表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

異世界で放置プレイ?

ザコシリーズ第四弾。

ザコに出て来た功才の親友坂本虎馬の話です。


東京にある隠れたイタリアンレストランの名店ジュッラーレ。

そこでパスタを担当しているのは若干25歳の青年であった。

彼の名前は坂本虎馬。

見た目はお世辞にもイケメンとは言えず、良く言えば癒し系、普通に言えば地味、悪く言えば落書き顔。

彼の親友に言わせると丸の中にUを逆さまにして3つ書けば坂本虎馬の顔になるそうだ。

そんな彼には意外な特技がある。


「虎さん、すいません。客が酔っ払って暴れてるんですけど」


ある日、厨房に慌てたウェイターが飛び込んできた。


「あー、分かった。今行くよ」

ウェイターとは対象的に落ち着き払った虎馬が店に行くと2m近い男がウェイトレスに絡んでいる。


「お客様、申し訳ありません。他のお客様にご迷惑が掛かりますからご退店願えますか?」

そして虎馬は酔っ払っている客を難なく取り押さえた。

彼がしたのは客の手を掴んだだけなのだが、男は悲鳴をあげてうずくまってしまったのだ。


「坂本さん、ありがとうございます。強いんですね」


「一応、武術を習ってるから。今時、家伝のマイナー武術って厨二臭くて恥ずかしいだけだよな」

彼の習った武術がマイナーなのは、ある理由からよそ様には薦めれない武術だからであった。

そんな彼の運命が変わったのはある月の綺麗な晩の事。

仕事を終えて帰宅しようと道路を歩いていたら、突然目の前の空間が歪んで男が現れた。


「滞在可能時間は5分だけか。仕方ない、そこの人間一緒に来い」


「はっ?何の事ですか?」

坂本虎馬は、何の説明も受けないまま地球から姿を消すことになる。


――――――――――


目の前に見ず知らずの男が現れて、気がつくと俺はだだっ広い草原にいた。


「さてと人間、俺様がお前と契約してやる。契約は10級っだ。ちなみに俺様の名前はゲイル。きちんとゲイル様って呼べ」


「ちょっと待て!!契約ってなんだよ?それにここはどこなんだ?」

東京にはもちろん、日本にこんなだだっ広い草原はないだろう。

それに目の前の男には何故か翼がある。


「信じられん。天使様に会えただけでも感涙ものなのに契約までしてやったのに反論だと?とんだ外れをひいたな」


「いやいや、天使なんて信じれないって。契約なんてクーリングオフだよ」


「はぁ?!この輝く純白の翼に整った美しい顔、まさに天使その者ではないか。お前は顔だけじゃなく目もおかしいんじゃないか?」

俺は改めて男の姿を見直してみる。

髪は金髪、目は緑、服と翼は純白、顔もイケメンと言って差し支えないだろう。

口は最悪最低に悪いが。


「おかしいのはお前だろ?いきなり訳の分からない世界に連れて来やがって。早く東京に戻せ」


「トウキョウ?どこだそれは?ここはアルバだ。帰りたければグローリを貯めて俺様に貢げ」

自称天使は小馬鹿にした目で俺をにらみつけてくる。


「アルバってなんだよ、それにグローリを貯めろだ?何で俺がそんな事をしなきゃいけないんだよ」


「だからこの世界がアルバ。俺達天使は信者からグローリを貢がせて生活してるんだが、俺様の下僕は稼ぎが少ないから異世界からお前を連れて来てやったんだよ。グローリは魔物を倒したり人を救えば貯まる」


「はっ?なんで俺が魔物を倒さなきゃいけないんだよ?俺は料理人だぞ!!それに人間が野生動物に勝てる訳ねえだろ?」


「スキルを使え、グローリを貯めれば教会でスキルと交換してやるよ。今回は特別に500グローリを授けてやる。後はこの本に書いてあるから良く読んでおけ」

自称天使のゲイルは俺にタウン誌並みに薄い本を投げつけると、そのまま飛び去って行った。


とりあえず現状確認に入る。

今の俺の所持品は通勤用のディバッグと携帯に財布。

ディバッグの中には愛用のペティナイフとハンカチのみ。

ちなみにくされ天使が置いていったうっすい本は何が書いてあるから分からず全く読めなかった。

そして携帯はアンテナが1本もなし。

ぐるりと辺りを見回すと遠くに村らしきものが見えた。


―――――――――


 俺様の名はゲイル、光の天使で階級はチェント。

美しく気高いイケメン天使…そんな俺様が異世界まで行ったというのにあんな外れを連れてくるなんて。


「ゲイル、今月のグローリも最下位ですね。そんな事だから何時までも経っても最下級チェントなのですよ」

話し掛けて来たのは性格がねじ曲がっている上司。 チェントは100って意味、それでグローリは栄光。

100から99にあがるには3000グローリが必要なんだよな。

だから異世界から連れて来た男から1500グローリパクっておいた。

なんでも異世界から連れてくる時には保証として、何もせずに2000グローリが付与されるそうだ。


「大丈夫です。今日、1500グローリを稼ぎましたから、ご安心下さい」


「そうですか。それなら先月の前借り分の1000グローリを返してもらいますよ」

きっとあいつは俺様の美しさに嫉妬してるんだ、そうに違いない。


――――――――――


遠くに見えた村は果てなしなく遠かった。


「あんのクソ天使!!ふざけやがって」

道中、地球には絶対に存在しない小型犬みたいな大きさのカマキリや3つ首の小鳥を見てしまった。

あれは某大国の遺伝子実験と思い込みたい。


これは異世界から来た青年と彼の仲間が失ったモノを取り戻していく物語。



携帯を会社変更する予定なので書きためを消さない為に連載しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ