い魔がいる。ということは2対3で戦うのと一緒。
「ベリ、使い魔って主人の力が強大なほど、強くなるんだよな?」
「はいです、パパ。もともとの強さはもちろんありますし、鍛えられますが、主人の力は使い魔にとって増幅装置のようなものです」
だよな……ってことは、厄介な二人を相手にしなければいけないのと同じこと。
「作戦でどうにかできる範囲外なような気もする」
「優斗君、カグヤ嬢はそんなに凄そうなんですか?」
「戦っているところを直にみてないから、なんとも言えないけど、バニア団長クラス、俺の見立てじゃおそらくそれより上だな。なんか強さもそうだけど、絶対の自信が根底にあるみたいだし、俺でも本気出さないと勝てないかもしれない」
「――マジで言ってるの?」
「だから戦うなってさっき言っただろ。マアニャもミイニャも魔法使いの資質は指折りだとソニアちゃんが言っていた。ソニアちゃん流にいうなら、カグヤ嬢はその資質の上に確かな訓練と実績があるんだ。たぶん……あれは戦闘で負けたことがない感じだし。正攻法じゃ可能性はないと言っていい。が、俺はマアニャとミイニャの力がないとは思えないし、そう言われて腹が立ったのも事実。だから見せてほしい二人のありったけの力を。度肝を抜いてほしい、あのカグヤ嬢に目にもの見せてほしいんだよ」
「ふっ、優斗の言葉は力を湧きあがらせてくれるわ。成長するわよ。短期間でも」
「さすがは優斗君。見ててくださいね。必ず納得してもらうだけの物をお見せしますから」
気持ちが入れば成長速度は増す。
元々、資質がある二人だ。1日でも飛躍的に伸ばすことは可能。何度でも奮い立たせてやる。
作戦を立てることにも協力するからな。




