第34話「大貧民で勝負」
トランプ。1から13の数字が書かれているカードが4種類。
ハート、スペード、クラブ、そしてダイヤ。計52枚のカードとジョーカーのカードが存在し、多種多様なゲームに用いられる。
トランプは記憶にあるな。誰としていたのかは思い出せないけど、ある程度のゲームは覚えている。
「大貧民で勝負よ」
大貧民……大富豪とも呼ぶのかもしれないが……
ルールはみんな知ってるよな? 簡単に言うと、俺の認識では2が一番強くて3が一番弱い。
ジョーカーは最強で、何にでも代替え可能。例えば1のペアカードを出したら、それより上なのは2しかないので、2のペアカードを出してもいいし、持っていてもパスは出来る。
パスは2回までとか制限して行うと言う認識。
それと革命と言うのがあり、同じ数字のカードを4枚出すと、3が強くなり、2が最弱になるという……
階段とかもあるけど、456とか同じ種類で数字をそろえて出せる……まあ階段はなしのルールで行うこともあるのだぜ。
「大貧民……」
「優君、知ってる?」
「ルールは知っているが……」
マアニャの奴、わかってるのかな?
クレアはうそ発見器で、ミイニャはうんのよさが振り切れてるんだぞ。トランプゲームじゃ圧倒的にこの二人が有利なんじゃないか。
「クレアはスキル使わないよ」
小さな声でクレアは耳打ちしてくる。
さすが超いい子。不正反対。
ミイニャはこっちを見てにやり顔に。まあミイニャのは生まれ持った特性だからな。不正ではないか。
「ほんとにいいのか、大貧民で?」
「もちろん。ミイニャが勝つと思ってるんでしょ。甘いわね。うんのよさで勝てるほど勝負の世界は甘くないのよ。現に小さいころだって、勝敗的にあたし負け越してはいないはずだもの」
マアニャもある程度うんのよさありそうだもんな。知力と戦略でカバーするということか……
というかお風呂上がりの3人とトランプ。少しだけ頑張った俺へのご褒美……
いやいや、勝った子と俺お熱いキスしていいのか!
「優斗が誰かに肩入れしたら、あたしはすぐわかるんだからね」
「……勝負勘ありそうだな、おい……ちなみに俺が勝ったら、マジで際どいお願いを3人ともにするからな。覚悟しておけよ」
ふふふ、誰が勝っても俺得な展開。まさにハーレム。
「……優斗にだけは勝たせちゃダメよ。何考えてるのか知らないけど、ろくなことじゃないんだから」
「優斗君に勝たせるのが一番アリじゃないですか……」
「クレアは優君が何をお願いするのか気になる」
「あんたたちね、自分の勝利を第一に考えなさいよ!」
この志が勝敗に影響したと言っていいだろ。
10戦中、何とマアニャは7戦で勝利し、他の参戦は仲良く1勝ずつで痛み分け。
「ふっ、勝負事であたしが負けるわけないの。よかったわね、優斗。一番大好きなあたしとまた口づけが出来て」
マアニャは満面の笑顔で、髪をポニテにして俺に抱き着いてくる。
(……やっぱり、どう見ようが可愛い……)
「……うんのよさ、またしてもどこへ行った! 優斗君、さっさと済ませてください。言っときますけど、キスだけですからね」
ミイニャはベッドに駆けていき、盛大にダイブする。
「負けは負け。マアニャさんは正々堂々勝利した。あの勝負運は見習わないと。クレアもそれを見てるなんて無理!」
クレアもこちらを見ずにベットルームへ駆けて行った。
「いつでもいいわよ」
「いいわよって……マジでやるの?」
「当然でしょ。そういうルールだったんだし。キスはキス。あたしとじゃ嫌だって拒絶するなら強制はしないわよ」
「……いや、それなら最初からトランプに参加してないよ」
マアニャはつま先立ちになって、目を閉じる。
(キス待ちの顔も何とも言えない……これで何度目だよ? ほっぺにチュウを入れると5度目かな……頻繁に来るなぁ)
もうちょっと頻度を落とさないと有難みがなくなってしまう。
今度は肩には触れないで、おしりを触り、マアニャが眉間にしわを寄せたところを奪わせてもらったぜ。
さてなぜマアニャが勝つことが出来たのかと言うと……
マアニャを俺は今日一度助けている。それによりハーレムスキルが発動。俺の覚醒した幸運スキルは不幸スキルの時と同様、発動したときには影響がでかい。特に俺に幸運がもたらされるらしいな……そう自己解釈しているが……果たして?
こうして口づけが出来たのは、お互い好きなことと、ちょっとだけの幸運のおかげかな……
幸運スキルについては、まだまだ観察が必要だな。




