第3話 プロローグ その4
南条 司。ネットハッカーの彼は突然総理大臣に呼ばれ車に乗るのだった。
[二、三日で終わるんだろうな。俺は何もしないからな。公務員なんかに協力してたまるか!あんたらとはソウルが違うんだよ!][南条 司。聞いた通りの青年だ。まあ良い。もうすぐ着くぞ]
総理大臣の部屋に入る一行。[総理。つれて参りました][ウム。下がってよい]
[意外と広いんだな。税金の城か。贅沢の限りだろ?][そんな話をする為に呼んだ訳ではない。今日のニュースは見たか?][アア。中国の軍事セキュリティーが破られたんだろ?俺は関係無いね][イヤ。是非とも君に協力を願いたい。君の実積は知っている。貴重な人材だから泳がせていただけだ。数々の物をハッキングしているらしいな][泳がせていた?ナゼだ!][………ネット犯罪撲滅の為だ。君のようなハッカーは各地にいる。我々が動いたら問題になる。だから利用しているだけだ。常に監視しているのだよ][それって…………国家機密じゃないのか?][イヤ。国家どころではない。世界規模だ][で、俺の任務は?][中国の軍事セキュリティーを奪ったサイバーテロ組織の潰滅。海軍、陸軍の奪回。期限は明朝だ][はっきり言わせて貰おう。不可能だ!相手は国家権力だぞ!民間人では不可能だ!][確かに。何を取っても勝てない。ましてや彼等にしてもプロなのだ。奪われるはずの無いセキュリティー。だから危機なのだ。日本の危機でもあるのだ!やってくれるね][設備は?人材は?][用意してある。来たまえ。紹介しよう]
司は国会の地下に案内される。[いずれこんな時が来ると思っていた。機械が人間を支配する時が。その時の為に結成した特殊部隊。ステラ。まだ企画段階だがネット警視庁と言った方が解りやすいか?][…………凄い設備だ。スーパーコンピューターに最新鋭の衛星。こんな物が地下に…………][君のマスターキーだ。好きに使え]
こうして日本政府の対サイバーテロ組織が明らかになった。
プロローグ 完結