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魔王と少女の物語  作者: 春
1/9

暇潰しの観光

・・・暇だ。


何か面白いことはないのか・・・。


「魔王様」


「・・・何だ?」


返事は返すが、どうせいつもの戦況報告だろう。


「戦況のご報告に参りました」


ほらな。


「・・・申せ」


「はい。・・・人間の軍勢が侵略していた領土を先日取り戻しました」


もう何度目の報告になるだろう。


「・・・・・・」


「これにより領土は五分になりましたが、魔王様の軍勢と人間の軍勢の士気はこちらに有利にとなりました」


二百年ほど前までは楽しかったのだがな・・・。


「・・・・・・」


「それでここは士気の高い今の内に人間の領土を侵略しようと考えております」


一時期はこの城まで来た人間もそれなりにいた。


余の首を取ろうと喉元まで刃が向かってきた状況もあったな。


・・・あの頃は楽しかったな。


しかし、その楽しさも今ではなくなったな。


城までくる輩がいなくなった・・・。


「・・・・・・」


「疲弊しきった人間などわれらの相手にもなりません。今が好機だと思います」


・・・はぁ。


どこかに面白い事はないのか・・・。


「・・・・・・場所は?」


「はい。まずは南を制圧しようと思っております。ここは人や食料・資材が賑わっておりますので、ここを攻め、さらに士気を下げようと思います」


ほう。豊かな街みたいだな。


一体どれくらいの人間がいるのだろうか。


どんな感じの街なのか見てみたいな。


ん?見てみたい・・・。


・・・そうだ。


いいことを思いついた。


「・・・・・・」


「如何でしょうか?」


「・・・・・・いつだ?」


「一週間後です」


「では、その日までこの街で休息をとる」


「・・・な、何を言っているのですか!?」


「何もおかしな事は言ってない。最近暇でな。おもしろい事を探していた所だ。ちょうどいい」


「良くありません!」


「いいではないか。幸い余の外見は人間と変わらん。どうせ滅びる街だ。観光ぐらいさせろ」


「いけません!もし人間に見つかってしまったらどうするのですか!?」


「安心しろ見つからんさ。・・・仮に見つかったらそいつを殺せばいい」


「ですがっ!!」


「・・・余が死ぬとでも?」


「っ!!・・・い、いえ。そのような事は・・・」


「ならいいではないか。後は任すぞ。リュード」


「ま、魔王様!!・・・行ってしまわれた・・・」


さて、これでしばらくは退屈しなくてすみそうだな。





「・・・ここが人間の街か」


街は人で賑わっていた。


「今も戦争中なのに、呑気な奴らだな」


ここがあと一週間で滅びることも知らずに。


それを知った時、どんな表情を見せるか楽しみだ。


まぁ今はこの活気溢れる街を観光して楽しむとするか。


・・・そういえば、


人間の住む街を見るのはこれが初めてだったな。


どこから見に行こうか・・・。


「・・・ん?向こうからいい匂いががするな」


その先を見ると通路の両脇にズラリと立ち並ぶ出店があった。


「まずはそこから見に行くか」


どんな食い物があるかな。





「どこに行きやがったあのガキ!!」


「・・・・・・」


「おい!そっちにいたか!?」


「いや、いねぇな」


「クソ!せっかくの商品が・・・!!」


「そんなにかっかするなよ。どうせまだこの近くにいるはずだ」


「・・・そうだな」


「ああ。どうせ逃げるところなんかないさ」


「・・・・・・」

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