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第3話 プロローグ その3

中国の軍事のセキュリティーが香港に落とされた頃。




日本。歌舞伎町。一人の青年がいた。




南条 司。都内の高校卒業後、彼はネットハッカーの仕事をしていた。かつては中国人[コウ・ウエルズ]と組んでいたが今は単独でハッキングをしていた。金回りの良いバイトと称して仕事をこなし、生活をしていた。表向きにはニートらしいが。そんな日常に彼は嫌気が差していた。この仕事が終わったら辞めよう。そんな生活を一年も続けていた。






[さてと、後は送信と。これで銀行口座は俺のもの。チョロい物さ。だが物足りない。慣れてしまえば盗めないデーターなど無いのだから。今や世界の中心はネット。仕組みさえ理解できれば。何かデカイ山は無いか?俺を満足させてくれる達成感]




司は町を歌舞伎町の町を闊歩した。




………皆、そんなもんさ。その水商売のネーチャンだって代わらないじゃないか。俺と。男を落として自分は稼ぐ。俺と何も違わない。これで良いんだ。…………





普段よく挨拶をするキャバクラに軽く挨拶をし、行きつけの店でチャーシュー麺と餃子を頼む。





[アア。オバチャン。今日はビールはいいよ。そんな気分じゃ無いんだ]





適当にテレビを見ながら飯を喰らう。稼いだ時のご褒美だった。[オバチャン。チャンネル変えて良いかい?ニュース見たいんだ][勝手にしな。まったくあんたは。ろくに働きもしないで][わかってるよ。ズズズズッ………食って貰ってるだけでもありがたいだろ。普通。餃子おかわりな]





………こんな時に奴がいてくれたら。コウ・ウエルズ。何をしてるんだ。連絡もしないで…………






[次のニュースです。臨時ニュースが中国から届きました。お伝えします。本日未明。海軍、陸軍のセキュリティーが破られました…………][オバチャン。お勘定][アア。要らないよ。それよりあんた。見てみな。そのうち日本にも来そうだよ。流れが][何だよ!お勘定だって!][見ときなって。あんたも。悪いことは言わないよ][で、何だっけ?][聞いてないのかい?ニュース。中国の軍事セキュリティーが破られたって][何だって!破られた?あり得ない。機密情報だぞ!嘘だよ。よく使うんだよ。メディアが。オーバーに言ってるだけ。だって無いもん。前例が。とにかく置いとくぜ。金。釣りはアー……………子供に玩具でも買ってやれ。また来るよ]






…………確かにあり得なくは無い。今は全て機械制御されている。町も人も俺も全て。だが国のプライドや威厳もあるだろう。だから盗めない。知ってるんだ。そんな事。昔、そう、コウさんとチームを組んでいた頃。近い所まではたどり着いた。だが肝心な所でたどり着けない。そんなもんだ。国家機密なんて。そういやーあれ以来、慎重になったな。それは身を守る為だ。そうだろうコウさん…………




南条 司。彼は一匹狼でありながら絆を重んじる不可思議な人間だった。





歌舞伎町の街頭テレビも臨時ニュースを伝える。人々が気にする中、関わるなと一人、家路につく南条 司がいた。どことなく餓えてシャープな青年。人は好き好んで彼に接触はしなかった。





家路につくと一台の車が停まっていた。[誰だ?まさかバレたか?イヤ。無い。証拠は消してる。足跡1つ残さず。俺はプロなんだ]車から一人の男が出てくる。後ろには警備員が待機する。右手を挙げ、止めろと合図する。警備員は警戒を溶く。





[南条 司君だね?][サー。知らねーなー。そんなやつ][総理が呼んでいる。来ては貰えぬか?][総理大臣?何で?][来る来ないは自由だ。君の実積も知っている。泳がせていた。時が来るまで][つまり…………俺の犯罪履歴も全て日本政府が揉み消したと][話が早いな。来てくれるかね?][行くだけなら構わねーが、協力はしないぜ][構わんさ。今は][待ってろ。そこで支度するから]司は家に帰り適当に荷物を纏めた。[行ってやるさ。日本政府に売られた喧嘩位、買ってやる。二、三日で済むんだろ?オッサン][スモーキーガンナーだ。以後、お見知り受けを][握手なんかしないぜ。さあ行こうか。永田町に]





続く

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