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我が家の秘密

あれから王様達と非公式の歓談をしている。

王様、お妃様、そしてイリスの兄姉も皆、気安い感じで話してくれた。僕は最初緊張していたが、大分慣れてきて楽しく会話していた。


「ね!ソーマくん!聞いてくれる!イリスったら生まれてすぐ立ち上がって天地を指差し"天上天下唯我独尊"って喋ったのよ!」


おい!イリス!何処の仏様だよ!そりゃダメだと思いますよ...。まぁ元が女神様だから''私もやってみたい"なんてノリでやったんだろうな...。

イリスを見ると鳴らない口笛を吹きながら明後日を

見ている...。


イリスさんの悟りは遠そうだ...。


「また、お母様その話し?いくらなんでも生まれたてでそれはないわよ」


「そうだぞ。流石にそれは盛りすぎだ」


「本当よ!本当。確かに見たし聞いたのよ!ソーマくんなら信じてくれるわよね!」


凄い剣幕で近づいてくるお妃様。


「...はい...信じます...。イリスならあるでしょう...」


「ほら見なさい!ソーマくんは信じてくれたわ!可愛すぎてこうしちゃう!」


そう言うとお妃様は僕を引き寄せ抱きしめた。

顔が柔らかな双山に埋まる。苦しい...。


「ちょっ!ちょっとお母様!ソーマは私の婚約者です!何してるんですか!」


イリスが真っ赤な顔で、僕の事をお妃様から引き剥がす。


「あら、イリスったらヤキモチをやいちゃって。ソーマくんにゾッコンね」


イリスは僕を傍に「うぅぅっ!」と唸っている。

そんなイリスに皆が微笑みを浮かべている。


「ソーマくん、こんな娘だか頼むよ。ぶっ飛んでるし、手の込んだ悪戯をして家臣達を困らせるし、少し?ポンコツな子だし、どの家臣に引き取って貰うか悩んでいたが、丁度よく君が現れて本当に安心したよ」


イリスが後ろ手で何やら持っているが気がする。

あれはフライパン?かな...。


それにしても凄い言われ様だな。まぁ前世から慣れてるし、神様達からも実情を聞いているし、大丈夫です...。きっと...。


「はい、大丈夫です。慣れてますし、僕もイリスが大事なので」


「イリス。余りソーマくんに迷惑をかけん様にな」


「はい、お父様。大丈夫です。ソーマくんに巡り合えて幸せです」


「まぁ、何にしても二人で頑張りなさい」


「「はい。」」


そして皆が笑顔になった。


「ソーマくん、聡明な君ならわかるだろうが、家臣の中には魑魅魍魎も紛れ込んでおる。この婚約に難癖をつけたり、嫌がらせをしてくる連中もいるだろうが、心配は無用だ。これは王族しか知らない事だか、君の家は我が国の裏の近衛なのだ。ブルーリーフ家には王家以外に対し生殺与奪の力を与えており、我が王家の裏の顔とも言えるものだ。表の顔も剣聖と魔導妃だからな。そう言う意味でも君がイリスの婚約者に最適だったのだ」


僕はビックリした。我が家って凄かったんだ...。父様も母様も家臣の皆も普通だと思ってた...。皆、凄かったんだね。


「楽しい時間は過ぎるのが早い、そろそろお開きとするか。ソーマくん、また近いうちに話をしよう」


「はい。今日は色々とお話しが出来て楽しかったです」


「多分...いや必ずイリスは城を抜け出し君の所にお邪魔するだろうが宜しく頼む」


あー、イリスが城を抜け出す事は確定で、そもそも諦めてるんですね...。


「はい。分かりました。それでは、また」


「うむ」


そしてイリスに再会の約束をして僕は家へと戻った。


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