表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/30

山菜取りの結果は胃痛?

ようやくの展開です

 竹林の中には青黒い色をしたわらびが生えていた。

 

「これがクラークだろ?」


「ああ、これだよ。どうせのゲーニーの馬鹿がお嬢様に騙されたんだろ?クラークなんか食える訳ないってのによ」

 ミリーが忌々しそうにわらびを踏みつける。


「止めろっ!!黒いし太いし良いワラビじゃないか。それにアレもあるし…最高じゃねえか!!和え物・お澄まし・天ぷら・パスタ。燃えてきたー、わらびゲットだ」


「おいトラ、クラークには毒があるんだろ」

 ちなみにクラークは拳って意味があるらしい、確かに葉の開いてないわらびは握り拳に見えなくはない。


「ああ、わらびを食った牧場の牛が死んだ事例があるよ。でもわらびはアクを抜けば無毒になるんだぜ。山菜にしてはクセのない味にツルツルした食感、しかもここのワラビは日に当たってないから柔らかい筈。わらびはミリーさんに任せた」

 ちなみに坂本家では熱湯に木灰を溶かして漬け込む事でアクを抜いている。


「任せたって、お前は何をするんだよ?クラークの他は竹しかないぜ」


「竹は竹でも筍を掘るんだよ、だから鍬を借りたんだ。あそこの土が微妙に盛り上がっているだろ?」

 確かに筍は日本や中国でしか食べない。


「どこだよ?第一竹なんて硬くて食えないだろ?」


「ここだよ、ここ!!この辺りに鍬を入れて…立派な筍じゃねえか。ロスト君、君を筍発掘隊長に任命する」

 呆然としているロスト君に鍬を手渡す。


「任命ってトラお前は何をするんだよ?」



「ここに来る途中タラの芽を見つけたんだよ、これを逃す訳にはいかねえだろ!!ローク着いてこい!!」


「分かったよ、ったく料理が絡むと人が変わるんだから」

 竹林を抜けると、ロークがニヤニヤしながら話し掛けてきた。


「トラ、お前ロスト達を2人っきりにする為に抜けたんだろ?異世界に来て大変な癖に、随分と気が利くな」


「昔、ダチと俺達と同じ格好悪い男が恋愛で困っていたら手助けをしようって約束したんだよ。ロスト君には幸せになって欲しいし、振られるにしても別れるにしても、納得した形じゃなきゃ中々前に進めないだろ」

 偉そうな事を言ってあたが、俺自身ルーチェから進めてないんだけど。


「…確かにきつい過去からは前に進むのは楽じゃないよな。それでお目当ての山菜はどこにあるんだ?」


「あれだよ、あの刺が生えた木の芽が旨いんだよ。タラの芽の天ぷらはうまいんだぞ」


「はいはい、クラークの食い方だけで良かったんだけどな…トラ、ゆっくり取ってくぞ」

 その後、合流したロスト君達はどこか照れ臭そうな顔をしていた。

 俺達は小屋でわらびと筍のアク抜きをしてウーズィーの町へと帰還し、その足でゴーリエ男爵の屋敷へ。

 ゴーリエ男爵の台所には事前にお願いしておいた食材や調味料が届いていた。


「小麦粉も来ているな…流石に薄力粉か強力粉かは分からないか」

 天ぷらに使うのは薄力粉、ちなみに強力粉との違いは小麦の種類だから粉になってしまえば違いは分からない。

 今回作るのはわらびの和え物、醤油がないからワインビネガーと塩で味付け…かなり不満たが仕方ない。

 その他は山菜の天ぷらに筍のコンソメスープ、山菜の生パスタ、ちなみにパスタは青竹を使ってうった。 



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 トラの作った山菜料理はどれもうまく空井戸坊っちゃん達は無事に無罪放免となった。


「やはり貴方様でしたか。ローク様、行方不明と聞き心配していたんですよ」

 俺に話し掛けてきたのはゴーリエ男爵。


「止してください。俺は勘当をされたから、今はただの一般市民ですよ」


「しかす、ローク様はウムヌーイ公爵家の長男ですので」


「家は弟が継ぎますよ。あいつは俺と違って人望がありますし…ウムヌーイで俺を待っている人間はいませんよ」

 きっと、あいつも待っていないだろう。


「何にしろローク様達には感謝をしております。無罪の人間を殺す事になったかも知れないんですから。今回は10万グローリーになるそうです」

 10万グローリーもらっても、トラは覚えるスキルが限定されいるし、俺も実家の礼拝所でなきゃ契約天使とは会えないから意味がないんだが。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 光の神殿


 アトランジェです、緊急事態が発生しました!!

重大過ぎて胃がネジ切れそうです。

 今朝の定例報告でチャントのゲイルと言う天使がグローリーを荒稼ぎしているという報告ぎ来ました。

 グローリーを稼ぐのは良い事なんですが、契約信者の名前が何回見てもサカモト・トラマ。

 5分おいて見てもサカモト・トラマ。

 フェイントをかけて見てもサカモト・トラマ。

 もし、ルーチェ様が、この事を知ったら何をおいても会いに行くでしょう。

 しかし、第一位のルーチェ様が地上に降臨するのは基本は有事のみです。

 それで他人ならルーチェ様は、落ち込むでしょう。

 しかし、問題はサカモト様本人だった場合です。

 それはゲイルと言う天使がルーチェ様が定めた決まり事を破った事になります。

 さらに最悪なのはサカモト様が他の人間に殺されでもしたら…ルーチェ様は国事滅ぼしかねません。

 サカモト様が絡んだ時のルーチェ様は見境のみの字もないんですから。

 しかし、内緒にしてばれた日には私が危険に晒されます。


「アトランジェ、今日の報告はどうなっているんだ…せ、せ、せ、せ、せんぷゎいが来ている!!どうしよう?エステの予約をしなきゃ、それに美容院にも行って…先輩の好きハーパンも買わなきゃ!!」



 今、私は胃にコブラツイストをかけられた気分です。



ちなみに不幸天使アトランジェの順位は神→ルーチェ(各属性1位の天使)→アトランジェとなります。

実は上位の彼女に安らぎの日はくるのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ