三百年後のトラマ
リクエストのあったトラマのラストです
作者も細かい所は忘れています
何時から分からないがアルバで囁かれる様になった話がある。
その国にではスキルより努力と実力が重んじられる。
その国にではスキルに関係なくやりたい仕事を目指す事が出来る。
その国の名前はローク自治区と言う。
ローク自治区に戦はない。
何故なら国境付近にはプロテクションフロッグの群生地があるのだ。
運良くそこを抜けても天使の軍隊が防衛をしている。
そしてローク自治区には一軒の食堂があった。
名前は光虎、聞く人が聞けば物凄く甘ったるい名前だと分かる。
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俺がアルバに来て三百年が経った。
ルーチェとの間に生まれた子が孫を産み、孫がひ孫を産んで…今や坂本家はアルバでも有数の名家になっていた。
「せーんぱい、それじゃ仕事に行ってくるね」
「ルーチェ、ご苦労様。はい、弁当」
俺とルーチェは今でも二人の時は先輩、ルーチェで呼びあったりしている。
「今日は皆が集まる日だから急いで帰って来るね」
今日はアルバに住んでいる坂本家の人間が一同に会する。
「ああ、腕によりを掛けて飯を作っておくよ」
「先輩、あまり無理しちゃ駄目だぞ。俺は先輩がいないと何も出来なくなるんだから」
ここまで来るまで色々あり過ぎた、かなりの無茶をした時も少なくない。
「お母様、早くして下さい!!全く毎朝毎朝イチャイチャして、恥ずかしくないんですか?」
「父親と母親が仲良くするのが、家庭円満の秘訣だろ?」
ルーチェに食って掛かったのはモルーニヤ・ウムヌーイ。
坂本家長女兼光の第二天使兼ウムヌーイ王家の元王妃。
「限度があります。私も孫に早く会いたいんですから、行きますよ」
「まだ先輩補充が足りないんだよ」
異世界に来て、色々あったけどルーチェのお陰で幸せだ。
日本と比べて危なく不便な世界だけど、家族に囲まれて幸せに過ごせている。




