魔素と魔力
(どうしよう...。どうすれば...。)
僕は今ジレンマ中。
早く成長してイリスを迎えに行きたいのに、
僕はまだ赤児で身体を動かすこともままならない。かと言って精神的には二十歳過ぎで、
ただ暇してるのは退屈だ...。
ふと、アース神から頂いた光の玉が僕の身体の何処に行ったのかが気になった。
(あれって、俗に言うインプラントってやつ?)
そこで光の玉を探そうと意識を身体の中に集中させる。すると胸の奥の方に何かがあるらしい感じがした。そこには前世で僕が『ナニカ』を倒す為に放出していた光《魔力?》が満ちている。そしてさらに胸の深層に意識を向ける。するとそこには魔素を蓄えるための器らしきものを感じた。今はバケツサイズのイメージの器になみなみと蓄えられているようだ。
僕は意識の手で掬ってみる。
フワッと身体の芯から力が抜ける感じがした瞬間、胸の奥の魔力が溢れる。
今度は溢れた魔力を血流と共に身体中を巡らせる。すると身体が薄らと輝き、軽くなる。
なる程、魔力で身体が魔力で強化されたのか。今なら歩けそうだ。でも、僕はジッとしていた。
だって、生まれてすぐ歩く赤ちゃんなんて異常だよね♪
僕はこの時、魔素と魔力の理を理解した。
さぁ!始めよう!神への修練を!
.
..
...
....やり過ぎた....
あの後、調子に乗って魔素を魔力に変換し過ぎて、意識を失った僕を母様が見つけて大騒ぎになってしまいました...。ごめんない...。
それから、僕は寝る前に魔力操作をする事にした。これなら意識を失っても寝てるって思うしね。あとは、寝ると魔素が回復することもわかった。
あれから、順調に訓練して来て、魔力を放出してからの形状変化と保持が出来る様になった。首が据わって周りを見回せる様になったので、天井を台にビリヤード球状の魔力球を10個浮かべて空中ビリヤードモドキをして遊んでる。
何故か魔力球の色がそれぞれ違って丁度いい感じなんだよね♪
最初の頃は、数回魔力を弄るだけで意識が飛んでたけど、今では常態的に魔力を放出してても問題なくなってる。魔素の器もプール位のサイズまで広がっているイメージだ。
ふと、この世界の人々の魔素の器はどの位の大きさなのか気になった。
そこで、僕は両親をジッと見つめ続けながら目に魔力を集めて見る。
ん〜...。父様は武道館位の大きさらしいイメージだ。それから母様はと言うと、......湖だね...。
うん。見るのやめよう...。僕のサイズはまだまだ小さいみたいだ。この世界じゃ魔素は大事な要素だし、大きいのが当たり前なのだろう。
神のサイズって一体どの位なのだろう...。
先が思いやられるよ...。ふぅ〜う...。