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大トカゲ退治

僕は今、深淵の森に来ていた。

木漏れ日の中を口笛を吹きながら進んでいくと時々魔物達が襲ってくる。


「がぁっ⁉︎」、「ほい!」、「ぎぃっ⁉︎」「あっ、ほい!」、「ぐぅっ⁉︎」、「とりあえず、ほい!」


飛びかかってくる魔物に太刀を一閃し首を跳ね、異次元倉庫へと収納していく。


僕は常に魔力を薄く伸ばして広げて魔物の位置を把握しているので隠れていてもバレバレだよ。

僕はこの魔法を『探索サーチ』と名付けて汎用している。今のサーチエリアは大体5Kmぐらいかな?


そうして深淵の森をしばらく歩いているとサーチエリアの端に一際大きな魔力を確認した。


「多分これだな。さてと行こうか!」


僕は検知した魔力に向かって少し急ぐ。

今日は討伐の他に、やっと昨日の夜、完成したドルーフ爺達との共同開発武器の試験もかねている。

僕はワクワクして笑いながら歩く。

何故か魔物達も避けてるようだ。


そしてとうとう見つけた。


ん?いつもの大トカゲと色が違う気がするなぁ?

普段の大トカゲは茶色をしているが、今回の獲物は漆黒だった。


「まっ、いいか。さて、準備、準備!っと」


僕はいつもの大刀を抜く。そして、魔力を供給した。


"キュィィィ・・・・ン"


大刀に彫られた"共振"の文字が紅く光り出し、刀身が鳴動し始める。参考にしたのは前世での超音波カッターだ。僕は超音波の代わりに魔力を超高周波状に変化させ刀身と共振させる事を思いついた。

だが問題が発生した。

刀全体が振動し始め持っていられなかったことだ。


色々と試してみたが刀身と持ち手ひそれぞれ"相引"と付与し、間に"斥"を付与した魔石を挟み込む事で解決出来た。"共振"の発動と共に"斥"も同調し、刀身と持ち手に極小さな隙間を作るのだ。

そしてその機構が昨日の夜に完成したのだった。


「よし!上手く刀身が鳴動し始めたぞ。持ち手にも振動は伝わってこない。うん!これならいけそうだ!」


そうしてる間に、色違いの大トカゲか目の前まで迫ってきており、僕を食べようと大きな口を開けた。


「ぐぅがばぁ、ばぐぅん!」


ドラゴンは小さな、でも素晴らしく高密度な魔力を持つ極上食材を大きな口で確かに喰らったはずだった。

しかし、咀嚼するもいっこうに味がしない。

いつもならあれだけ濃厚な魔力の獲物であれば、今頃は極上の味を堪能しているはずだ。何かおかしい...。


すると頭上から声を聞こえた。


「そりゃ!」


ドラゴンは声の方を向こうと状態を反らすが、視線が変わらない。何故だ?確かに上を向いたはず...。しかし今も同じ所しか見ることが出来ない...。その内に視界か暗転し出し、とうとう意識を手放すのだった。


"ズシーン!"


ドラゴンは首を置き去りに身体は仰向けに倒れた。


「すっ、凄い斬れ味だね!皮も肉も骨もまるで手ごたえが無く斬れちゃった!これは大成功だね!」


僕は、大トカゲが僕を喰らおうとした瞬間に《無影》で頭上に移動していた。そして、鳴動している大刀を首に向かって一閃したのだった。


今まで大刀では大トカゲの皮膚と肉の弾力性と骨の硬さで、首が半分くらい切れるぐらいだったが、改良型では簡単に切断出来る。斬れ味がかなり上がっているようだ。


「おっ!あっちにも大トカゲがいた!アイツはいつものやつだな。そんじゃ、これも試してみますか!」


そして僕は刀身を目線の高さまで掲げ、大トカゲの眉間に狙いを定める。


「狙い良ぉし!魔力充填良ぉし!飛べ!『飛突』!」


僕は"斥"の魔石に魔力を充填し、一気に刀身の"相引"を解除した。


"ヒュッン"


刀身が強力な斥力によって一気に飛び出した。


「ビチュッ!」


狙い通り、大トカゲの眉間に刀身が吸い込まれ、大トカゲはぐるんと白目を向き倒れた。


僕は刀身に繋いでいる魔力糸に魔力を流し、刀身の"相引"を起動し、"斥"を解除する。

すると、遥か彼方から刀身が戻り持ち手へと接合した。


「おっ、ちゃんと戻ってきたな!でも刀身が飛んでっちゃうから余り使えないかな?やっぱり飛び道具は銃一択かも。また、ドルーフ爺達と考えよーっと」


そして僕は二体の大トカゲを異次元倉庫に入れて持ち帰ったのだった。




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