呪いのエレベーターと罰ゲーム
既にもう一二分は過ぎてるのに、この二人は呪われてる呪われてないとナンセンスな事で言い争ってる。
(おーい 後五分しかないんじゃなかったっけ?)
「こんなことやってる場合じゃないのよ!」
私の心の声を聞いたのか、その呪われてるエレベーターに乗ることになった。
まな板の鯉状態の私はなにも出来ん!
階下へのボタンを押した看護士はブツブツ下に行けー下に行け〜と呟いてるのが不気味だった。
黙って居れば凄い美人なのに。
多分こう言う人を残念美人と言うのかな…そう納得しながら、エレベーターの中で待つこと数十秒。
ガタン
無情にもエレベーターは上へと上昇中。
止まったのは、屋上。
(… 呪われてるよー)
「あああああ」
「だから言ったジャーン このエレベーターは呪われてるって!」
「あなた呪い体質を私達にまでシェアしないでよ!後五分もないんだから!」
屋上から地下へと下降中のエレベーター。
「途中で止まら「(言うな❗️不吉なフラグ立てるなー!)」
ガタン!
え…マジかよ!
扉が空い開いたら…
ついさっきまで私達がいた階じゃん!
もう一度扉が閉まると呪われて無い方の看護士さんが「私がボタンを押すから❗️」
その後は無事に階下へ辿り着いた。
私はただベッドに横になって乗ってるだけだが、さっきから目が回ってる。
造影室にはいると、技師さん達が待ち構えてた。
「遅かったな」
既に連絡がいってたんだろうね。
「呪いのエレベーターが!」
「はやく患者を台の上に移動して!」
横になってる私の体の下にマットを敷いて、フックをマットの四方の穴に通すと、魚市場にある秤みたく、吊らされスキャン台に乗せられた。
気分はマグロです。
スキャンの中に入れられると音が響く。
その音で一気に吐き気が込み上げてくる。
(ここで吐いたら…弁償!! それだけは避けたい!!
喉が焼けるような感覚と迫り上がってくる酸っぱい物が口腔内に広がる。
(これは 嚥下できん!!)
スキャン機の弁償か嚥下か…二つに一つ。
そう考えてた時、苦から迫り上がる第二弾が…
(噴水は嫌だ!)
どうにかして(外に)伝えなきゃ!
まだ動ける手のひらでバタバタと寝ている台を叩くのがやっと。
祈るような気持ちでジタバタしていたら、気づいてもらえました。
機械が停止し
「どうしましたか?」の声にイラッと来たが、吐きそうだとジェスチャーしてわかってもらえました。
ゲロ袋を貰い、並々吐くともう一枚ゲロ袋を貰い、時間がないという事で、ゲロ袋を二つ持ったままCTスキャンに入った。
両手にゲロ袋である。
スリル満点。 中味を零したら、弁償!こんな爆弾(ゲロ袋)抱えて撮られるなんて…
これってどんな
罰ゲームかよ!
本当にこの時は黒ヒ◎ゲームよりもハラハラドキドキしました。
二話続けて投稿しました。