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第6話「幼い剣士の女の子が3人」

「まったく、優斗君をのぼせさせてどうするんですか? ふっ、乳でかコンビもこれで少しは懲りるでしょ」


 少し荒い息遣いになってしまったが、脱衣場で水分を取り、しばらく休んでいたらすぐに元の状態になった。


「優斗、ごめんね」

「優斗君、ごめんなさい」


「別に二人のせいでのぼせたわけでは」


 途中まで言って、ミイニャが俺に鋭い視線を向けていたので言いよどむ。


 3人とも踊り子風の戦士、魔法使い、僧侶の服装になっていた。ちょっとセクシーで可愛らしい恰好。

 うん、いいじゃないか!


(さて俺の服装は……)


 あれ、シャツとズボンが綺麗になっただけで変わって無くないか……


「うん。やっぱ優斗はあたしたちがコーデしたその恰好が一番だわ。召使いの服装もいいけどね」


「3人の服装を見て、俺のテンションは上がっている……って、剣がない! ここに立てかけておいた剣が!」


「あれ、クレアの剣もない! スピナ団長から譲り受けた大事なものなのに」


 着替えを置いていった誰かが持って行ったと考えるべきか……


☆ ★ ☆


 剣を探そうとお風呂場から出た俺たちは、小さな女の子3人組と出くわす。


 その3人はそれぞれに俺の剣とクレアの剣を手にしていて、あろうことか剣を使用していた。

 キンっ、キンっと剣と剣が当たる音と素早い3人組は広い廊下をまるで遊び場のように使用して、剣を扱い訓練でもしているようだった。


「動きが速い。クレアじゃ目で追いきれないよ」


 たしかになかなかの速度だ。3人とも動きは自己流のようで、野生の獣みたいな動きだ。


「おい、俺たちの剣を返せ。おもちゃじゃないんだ」


 小さな女の子3人の視線がこっちを向く。


「今はお借りしているのです。どうしても戻してほしければ、力づくでどうぞ」


 10歳くらいの子供にそんなことを言われる。


「言ったな。悪戯好きの子には俺は少し甘かないぞ」


「ちょっと、丸腰で大丈夫なの?」

 マアニャが一歩前に出た俺に心配そうに尋ねた。


「問題ない。相手は子供だし」


 といいつつも、集中力を高める。どう見たってただの子供の動きじゃないからな。

 ひゅんひゅん動ける奴などそうはいない。目で追いながら、タイミングを見定めて、3人が交わる瞬間に一気に加速し、手刀で剣を弾き、3人の手元からそれを無くす。


 床に無造作に放ってあった鞘に剣を戻しながら呆然としている3人の女の子を見据える。


「確かに力づくで、返してもらったぜ」


「丸腰の相手にこれ以上の屈辱はありません。お前、相当強いですね」


 お前……年下の子にその呼ばれ方……


「まあ、一応は剣士だからな」


「男のカグヤ様のお客様は珍しいです。はっ、まさかお前が闇の教団とあほ丸出しで戦闘しているという越谷優斗ですか?」


「色々言葉が失礼だけど、俺が越谷優斗だけど」


「まさか、明後日の剣技の大会に出るわけじゃありませんよね?」


「いや、俺は……」

 口ごもる俺だったが、


「出るよ! 優君はクレアと一緒にその大会に出る」

 クレアが傍にかけてきてそう主張した。


「大会に出る!」

 真ん中の子が衝撃を受けたようで、なにやら3人でひそひそ話を開始する。


(なんなんだ、この子たちは……)


 と、クレアに剣を渡しながら思った。ていうか、大会参加してほしいのか、クレアは。

 大丈夫か、俺とクレアが同じブロックで当たったらどうすればいいんだよ?


「お前、強そうだからもし私たちと当たったら手加減してくれるとありがたいです」


「ん、おお。小さな子に本気を出すほど大人げなくはないぞ」


「絶対ですよ」

 三人ともしっかりとお辞儀をしてから、ゆっくりと俺たちから離れていった。

 幼い剣士が3人。まさかとは思うが、あの子たち騎士団員じゃないよな?

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