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じーさんず & We are  作者: Tro
#4 勇者で章
14/45

#4.3 生き残るのは誰だ? (1/2)

「お前達はー、人生の敗者、人間のクズだー。だがなー、一度どいいからお前らの輝きを、見せてみろー。そうして花となって、散っていけー、バンザーイ」


勇者訓練では恒例の鬼軍曹が新人達を前に戦意を鼓舞していきます。

訓練の様子は、それはもう過酷で厳しく、残酷無慈悲で小汚いものでした。その辺はカッ飛ばしましょう。


少年Aは剣の達人に、少年Bは魔法の使い手に、少女Aは弓の達人になった? ようです。そして向えるは最終試練です。真夜中の山中に放り投げられ生還したら無事卒業です。簡単ですね、ただ山を降りてくるだけですから。



月明かりだけが頼りの、山の中です。ホーホケキョ、違いますね、ホーホーホー、これも違うようです。とにかく何がしらの、獣の鳴き声が聞こえてきます。おー怖です。


「おい! 少年B、飯買って来い」

「買って来いって、どこで?」

「コンビニに決まってるだろうが」

「そんなの、この辺にはないよ」

「バカ野郎、目の前にあるじゃないか、ほれ、便利〜」

「相手にするな少年B」

「だって少女Aが」

「あれはもう、アレなんだ」


勇者サークルの面々はこの二日程、何も食べていません。他のグループは既に下山済みです。どうやら、というかしっかりと道も人生も迷っている最中のようです。それにしても少女Aは変わったようです。まるで別人です。


「おい! 少年B。この金の矢と、金の矢と、金の矢、どれを選ぶんだ?」

「じゃあ、これ」

「ブッブー、ハズレ〜。罰としてワンワンするんだ」

「相手にするな少年B」

「だって少女Aが」

「あれはもう、アレなんだ」


「おい! 少年B。屁、いたな。なんて奴だ」

「すまない」

「本当にしたのか」

「はい」

「相手にするな少年B」

「だって少女Aが」

「あれはもう、アレなんだ」


やけに少年Bに突っかかる少女Aです。何があったのでしょうか? 何もありません。ただ、嫉妬しているだけです。何に? ですか、それは全てです。少女Aは自分に欠けているものを、この訓練の間に嫌という程、思い知りました。そのストレスを発散しているだけです。空腹で少し本性がはみ出した程度です。少女Aの本当の姿はこんなものではありません。あんなものです、はい。


ガサガサ(お前を狙っているぞ、覚悟しろ。今からそっちに行く)という正体不明の獣が音を立てています。


「気をつけろ! 何か、いる!」


勘のいい少年Aが剣を構えて警戒態勢に入りました。続いて少年Bが周囲を魔法で探索します。


「僕の鼓動が聞こえる」


探索結果が出たようです。少女Aが何かを食べている妄想状態に入りました。それはとても不味そうです。


「ウエッ、プッ」


コザックターン(お前を狙っているぞ。踊りながら近づく、華麗な舞)という正体不明の獣が音を立てています。


「気をつけろ! 近くに、いる!」


少年Aが構えていた剣を振り回し始めました。続いて少年Bが夜空を魔法で探索します。


「今夜も星が綺麗だよ」


探索結果が出たようです。少女Aが何か不幸な夢を見て妄想状態に入りました。それはとても悲しそうです。


「お金、ありません、勘弁してください」


ゴーファイト(俺、戦う、俺、強い、お前達、食う、お前達、俺に食われる)という正体不明の獣が襲いかかってきました!


少年Aが剣で打って出ます。カキクケコキーン。剣が獣の腕に当たりました。それは熊のようです。熊ではありません。熊に似た熊です。


少年Bが魔法で攻撃を試みます。「静まりたまえ、気を静めたまえ」しかし全然効果がありません。それ、魔法ですか?


少女Aはみんなが楽しそうにキャンプファイアーをしているように見えているようです。その『楽しそう』にムカついたのか、弓を引き始めました。それは金の矢ですか、それとも普通の矢ですか?


ガオー(俺は無敵な獣)が少年Aの剣をその腕力でなぎ払いました。それを取りに走る少年Aです。


少年Bが魔法のタバコに火を点けました。少年と言っていますが20才を超えています。


「ゲホゲホ」


何がしたかったのでしょうか。その隙に、熊に似た熊が少女Aにガアー(俺の女になれ)と言っています。少女Aは熊に似た熊に照準を合わせます。その時、熊に似た熊と目が合ったようです。それと同時に剣を回収した少年Aが熊に似た熊の背後に立ち剣を振り上げた時、少女Aが叫びます。


「覚悟せいやー、このリア充が」

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