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再会の誓い

あれから二週間、王都滞在も残すところ後一週間となっていた。僕は日々グレイさんやニーナさんと剣術や魔法のお稽古をしたり、森へ魔物を討伐に行ったりと楽しい時間を過ごしていた。また時折イリスがお忍びで我が家へ遊びに来たりしてし我が家を賑やかにしてくれたので、王都での一人滞在に寂しさを感じる事はなかった。


今日もイリスが遊びに来て...


「姫様!そろそろ帰りますよ!」


「まだ帰りたくありません!」


「姫様!あまり我儘を仰らないでください!」


「もう少し遊ぶの!まだ帰りたくないの!」


「もういい加減になさいませ!ブルーリーフ家にご迷惑でしょうが!」


「迷惑じゃないもん!ソーマは私の婚約者だもん!」


イリスに僕の意思は関係ないらしい...。

まぁ僕もイリスが遊びに来るのは楽しいけど。


「姫様!婚約者と言ってもまだ公になっていないのですし、面倒な貴族達にでもバレたら厄介な事になりますよ!」


そりゃそうだ。幾らブルーリーフ家が生殺与奪を持っていたとしても、"この際に潰してしまおう"と言う貴族がいないとも限らない。


「だって、ソーマはもう少しでブルーリーフ領に帰っちゃうじゃない!」


「...。そうは言いましても駄目なものは駄目なのです。ご理解下さい、姫様...」


「んぅぅっ」


イリスはほっぺを膨らませ口を尖らせている。

ただイリスも駄目な事は、わかっていて駄々をこねているだけ。

そんなイリスの気持ちがわかっているので、イリスとお付きのメイドさんとのやり取りを僕はただ苦笑いを浮かべながら見ているしか無かった。


「さぁ!姫様!帰りますよ!」


そう言ってとうとうお付きのメイドさんはイリスの首根っこを引っ掴み馬車へと投げ込んだ。


「ソーマ様、姫様の事は誠に申し訳ございません。ただ姫様は本当にソーマ様の事を大好きでいらっしゃるので...」


メイドさんは申し訳無さそうにイリスをフォローする。この世界でイリスが皆んなに愛されている事がわかり僕はほっこりとした気持ちになった。


「はい。わかっていますよ。僕もイリス様をとても大事な方だと思っておりますので」


ちょっと恥ずかしいけど本当の気持ちだもの。


「そう言って頂けるとは...姫様も幸せですね。それではソーマ様、失礼致します」


メイドさんが馬車へと乗り込むと馬車はゆっくりと走り出した。

しばらく馬車を見送っていると、イリスが馬車から急に顔を出して言った。


「ソーマぁー!待ってるからねー!私も頑張るからソーマも頑張ってぇー!ソーマぁー!バイバイ!」


「うん!僕も頑張る!必ず迎えに来るから!」


「ひっ!姫様!危ない!早くお戻りに!」


そう言ってメイドさんに馬車へと引き戻され帰って行った。最後までバタバタポンコツ丸出しだったな...。

見えなくなった馬車を見ていると寂しさが込み上げてきたが今は頑張るしかないな。そしてイリスを迎えに来よう!


上を向くと、夜空に星が煌めいていた...。

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