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虎馬と光の神殿

トラマは更新リクエストをすると一番多くリクエストをもらいますが、お気に入り数は少なめの不思議な作品です

 さっきから冷や汗が止まらねえし、緊張から膝の震えがとまらねえ。

 ロストやミリーに至っては呆然自失になっている。

 なのに、俺の相棒は平然と料理をしていやがる。

 何で守護天使にも見放された俺が光の神殿、しかも深層部にいるのか…頭を整理する為にも何があったか思いだす。


――――――――――――――――


 あの時、俺は突き飛ばしてくれたトラに文句を言ってやろうと思い、トラを探したが、その姿を探せずにいた。


「ロークさん、大丈夫ですか?」

 代わりに駆け寄ってきたのはロストと恋人のミリー。


「ああ、それよりトラの奴は?」

 

「ロ、ロスト、あれ天使様だよな…」

 ミリーの震える指の先には、天使様に抱えれたトラが空中に浮いていた。

 トラを抱えているのは金色の髪をショートにした天使様、そして周りには長い黒髪の天使様と金色の長い神の天使様。

 なぜかトラを抱えている天使様はホットパンツを履いている。

 

(マジかよ…トラの言ってた事は本当だったんだ)

「光の第1級天使ルーチェ・ピェールブィ様と闇の第1級チェーニー・ピェールブィ様、光の第2級天使アトランジェ・ルヌイ様だ…間違いねえ」


「あり得ません!!ルーチェ様やチェーニー様が地上に降臨されるなんて。昔話じゃないんですから」

 ロストが驚くのは当たり前だ、ルーチェ様やチェーニー様は説法神話でしか存在を聞かないお方。


「俺はナーチェロー大神殿のステンドグラスを見た事があるんだ。お三方共、そこに描かれている御姿と同じなんだよ。驚きついでに言っておく。トラの奴は異世界人なんだよ」


「嘘だろ…異世界人を連れて来るのは8年前に禁止になってるじゃねえか。な、なあロスト」


「うん、禁止したのは偶然にもルーチェ様だよね」

 ロストとミリーの顔がどんどん青ざめていく。


「そしてトラには8年前に別れた女がいるのは聞いてるよな、その女の名前もルーチェ・ピェールブィなんだとよ」

 トラの奴、異世界人ってだけでも笑えないのに、ルーチェ様を口説いていたとはな。 


「ちなみにさっき火の玉を撃った赤い髪の天使様は?」


「イスラ・セブティム、火の第7級天使で、かつての俺の守護天使さ」

 普段ならイスラ・セブティムがいるだけでもパニックになるんだろうが、ロストとミリーの意識はルーチェ様達に釘付けになっている。 


「かつて?…駄目、それは取り消しにする。ローク、命令です!!ルーチェ様に私の助命嘆願をしなさい…お願いです、私の天生があんな不細工な人間の所為で狂わされるなんて」

 あのイスラが俺にすがりついて嘆願をしている、俺の人生を狂わせたのもイスラなんだが。


「おーい、トラ。このまんまじゃ笑えない騒ぎになるから、大切な彼女に頼んで何とかしてもらえ…頼むぜ、サカモト先輩」


「先輩、仲間の人もああ言ってるから、俺の家に来てよ…先輩の料理を食べたいな」

 そして俺達はルーチェ様の御自宅、光の神殿に招待された。

 ちなみに地上にある光の神殿じゃなく、天界にある光の神殿。

 伝説の勇者でさえ入口止まりだったそうだ。


――――――――――――――――


 ここは人が来ても良い所なんだろうか…。

 ルーチェの家、光の神殿は清浄な空気に包まれていた。


「せんーぱい、こっちが俺の家になるんだぜ」

 ルーチェに案内された先は壁や床が淡く光を放っている…神聖すぎる一画に先輩コレクションルームと書かれた部屋があるのは目の錯覚だと信じたい。


「何でルーチェが住んでたアパートと同じ部屋なんだ?」


「こっちに戻ってから、頑張って再現したんだぜ!!」

 ルーチェに案内されたの部屋は、前にルーチェが住んでた部屋を見事に再現していた。


「台所まで再現したのか…それで何が食べたいんだ?パスタの腕はそれなりに上がったぜ」


「俺、巻き寿司が食べたい!!先輩が作ってくれたハートの巻き寿司が食べたいな」

 そういやルーチェは巻き寿司が大好物だっだんだよな。


「良いけど材料はあるのか?米に砂糖に酢、昆布も必要なんだぜ。俺の部屋には色々あるんだけどな」


「それなら先輩の部屋の物を召喚して良いかな?物なら持ち主の許可があれば召喚が出来るんだぜ」

 流石は天使…部屋にルーチェに見られたら不味い物はなかったよな。


「良いけど、物が腐ってるかもしれないし親が片付けてるかもしれないよ」

 俺がこっちに来て、それなりの日数が経ってるんだし。


「大丈夫、因果律に引っ掛からなければ先輩がいなくなった直後に干渉する事が出来るから」

 人がいなくなって物もなくなる…確実に夜逃げだと思われるよな。


「それじゃ頼むよ。調味料とかは一通り置いてあるから」


「それじゃいくぜ!!光よ、次元を超え我の欲する物を呼び寄せろ…サモニングッ!!」

 ルーチェが叫ぶと床に巨大な魔方陣が現れる。

 そして魔方陣から光が溢れだしたかと思うと、そこには俺の家財道具一式が置かれていた。


「マジに現れたな。さてと始めるか…ルーチェ、台所借りるぞ」


「うん、お願い。あれ?先輩のあの本はもしかして…”先輩と私”の続きがある!!」

 先輩と私、それはルーチェがはまっていた少女漫画…ただし出てくる先輩は俺と違いイケメン。


「ああ、ルーチェの事を思い出してつい買ったんだよ。出来上がるまで読んでれば良いよ、冷蔵庫にルーチェの好きなものコーラも入ってるし」

 しかし、突然いなくなるか…まさか、ザコの奴も異世界に行ってたりしてな。



――――――――――――――――


 ルーチェちゃんは嬉しそうにサカモト様が作った料理を美味しそうに食べています。

 そしてルーチェちゃんはサカモト様と契約をすると思います。

 

(ルーチェちゃん忘れてませんか?1級の天使と高位の契約を結んだ人間は何百年も生きなくてはいけないと言う事を)

 そして契約をした多くの人間が堪えきれずに自ら命を断った事を。


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