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奇妙な一致

 無事にゴブリンを倒せた。


「相棒、人助けをした気分はどうだい?」

ロークの中では俺とパーティーを組む事が決定しているらしい。


「別に人助けする為にゴブリンを倒したんじゃないよ。俺は初めてヴェーラの町に行くし、多分あのおばさんも行くと思う。だとするとヴェーラに住んでるかヴェーラに知り合いがいる可能性が高いだろ。おばさん達の情報伝達力は凄いんだぜ」

助けておいて損はないし、見捨てたのがバレたらヤバい。

何より魔物の中でも弱い部類に入るゴブリンを倒せなければ冒険者は諦めた方が良いんだし。


「結構しっかりしてるな、とても初めてゴブリンを見た人間とは思えないね」

ロークが訝しげな目で俺を見てくる。


(どうする、異世界なんて訳が分からない世界で生きていくには知り合いは確保しておきたい所だ。それにあの天使の事を話してもパーティーを組んでくれるなら有り難いし、警戒をする様なら逃げれば良いだけだ)


「実は…」

俺が天使に無理矢理この世界に連れて来られた事を話すとロークは黙りこみ何かを考えて始めた。


「トラマ、今の話は絶対に他の奴に話すなよ、それと神殿に泊まったらお前は殺されちまうぞ。良いか、この世界じゃ天使なしでは成り立たないんだよ。お前は神殿からしたら目の上のタンコブだ、長生きしたきゃ適度な距離を保て」


「ロークには契約天使はいないのか?」

ロークの契約天使から俺の存在がばれる可能性もあるかも知れない。


「アルバで生きてる人間で契約天使がいない奴はいないぜ。ただ、俺は契約天使とはもう関わりがないけどな」

ロークはそう言いながら遠くを見ていた。


「そっか、この国の名前はゼムリで良いんだよな。ゼムリはどんな政治形態なんだ?」

ロークは今の話にあまり触れて欲しくない感じだから話題を変える。

文化スキルで国の名前は分かったが詳しい情報までは分からない。


「ゼムリは王政だ。ゼムリ王家と貴族が政治を動かしてるから、貴族と関わる時は言葉遣いと礼儀に気をつけろよ」


「ついでに、ゼムリの金の単位を教えて欲しいんだけど」

神殿に泊まれないとなると、早めに宿泊費を稼ぐ必要がある。


「金の単位はゾロートだ。それでこれがゾロート硬貨さ」

ロークが見せてくれたコインには表に100と刻まれており、裏には天使の姿が刻まれていた。

ゾロート硬貨は1、5、10、50と続き最高は1万ゾロート硬貨との事。


「何か俺の国と似たような金の数え方だな」

そうなるとロークが俺に見せたのは100円と。


「それはあるかもな。天使が異世界人を連れてくる理由の1つに異世界の文化を取り入れてアルバを発展させるってのもあるらしいからな」

そりゃまた、はた迷惑な話だ。


「もしかしてゴブリンって呼び方もそうだったりするのか?」


「ああ、何十年か前に来た異世界人がそれまで決まっていなかった魔物の名前を決めたって聞いている」

地球ですら国により生き物の呼び方はバラバラだ。

それが異世界アルバでゴブリンなんて呼び方は不自然だと思ったら、そんな経緯があったとは。


「最後にヴェーラの町の宿屋は1泊いくらなんだ?」

今の俺は見事なまでの1文無し、なんとか1泊分は稼ぎたい。


「そうだな、お薦めは3、000ゾロートの宿屋だな。確かこの近くの畑を荒らすオークがいるからそいつを倒せば8万ゾロートは稼げるぜ」

オークって、あのオークだよな。




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