ロキ様のお告げ?
ザコを読んだ事がない方は189話を見てもらえたら
一難去ってまた一難。
今日も胃がトルネード、アトランジェです。
イスラがやっくれました…2級以下の天使は人に直接手を下さないのが、昔からの決まり事。
しかも、イスラの火の玉はルーチェ様を直撃…ルーチェ様、大火傷を瞬時に回復って、どれだけ活性化してるんです?
確実に魔王と戦った時よりも力が溢れてるじゃないですか。
しかも、私の敬愛する上司は
「せーんぱーい」
「ルーチェ、どうしたんだ?」
「先輩にルーチェって、言って欲しかったんだー」
デレまくりの弛みまくりで、まともな判断は期待出来ません。
「あらあら、ルーチェちゃんって甘えん坊だったんですね」
チェーニー様の仰る通り、ルーチェ様はサカモト様に頬擦りしまくっています。
「チェーニー様、申し訳ありませんがお知恵をお借りできませんか?…早急に解決したい事案があるんですが」
「火の7級天使イスラへの罰、チャントのゲイルがなぜ異界に渡れたのか、今後のサカモト様の処遇…それとルーチェちゃんの説得ですよね」
イスラのした事は、死刑や永久封印されてもおかしくはない罪。
「はい、7級ともなると人間への影響は絶大です。下手に重罰を与えればサカモト様達が逆恨みされかねません」
「まあ、充分に反省はしてるんですけどね」
確かに、イスラのあの姿をみれば反省はしているのは分かります。
「終わったー、終わっちゃったー。私の天生が終わっちゃったー」
イスラは虚ろな目で、うわ言の様に繰り返していました。
「あれは反省じゃなくて、ただの逃避だよ…やっぱり天使は脆いな」
「ル、ルーチェ様いつの間に」
いつの間にか、ルーチェ様はサカモト様を抱きかかえながら私達の側に来ていました。
「先輩に話を聞く必要があるからだよ。俺は早く仕事を終わらせて、先輩と二人っきりになりいんだよ!!それに先輩の契約天使を変えなきゃいけないしな」
契約天使を誰に変えるんですかって、聞くのは愚問でしょう。
―――――――――――――――
先輩から聞いた話を要約すると、ゲイルは突然先輩の前に現れたらしい。
異世界は一つだけじゃないし、ピンポイトで先輩の前にいける確率はゼロに等しい筈。
「まるでゲイルさんは見えない糸でサカモト様の所まで導かれたって感じですわね」
見えない糸?どっかで聞いた事が
「そうか!!ゲイルは絆の糸で先輩に所に導かれたんだ」
絆の糸、異界の神様が俺に授けてくれた神具。
そして、あの方はこう仰られた”この糸があれば絆は途切れない”と。
「絆の糸ですか?しかし、その神様はなぜルーチェちゃんに神具をお授けになられたのでしょうか?」
「分からねよ、分かっているの俺達の神様より格上の方ってだけだよ…先輩、メリー先輩って覚えてるか?」
あのテントにいた神様の力はメリー先輩から感じた力と似ている。
「メリー先輩?ああ、ザコの奥さんの事か。いまだにのろけ話を聞かされるから忘れ様がないよ」
流石はメリー先輩、俺のバカプッルとしての師匠なだけある。
「先輩、サカモト先輩に連絡はとれる?」
「携帯はあるけど、ここじゃ圏外だろ」
そう言って先輩が取り出した携帯に着いていたのは
「竜神の鱗?しかもあの神様の力が籠められている」
「ルーチェちゃん、このお力は一体?」
それは人間である先輩が持つには不自然な代物。
もしかして、ゲイルは導かれたんじゃなく引きずり込まれたんじゃ…
「とりあえず電話してみるぞ、あれ?メールが来てら。ロキブライダルサービスからのお知らせ?料理人と光の天使の再会を祝して?なんだ、こりゃ?」
ロキ…そう言えば上位神にロキって名前の神様がいた筈。
「先輩、ちょっと見せて」
添付されていた写真を開くと、あの時の神様が写っている。
そして突然、携帯から声が聞こえてきた。
「この度はロキブライダルサービスのご利用ありがとうございました!!どうやら無事に再会出来たみたいですね。あっ、今からキャンセルは効かないので悪しからず。そこの神様、天使に指令して異界の人間を誘拐していたでしょ?嫌でしよ、アフターケアをちゃんとしない神って。その点、私なんて功才君のお友達にまで気を配るきめ細かさ、まさに神の中の神、信者満足度100年連続No.1。二人ならこれから起こる問題も無事に解決出来る筈。あっ、このメールは1秒後にプチロッキ君のアイコンに変化します」
1秒後、先輩の携帯はロキ様で埋め尽くされていた。
次からはローク編になります




