牛丼
、、、と言う訳で少々、強引だが本田一男の家に転がりこんだ。
これが居住空間か?
と言うくらい狭く、汚い、アパートだ。
人以外の生命反応を多数感じる。
害虫と言う生命体だ。
本田(早く帰らないとお家の方が心配するよ。 僕が送ってあげるから。場所教えて。)
神子(私、帰る所ないの。 お父さんもお母さんもお空にいるの。)
神法より ー 神となるべき者は嘘、偽りを口にするべからず。
嘘じゃないもんね!
本田(、、、うっ、、、なんて可哀想なんだ。こんな歳で親がいないなんて。
いいよ。君が好きなだけここにいればいいよ
だけど施設とかには入っていないの?)
チッ。結構細かい所ついてくるなー。
神子(、、、言いたくない。)
本田(、、、そうか。施設で辛い思いをしてるんだね。
わかった。言わなくていいよ。
もう聞かないから、好きなだけここにいればいい。
本田(でも、警察とかの捜索願いが出ていて僕が捕まるとやだなー。)
んー面倒くさい。面倒くさいぞ。
本田一男。
神子(大丈夫だって!その時は、私がちゃんと言ってあげるから)
本田( じ、じゃあ、その時はたのむよ)
ふーこれで暫くは大丈夫だな。
しかし、こんな冴えない男が何故試験課題なんだ?
今すぐ審判下してもいいけど
あんたは無罪ってね!
本田(き、君の名前を聞いてなかったね。)
神子(え、、、っと、かみ、、いや、し、しんこ。てんの しんこです。)
本田(天野 真子ちゃんか。変わった名前だね。 僕は、これから、病院に行かなきゃいけないから。
お留守番してる?)
神子(行く!行ってみたい。行った事ないから是非つれてって!)
本田(? 変わった子だな。)
いゃーこうして人間界をのんびり歩いてみると言うのも悪くない、、、
ギュルルーーー
まただ。また空腹が襲ってきた。
すっかり忘れていたが物凄い脱力感が襲う。
本田は私の様子を察し
本田(お腹減ったの?病院の面会時間が9時までなんだ。時間がないから面会の後ご飯を食べよう。)
面会?誰に合うんだ?
8:45分、、、病院のベッドで静かに眠る美しい女性。
本田は悲しい目で女性を見つめている。
本田(さぁー。行こうか?)
神子(もう行くの?)
本田(、、、ああ。彼女は目覚めないんだ。
もう5年になる。
、、、全部、僕の責任なんだ。
まぁ、そんな事はどうでもいいからご飯を食べに行こう。
お金がないから牛丼でいい?)
牛丼? 牛を加工した料理か?
神法よりー神は殺生してはならない。
まぁー死んでる物を食べるなら問題ないか?
食べるという行為は初めてだから、ワクワクするなー。
初めての食事、生き物を食べて自分が生きる。 人間とは悲しい生き物だ。生まれた時から何かを犠牲にしなければ生きていけない。
本田(さぁ、食べよう。)
神子(、、、頂きます。)
私は牛に感謝した。食べなければ私はこの世界て生きて行けない。
少し気が引けるが一口食べてみる。
う、、、うまぁーーーい!
ガッガッガッ!もう一杯!
ガッガッガッ!もう一杯!
神子(ゲッふー。旨い。こんな旨い物食べた事ないや。)
と言うより食べると言う事が初めてである。
本田(す、すごいね。僕は一杯でお腹一杯だよ)
本田は笑顔になっていた。
神子(ねぇ。さっきの人、恋人?
僕の責任って言ってたけど、何故?)
本田は少しためらって、窓の外を見つめながら話始めた、、、
本田の業を、、、