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虎馬とスキル

 異世界で最初の朝は自己嫌悪で始まった。


「また、夢を見ちまったな…」

俺が異世界で初めて見た夢は日本に帰る夢や魔物に襲われる夢ではなく1人の少女の夢、その少女の目は青く綺麗な金髪をショートカットにしている。


「俺の名前はルーチェ・ピエールブィ先輩よろしくな」

「先輩って優しいんだ」

「先輩、次はあっちに行ってみようぜ」

「先輩の料理うますぎ!!」

「その、あのト、ト、ト虎馬しぇんぱい…俺、先輩の事が」

「先輩、将来2人で店やりたいよな」

少女ルーチェとの思い出が走馬灯の様に繰り広げれる夢、それが俺が異世界で初めて見た夢。

ルーチェ・ピエールブィは俺の高校の後輩。

ロシアから来たと言うルーチェは美少女なのにサッパリとした性格で入学と同時に学校中の人気者になった、俺はルーチェとふとした事から仲良くなり恋人になった。

ルーチェと付き合っていた期間は3ヶ月。

ルーチェはある日、先輩ごめんなさいと書かれた手紙だけを残して突然姿を消した。

あれから8年、情けない事に異世界に来てまで俺は未練たらしくルーチェの夢を見ている。


「サカモト様起きていますか?よろしかったら朝食にしませんか?」

俺が起きた事に気づいたのか神官長さんがドア越しに声を掛けてくれた。


「ありがとうございます。遠慮なくいただかせてもらいます」


神官長様に案内された先には小さなテーブルがあった。

テーブルには古い布とそれを押さえておく為の小さな石とライ麦パンが1つにジャガイモのスープが置いてある。


(スープの味は殆どなし。こりゃ硬いパンをスープに浸して食べるんだな。それなら食文化は中世ヨーロッパぐらいか)

最も、ここは異世界なのだから色々と違いがある筈。


「すいません、何しろ田舎の小さな神殿ですので貧しい食事しかお出しできなくて」


「俺の家では食事を食べる時は作物を作ってくれた農家の人、家畜を育てくれた酪農家の人、魚を取ってくれた漁師の人、それを仕入れて商品として売ってくれた店の人、食事を作ってくれた人、そして命を分け与えてくれた全ての生命に感謝する様にって教えられました」

それに全ての原因はあのゲイルって、天使にあるんだし。


「良い教えを受けられたらのですね。サカモト様はこれからどうなされるのですか?」


「出来れば元の世界に戻りたいんですけど、出来ますかね?」

出来る事ならタイムラグをなくしてパスタフェアに間に合う様にして欲しい。


「…一応出来ますがそれには1,000万グローリーが必要となります」

確か俺の残りグローリーは300。


「1,000万ですか。それはどうすれば貯まるんですかね」

天使の話だと魔物を倒したり人を助けて感謝されればグローリーは貯まる筈。


「ゴブリン1匹を倒せば10グローリーですので1,000万グローリーは伝説の龍王や魔王レベルになるでしょう。しかし龍王や魔王を倒すには上級スキルが必要となりますので、そのスキルを覚えるのにグローリーが掛かります。それと」

一瞬、気が遠くなりかけたが何とか持ち直す。


「それとなんでしょうか?」


「上級スキルはここでは覚える事が出来ませんし、異世界に戻るにはナーチェロ大神殿に行き7大天使様の祝福を受けなければなりません」

…パスタフェアどころか仕事も危うくなってきました。


「わ、分かりました。今俺が覚えれるスキルは何があるんでしょうか?」


「それでしたら契約の書の5ページを開いて下さい」

言われた通りに5ページを開いてみる。

アルバ言語習得とアルバ文字習得は黒くなっており、その他には

アルバ常在ウィルス耐性 100グローリー

生水耐性 100グローリー

アルバ文化常識編 100グローリー

長旅靴づれ防止 200グローリー

野外寝冷え防止 200グローリー

馬車酔い防止 200グローリー

火おこし 200グローリー

方角認知 300グローリー

魔物特性認知 500グローリー

鑑定眼 1,000グローリー

上の3つを習得しなきゃ生きてけないって。


「あのこれだけですか?もう少しないんでしょうか?」

きっと他の町に行けば新しいスキルを覚えれるってパターンなんだと思う。


「申し上げににくいのですがゲイル様の10級ですと、これが限度かと…」

神官長様は申し訳なそうに頭を下げてくきた。


「それなら級を上げる方法はあるんですか?」


「それはある程度ゲイルを貯めれば契約天使が祝福を与えてくれます。その時に必要グローリーを捧げれ上がるのですが…」

ですがで口を閉ざす神官長様。


「何か問題があるんでしょうか?」

「級を上げるには天界の審判が必要となります。しかし異世界人召還は規約違反ですのでゲイル様は祝福をしないと思われます」

…異世界に来て冒険出発前に詰んでしまいました。


「元の世界に戻るのは諦めるしかないんでしょうか?」

それならこの世界で料理人として慎ましく生きていくしかない。


「契約天使様を変えるか、パーティーを組むのが現実的だと思います」

契約天使を変えるのは級を上げるのと一緒でゲイルが認めないだろう。

パーティーを組むにしてもポッとでの俺とパーティーを組んでくれる人はまずいないと思う。

マジでどうしよう。

俺が長考モードに入ってると神殿のドアが荒々しく開かれた。


「おい、ジジイ。今日こそスキルを覚えさせろ」

入ってきたのは髭面の大男、鎧を着こんで腰には剣を差している。


「お前の様な馬鹿にスキルを教えたら禄な事にならない。帰りなさい」

スキルを犯罪に使いそうな奴には神殿が教えないのは当たり前か。


「ジジイ、斬り殺されてえのか!!」

男が腰の剣に手を掛けた。


「お前みたいな馬鹿を見逃したら大好きな先輩を失格になっちまうよな」

俺は剣を持とうとした男の手を押さえ込む。


「い、いでぇー。てえめ何しやがった!!」


「知ってるか?手の甲にあるツボを強く押すと痛いんだぜ?」

俺は手の中に布を押さえる為の石を持ち、それで男のツボに強く押し付けている。

「それに関節技って分かるか。肘の関節を逆に極めるるのも痛いんだぜ」

ツボを押しながら男の肘の関節を極めていく。


「離せ、こら離しやがれ!!頼む、離して下さい」

肘の関節を極められたら、当然男の顔は下がってくる。


「また教えてやるよ。鼻っ柱を折られるとなかなか血が止まらないんだぜ」

下がったきた男の顔に蹴りを叩き込む。

これが坂本家に代々伝わる武術坂本流柔術。

使える物は何でも使って敵を倒すそれが坂本流柔術。

家伝なのは急所攻撃、凶器攻撃、なんでもござれだから他人に教えられないだけなんだけどね。

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