第16話 何で俺だけ
ついに軍資金を持ってカジノに来た屑達。一人二億五千万ギラを持って勝負に出る。詩織と和は各々勝利する。しかし、二人のトラブルメーカーにより絶賛大ピンチに陥ることになる。屑達は借金を返すことが出来るのか?ぜひ読んでください。
俺は東条屑。俺達はダンジョン崩壊させた賠償金として四十億ギラの借金を負った。そして今ダンジョンで手に入れた財宝を売却して入手した軍資金十億ギラを手にカジノにギャンブルしに来ている。
俺は金ぴかの内装で、喜びや悔しさなど様々な感情が交わるカジノの中、ポツンと一人でいる。
「あいつらちゃんとやれるよな……。」
不安になり、俺は俯いて溜息を吐いた。カジノには俺と和、詩織、レベッカの四人で来たのだが、お金を渡した途端に和が奇声を発し店の奥へと走っていったことを思い出した。
何をしようか、詩織がポーカーがおすすめと言っていたがとりあえず見て回るか。
十分後、レベッカがこちらに走ってきた。
「ハァ……ハァ……、早く来てください!」
「レベッカどうしたんだ?」
「詩織さんが暴走していて手が付けられないです。止めてください」
「は⁉何してんだあのバカ、詩織はどこだ?」
「あっちです」
俺はレベッカが指差した方角に走った。
あのバカ何やってるんだ……レベッカに聞いとけば良かった。少しして詩織を見つけた。
「お前何してんだよ」
「別にらんにもひてらわよ~」
「何にもしてない訳ないだろ、その娘から離れろよ」
詩織は潜入の時にセクハラをしたロリバニーの女の子に、酒を飲みながら後ろから抱き着いている。
このバカ!ギャンブルする前に出禁になったらどうしてくれるんだ⁉
「あの!この人のご知り合いの方ですか?そうならこの人を止めて下さい」
引きつった顔で助けを求めてきた。
「すいませんでしたぁ‼」
俺は詩織を引き剝がした。そしてロリバニーはそそくさと逃げて行った。
「そこに座れ」
俺は床を指差し、詩織に正座させた。
このバカめ、いつもいつも面倒ごとを起こしやがって……。
「おい、お前ちゃんと金稼いだんだろうな。」
と、俺は腕を組んで問いただした。
「いや、ちょっと負けが続きまして……それで……何というのでしょうね、すっからかん?とでも言いましょうか……」
詩織は右下を見つつ、酒瓶を脇に抱え、無い胸の前で両手の人差し指合わせたり、離したりして答えた。
『すっからかんとでも言いましょうか』じゃねえよ。酒瓶脇に抱えて誤魔化せると思うなよ、バカ!
「じゃあその手に持ってる酒瓶は何なんだよ」
「いや……これは……そう、配られたの、申し訳ないからって」
そんなことある訳ねえだろ。とは言え、あのバニーの女の子がいないんじゃこいつを論破するのは難しそうだな。
「屑さん止められましたか?」
遅れてはh知り出したレベッカは、ようやく到着した。それにしても遅かったな、何かあったのか?
「ああ、なんとかでもギャンブルに大負けして金を使い切った後らしい。」
「え?もう十五億ギラ負けたのですか?」
驚きの余り、レベッカの口から大きな声が漏れた、
「は?」
こいつ、今負けたって言ってたよな、こいつ何か隠してるな……。
「シー‼言っちゃダメ‼」
詩織は人差し指を横に開いた口に当てて言った。
「おい、お前まだ隠してたのかー‼言え‼あったこと全部‼」
俺は詩織の両肩を掴みブンブンと力任せに揺らした。
「分かった、分かった、言うから手を離して」
「分かった、早く言え」
俺は詩織の肩から手を離した。
「実は……」
話は屑と詩織がわかれた直後に遡る。
詩織とレベッカはともに歩いている。
「全く屑は私を何だと思ってるのよ」
「まあまあ詩織さんの今までの行いですよ」
「だとしても今の和の方が危険よ、奇声を発しながら走ってどこか行っちゃったんだから。」
「確かにそうですね、和さんは屑さんと同じで卑怯なところさえ除けば普通の人間だと思ってました。」
「そんなことないと思うけ……いたぁー!」
何かに気づいた詩織は突如として走り始めた。詩織を追いかけるようにレベッカも走り出した。
「ちょっと待ってください。誰がいたんですか?」
詩織は十メートルほど走った後に止まった。
「フフフ、私がここで働いた日に口説いた私の女のロリバニーよ」
「そうだったんですか。私と同じくらいの年に見えますけどロリ何ですか?」
「この変態さんの女性でもないですしロリでもないです。ブラックジャックするんですか?しないんですか?」
「勿論やるわ」
詩織は自信にあふれた顔で椅子に座った。
ギャンブルが始まるため公平を期すためジャッジゴーレムが近寄ってきた。
「私は少し様子を見ます」
「分かりました。賭け金はどうしますか?上限五百万ギラ下限は十万ギラです。」
「十万なんてちんけな額で勝負する訳無いじゃない、五百万よ」
「分かりました。」
ロリバニーはトランプを切り、詩織と自身に二枚づつ配った。
「DOUBLE(賭け金二倍でカードを一枚引く)」
「分かりましたでは私はHIT(一枚引く)。ではオープン」
詩織は四が二枚と十三が一枚の合計二十一点、ディーラーのロリバニーは十が一枚と五が二枚で合計二十点で詩織の勝ちとなり詩織は一千万ギラ入手した。そこから何十戦としたが全て詩織の勝ちとなった。
「詩織さんすごいです。もう十億超えて十五億ですよ」
「フッフッフ当り前よ、運には自信があるの。という訳で十億ギラ稼いだことだしそこのカウンターでお酒飲んでくるわ。」
「そんなことして良いんですか?屑さんに怒られるんじゃ……」
「十億ギラ残しとけば怒られないわよ。」
詩織はカウンターに座りお酒を注文した。
「っぷはー作業後のお酒は最高~」
詩織は一口飲みすぐに酔い始め、顔が真っ赤になった。酒の強い詩織のこれほど酔った姿を見たことなかったレベッカはたった一口で酔う詩織に違和感を感じ、嫌な予感がレベッカの胸をよぎった。
「もう酔ってるなんておかしいですよ、ここは飲酒をやめた方が……。」
「らいじょうぶよ~、私は今十五億ギラ持ってるんらから~。それよりレベッカちゃんとロリバニーちゃんはジュース一杯どう?奢るわよ」
「いえ、結構です。」
ロリバニーはきっぱりと断り、その場から離れようとしたが詩織に捕まってしまった。
「あの、離れてください。」
必死に詩織の手を離そうと抵抗する。
「そんなこと言わないでお姉さんと一緒に飲ませあいっこしましょ」
「これは大変です。早く屑さんを呼ばないと……」
嫌な予感を感じ取り、レベッカは俺を探すため走り出した。
そして時は元に戻った。
「そこからは屑さんもご覧になった通りです。」
詩織は起きた出来事のすべてを話し終えた。
「おいこのクソ無能!十五億ギラ稼いでおいて何すっからかんになってんだ?そこの説明がまだないぞ」
俺は詩織を指差し、問い詰めた。
「一本一億ギラの……お酒を十五本……飲ん……だ……からです……。」
詩織は目を合わせようないように答えた。
一本一億の酒⁉何考えてんだ、この無能が!
「何してんだー‼このクソ無能がぁー‼」
再び俺は詩織の肩を掴み、力の限り揺らした。
「屑さんやりすぎじゃないですか?詩織さんがダメでも和さんがいますよ」
「ハッ!やばい、和も心配だ。詩織、話は後だ、急いで和を探すぞ。」
と、俺は詩織の肩から手を離し、走り出した。
俺にの後に詩織とレベッカは俺と逆方向に走り出した。しかし揺らされて目が回っている詩織はフラフラと足元がおぼつかない様子だった。
少しして、俺は和を見つけた。和は最初居た場所とは別の場所のポーカーでギャンブルをしている。
「イヒヒヒ……ヒャヒャヒャ‼二十五億勝ち‼大丈夫?大丈夫?こんなにお金を渡して大丈夫?www」
和が何故だか煽り廚になって、ディーラーの顔前で自身の顔を素早く左右に動かした。
あいつ、煽り廚だったのか、知らなかった。
「くっ……、もう一戦やりますか?」
黒スーツの男鼻息を荒くし殺しきれていない怒りの感情が顔に漏れ出たまま、もう一戦を提案した。
「当たり前wwwお前みたいな雑魚相手なら何回でも勝負するわwww」
どうにして和を止めないと二十五億ギラ失ってしまう。
「待て、和。待て、二十五億ギラでもう十分だ、慎重になれ」
と、俺は右腕を左から右へ振った。
「何言ってんの屑www俺は今全戦全勝中なの。俺が一番波になってるのwww。クゥジュウアンダァースターンド?www」
俺は和の変顔や、こちらをバカにする声のトーンに不快感を覚えた。
うぜぇ……、聞く耳持ってないし、滅茶苦茶バカにしてくる。こいつも借金返済し終わったら覚えとけよ。
「だから待……」
「いくら賭けますか?」
俺の言葉を遮り黒スーツのディーラーはトランプを切り和とディーラー自身にカードを五枚づつ配って、尋ねた。
「オールイン二十五億!」
和はカードの表を見ることなく答えた。
「は⁉何でカードの表を見ないで答えるんだよ」
「そうよ、ノールックオールインって何考えてんの頭おかしいんじゃないの?」
「和さんここは皆さんの言う通りギャンブルをやめてください。」
「大丈夫勝てるからwww俺最強だからwww」
和は俺達の忠告を無視した。
この野郎、まじで屋敷に帰ったらこいつの下着全部燃やして、一生ノーパンライフを送らせてやる。
「それではオープン」
ディーラーと和は互いに裏になっているカードを表にした。ディーラーはAのワンペア。和は役無しだ。
このバカ!だから言ったのに‼
「あああああああああ‼」
和は両手で抱えた頭を『ガンガン!』と、大きな音を立ててぶつけながら叫んだ。
「お客様チップをお渡しください。」
「あああああああ‼」
どうやら調子に乗って狂った大勝負をし、負けて精神がぶっ壊れて言葉が聞こえないのか。和はチップを渡さなかった。
「お客さんでは私が取りますね、チップが、一ま~い、二ま~い……」
そうして丁寧にチップを一枚、一枚和に見せてから取った。そして全部回収し終えた。
「二十五ま~い、ってあれれwwwオールインだから数えなくても良かったのか!すいませ~ん!」
ディーラーの人は和に煽られていたことが余程ストレスだったのか、客であるはずの和を煽った。
「和、お前何してんだー‼」
俺は和を地面に殴り倒した。俺と詩織は蹲る和をひたすら蹴った。
「日頃から何故か私の方が無能扱いされてたけどあんたの方が無能じゃない。私は屑に合わせていただけの無能な豚ですって言えよ」
「私は……屑に合わせていただけの……無能な……豚です……。」
「人の意見はちゃんと聞いた方がいいんだぞ?Could you understand?」
「イエス、アイキャン。」
レベッカは俺と詩織を止めようにも止めに入る隙が無いほど、和に罵声を浴びせ蹴っているためただその場であたふたとしていた。
五分ほどして、俺も詩織もさすがに疲れ蹴ることを止めた。
「ハァ……ハァ……これで金を持ってるのは俺とレベッカだけか」
「私お金持ってませんよ」
レベッカの突然の発言に高速で首を曲げ、レベッカの顔を見た。
「え?いつ使ったの?」
いつだ?詩織と一緒に行動していたときか?でもあの時間で使い切るにはあまりに大金だぞ……。
いくつもの可能性が俺の頭の中をよぎった。
「屑さんを呼びに行った後、詩織さんの所に戻るの遅かったですよね。あの時に俺に金を渡してくれたら二倍にしてくれるという心優しい人がいたので渡しました。」
レベッカは胸を張って答えた。
は?絶対詐欺じゃん……。今すぐ取り返さないと。
「その人の顔は?」
「え?顔ですか?それは仮面をつけていたので分かりません。」
「それは詐欺だろ。仮面付けて金を渡してくれってなんでそんなの信用したんだよ」
「え⁉詐欺じゃないですよ、倍にして返すって言ってましたよ。」
レベッカは曇りなき眼で答えた。
何故この子は疑うってことを知らないんだ。
「レベッカちゃんいい?仮面をつけてお金を渡してほしいって普通じゃないでしょ?」
詩織がいつになく物腰柔らかく説明した。
「そうなんですか?すいません私だけギャンブルすることなくお金使い切ってしまいました。」
「別にいいわよ」
「おい……なんで……レベッガを殴らないんだ」
床で痛みで蹲る和が俺に聞いてきた。
確かにこいつはさっきミスして蹴られてたから、納得いかないだろう。実際普段の俺ならレベッカを殴っていただろうが、しかし今は隣に詩織がいる。この状況でレベッカを殴れば、俺は走馬灯を見ることになるほど殴られることが容易に想像でき殴れなかった。
「チッ!」
詩織は舌打ちをして、和の顔を蹴った。
「な……んで……俺だけ」
和は消えるような言葉で言った。
うぅ!すまない和。詩織が怖いんだ。さっきまで和に対する苛立ちが勝っていたのに今では可哀そうという気持ちが勝っている。
「君、私とギャンブルしませんこと?」
厳ついおっさんの見た目をした男がお嬢様言葉で話しかけてきた。
「あのすいません、誰ですか?」
「ちょっと屑失礼よ。この人はここのオーナーよ」
「オ……オーナー⁉」
俺とレベッカは目を見開き、声を大にして驚いた。
何でオーナーが俺にギャンブルを挑んでくるんだ?
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