第39話【第2章最終話】「クレアの手紙」
優君&優君先生へ
お別れを伝えることが口頭ではなく、こんな形になってごめんね。
昨夜まではこのまま一緒に居るつもりだったんだけど……そんな状況を神様は許してくれなかったみたい。
神様をクレアは信じてないんだけど……
優君にはまずありがとうを。ミラ家の召使い楽しかった!
優君が来てくれてからはほんとに、凄く、すっごく。言葉には表せないくらいクレアは日々幸せで、アイルコットンを出て行くと知らされたときは、一瞬頭の中が真っ白になっちゃったよ……えへへ、あっ、これは言ったよね。
ついていくって決めて、カスラニクスでもクレアは楽しかったよ。心の底からではなくても、楽しかった。優君はクレアに幸せをくれるから。
えっと、クレアは優君に、みんなに嘘をついていました。
それを言ったら、優君はマアニャさんとミイニャさんのご両親の呪いそっちのけで、たぶん力を貸してくれたと思う。クレアの大好きな優君は優しいからなぁ……
でもね、結果としてマアニャ様とミイニャ様にも面倒をかけることになっちゃうから、言えなかったの。クレアは意気地なしだよ。
もし無事にクレアの抱えている問題を片付けられたら……うんうん、これはずるいかな。あのお二人とは正々堂々真正面から勝負したいもんね。
マアニャさんとミイニャさんを大切にね!
優君の毎日が幸せであることをクレアは願っています。
それからスキルハンターに気を付けてね。二つ持ってるんだよね、スキル。二刀流と……あれ、もう一つはなんだっけ?
クレアの大好きな優君。
子供っぽいところも、敵をみて怒りっぽくなるところも、いつもクレアに優しくしてくれるところも全部が全部好きだよ。混浴も優君だからこそ、しちゃったんだから。
もう大好き!
優君の良妻になりたい。これは偽りなく真実だからね。待っててなんてクレアも言えない……でも、また会えるその日が来るとクレアは願っています。
それから優君先生へ。
剣術のご指導ありがとうございました。
全然厳しくなかったし、優しすぎだよ。生徒のクレアとしてはもうちょっとスパルタでもよかったかも。なんてね……
でもそこが優君の長所だし、クレアは優君に教えてもらえるとわかって剣士になったんだよ。
クレア以外は弟子を取らないでね。特に女の子は争う相手がまた増えて競争が激化するのでご法度。
短い、短すぎ! の師弟期間だったけど、強くしてくれて感謝しています。ソニアちゃんにもお礼を言っておいてもらえるとクレアは嬉しいかな。
クレアは弱いな。
これ書いている間もまだ決心がつかないでいて、ぐらぐらしちゃってる。
優君を起こして、助けてと図々しく言えたらどんなに楽か……
クレアは優君が大好きです。
うんうん、愛しています。
もし、クレアのことをちょっとでも想ってくれているなら、追いかけてきて、たすけ
最後の一文は、二十くらいの棒線で乱雑に消されていた。もうこんなこと書いちゃダメ! とクレアが自分に言い聞かせているような印象を受ける。
手紙とクレアが書いていたノート2冊を残して、ミラ家の元メイドは俺たちの前から突然姿を消した。
第2章はここでおしまいです。続きが気になるよ~という方がいましたら、下にある評価等で励ましていただければ第3章を書くこの上もない力になります。




