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ザコトンマ同盟、旧友の実力

 メルマガに添付されていたURLを押すと喚び込み中と表示されて、ヒップホップ風の音楽が鳴り出した。


「先輩、黒い龍神様がダンスを始めたよ」

 ルーチェの言う通り、画面の端から現れた黒い竜が音楽に合わせて音楽に合わせてヒップホップダンスを躍り始めた。


「ルーチェ、竜ってドヤ顔をする生き物なのか?」

 ダンスを躍り終えた黒い竜がドヤ顔でこっちを見ている。


「いや、俺が知っている竜にはいないよ。あっ、違う曲が始まった」


「次はクラシックバレエだな…白鳥の湖ならぬ黒竜の湖ってか」

 黒い竜はクラシックバレエが終わると盆踊り、次にコサックダンスを披露してくれた。

 コサックダンスの曲が流れ始めた時、竜が涙声で”まだ、終わらないんですか?”と言った様な。

 曲が終わると画面に”召喚準備完了・財津功才を喚びますか”と表示された。

 俺がyesを選ぶと、部屋に紫色の光が溢れ大人になった親友(ザコ)が姿を現した。


「トンマ、久しぶりだな。話は聞いているけど、気になる点があるから確認させてもらうぜ」


「ザコ、その前に一つ言わせろ。お前のクリスマスとかのイベントたびに幸せな家族写真を送ってくんなよ。あれは嫌がらせか?」

 年々、成長していく子供達を見る度に独り者の虚しさを実感させられた。


「嫌がらせじゃなく自慢だ!!その蛙が出た土地に詳しい人はいるか?」


「それならロークだな。ローク、ザコがお前に聞きたい事があるんだってよ」


「それじゃ確認させてもらうけど、その土地って地面を掘ると水が出たり、敷いてる絨毯がいつの間にか濡れてたりするっすか?」

 ザコが言ったのは質問っていうよりも確認だった。


「そうだけど何で分かったんだ?」


「今のは俺の予想を確認する為の質問っすよ。でかい蛙を他の土地から連れて来るなんてのは労力が掛かり過ぎるじゃないっすか。それに連れて来るんなら他の魔物の方が良いに決まってるじゃないとすか、蛙の魔物なんて迫力不足なんすから」

 確かに、蛙の魔物よりもオーガとかの方が怖がる。


「ザコはっきり言ってくれ」


「蛙は連れて来られたんじゃなく起こされたんだよ、掘れば水が出たり、絨毯が湿るのは地下水がある証拠。恐らく巨大蛙は元々その土地に住んでいたんだろうな。でも火の天使が来た所為で気候が変わるか何かしたんだろ?その結果、蛙の倒し方はごく一部の人にしか伝わらなくなったんだよ…例えば領主とか」


「確かに、ウムヌーイがあそこの土地に来たのは200年くらい前だって聞いてるけど…それじゃあ親父かアースが蛙を起こしたってのか?」


「その辺はイスラさんが知ってるっすよ。最近、グローリーが少ないとか言ったんじゃないっすか?」

 ザコの問い掛けにイスラが力なく頷く。


「でも何でそんな事をしたんだ?ザイツ先輩、グローリーと蛙に何の関係があるんだ?」

 ルーチェが混乱した様子でザコに問い掛ける。


「マッチポンプだよ、倒し方が分かる蛙の魔物を復活させて自分が倒す。そうすりゃ民衆に感謝されてグローリーが入るんでしょ?ところが予想以上にでかい蛙が起きて困ったって所だろ」


「でも蛙が何百年も寝る事があるのか?」


「夏眠って知ってるか?雨季が来るまで仮死状態で過ごすんだよ。本来なら雨季に目覚める蛙が天候を変えられた所為で目覚める為の水分が届く事がなくなったのさ」

 マジかよ、それが本当なら急がないと。


「確か冬眠明けの蛙って食欲が凄いんだよな。ルーチェ、行くぞ!!」


「トンマ、ただ行っても蛙の餌になるだけだぜ…唐辛子と頑丈なロープと軽くて硬い木かなんかを用意してもらえる?」

 ザコはそう言ってニヤリと笑った。

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