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英雄のカルマ  作者: 隼
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第1話 空条勇我

けっこう設定にこって書いてます

 昔からイジメられてた。

 悪口とか、そんな軽いやつじゃなくて、、、

 けっこう重めのやつ。

 いや、イジメに重いも軽いも無いんだけどさ。


 とにかく俺は、気弱な性格が起因して、よく不良に絡まれるのだ。


 今日も今日とて、、、


「ねぇ~キミ~。ちょっと僕たちお金に困っててさ~

 ちょいと恵んでくんないかな~?」

「ほんと、ちょっとでいいから! 5万円でいいからさww」


 お前、5万はやりすぎだろww とか2人で盛り上がって話している。


 いやだ・・・


 もういやだ・・・


 だって・・・だって・・・!






 もうカツアゲ、8日連続だから!!!!!!!





 もう財布に10円玉しか入ってないんだけど!

 ICカードも残り26円しかないし・・・。

 払えるわけがない。

 ちなみに8日前は断ろうとしたのだが、


『すいません。お金ないんで・・・』

『財布開けろコラ』


 7日前

『すいません。お金ないん』

『え? お金あります? ありがとうね~』


 6日前


『すいませ』

『さっさと出せやボケ』




 ・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・




 とまあこんな風に修羅場だった。

 だが、もうホントにお金がない!

 そんな俺ができる行動は一つだけだった――


「ね~、さっさと金だしたほうが・・・」





「ごめんなさぁぁぁあぁぁぁぁぁっぁああああああっぁぁぁぁぁぁぁあああああああいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!」





 脱兎のごとく逃げた。




 ~5分後~



「はぁ、、、、、はぁ、、、、、」


 普段、不良に絡まれるのが怖くて引きこもっているせいか、俺はすぐにばててしまった。


 あぁ、やっぱり逃げるのは愚策だった。


「待てや陰キャ野郎が!」

「ブチ殺すぞゴラァ!!」


 マズい・・・。

 このままだとリンチだ!

 絶対に死ぬ!


 そんな焦る俺に、どうしようもなく現実は畳みかけてくる。


「うっそだろ・・・!」


 無我夢中で走ったせいか見慣れない道に入り込んでいたのだ。

 訳も分からず道を走ってたのだが、曲がり角を曲がると、そこにはもう道はなく、無情にも壁がたたずむだけだった。


 積んだ。

 これは人生積んだ。


「クソどこ行った!」

「そんな遠くにはいねぇと思うんだが・・・」


 不良たちの声は近い。

 見つかるのも時間の問題だ。


 いつだってそうだ・・・


 この世界は・・・






 優しくない奴に優しい






 どんなに頑張っても、

 どれだけ他人に迷惑をかけないようにしても、


 いつだって頑張ってない奴にバカにされ、

 いつだって他人に迷惑かける奴に搾取される。


「ちくしょう、、、」


 何なんだよ・・・

 いったい・・・!!


「俺が何したっていうんだよ!!!」


 俺の悲痛な叫びが、空に木霊(こだま)した――


 瞬間だった


 突然、俺の体は浮遊感に襲われた!


「――え?」


 驚いて下を向くと、そこに地面は無く、アニメなんかでよく見るような異次元空間のようなものが広がっていた。


「う、うわぁーーーーーー!!!!」



 こうして俺――空条勇我(くうじょう ゆうが)の地球での生活は終わったのである。


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