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魔法の師

昨日はグレイさんと剣の稽古をしたけど楽しかった。今日も剣を振ろうと模擬刀を持って庭に向かうと、ニーナさんが待ち構えていた。


「若様、模擬刀は魔法の稽古に使用致しませんわ」


そう言うニーナさんは目が笑っていない素敵な笑みを浮かべている。


「ニ、ニーナさん。わ、忘れていないよ!今日は魔法の稽古をニーナさんとするんだよ、僕!」


模擬刀を後ろへ隠し、ポィっと投げ隠す。


「さっ、さぁ此方へ」


ニーナさんに導かれ庭の中央まで進む。


「それでは、お庭に結界を巡らします」


そう言ってニーナさんは魔力を放出し、両の手の平へと集約し、空へ向けて放った。

放たれた魔力がドーム状に広がり中庭を覆う。


「さっ!若様、これで魔法を放っても大丈夫ですわ。早速、魔法のお稽古を致しましょう」


そう言ってニーナさんはニコニコしている。


「ニーナさんは魔法が使えたんだね?これは魔防結界かな?」


「流石、若様ですわ。その通り、これは魔防結界です。奥様も子供の時分にこの中で、魔法のお稽古をいたしましたのよ。ウフフ。」


えっ?ニーナさんが母様の魔法のお師匠って事?じゃあ、ニーナさんって今何さ「若様。今何かおっしゃいまして?」い...。


うっ!!!これは考えちゃいけない!


「何も...。」


明後日の方を見ながら声を絞り出す。

そしてニーナさんをチラッと見るとこめかみの青筋がピクピク...。危な...。


「えーえー。分かっております、若様。私はハーフエルフにございます。人族の年齢でいえばまだ20歳そこそこですわ、ピチピチなのですわ!」


「わ、分かりました。ピチピチのニーナさん。魔法の稽古を宜しくお願いします」


ピチピチを強調して言って見たら、ニーナさんが真っ赤な顔でウネウネしていた。


「そっ、それでは若様、魔法とは何かお分かりですか?」


「はい。ニーナ先生。魔法は身体の奥底にある魔素を掬い上げ魔力に変換して、属性化した物だと思います」


ニーナさんが、ビクッとしてあんぐりしている。


「わ、若様...。それって魔力の理ですわ...。私でも理解するのに20年の歳月を要したのです...。あれだけ才のある奥様ですら理解できたのは15歳位でした。6歳で既にご理解なされているとは...」


最初は唖然としていたニーナさんだったが、最新式の新しい玩具を貰った子供の様に目をキラキラさせて僕を見ている。


「何て言う事でしょう!若様!貴方様は魔導神様に愛でられております。絶対です!」


僕はニーナさんのテンションに若干引き気味。


「若様!で、では、魔法で一番重要な事は何か分かりますか?」


喰いつき気味で聞いてきた。


「はい。魔法の現象を明確にイメージする事かと...」


「はい!その通り!やはり若様は既に賢者の域まで到達なさっておいでですわ」


まっ、まぁ実際、精神は既にアラサーだし、日本のサブカルチャーは豊富だし...。ん?と言う事は日本人には賢者が沢山?

でも母様は15歳で到達したと言う事だから凄いな。本当の天才なんだ。母様が褒められて素直に嬉しい。


「それでは早速何か魔法を見せて頂きませんか?」


期待を膨らませた少女の様にキラキラした目で見ている...。


「では、これはどうですか」


そう言いながら僕は魔力を指先に凝縮し、小さな炎を灯す。そして大気中の水を電気分解し、水素と酸素に分解し小さな炎へ供給した。炎は最初赤く灯っていたが、水素と酸素を供給するにしたがってオレンジから青へと変化した。イメージはガスバーナー。


ジッと見ていたニーナさんがぴくりとも動かない...。立ったまま気絶していた...。


「ふぅ〜。申し訳ございません。途中から興奮し過ぎて気を失ってしまいました。あの炎は伝説の【蒼炎】で御座います。通常の炎は赤色ですが伝説の賢者は更に熱量の大きい青色の炎を操ったと言われています。私も見たのは初めてです」


「ニーナさん。この炎はね、大気中にある水を電気分解して可燃性の気体と燃焼を助ける気体に分けて炎に絶えず供給すると出来るんだよ」


ニーナさんは僕の説明にキョトンとしている。

この世界は魔法が発達し過ぎて科学的な知識がない様だ。


「まぁ、炎と雷と風の魔法を組み合わせると出来るよ」


またしてもニーナさんは気絶した...。


「はぁ、はぁ、はぁ...。度々申し訳ございません。多属性の同時行使は通常使える魔導師はございません。この世界では私と奥様、後片手で数える程でしょう。それ程難しい事で御座います」


ん?僕、直ぐに出来ちゃったけど...。母様も10属性の玉でお手玉してたから普通に出来ると思ってた...。


「じゃあ、僕って意外と凄い?」


ニーナさんは満面の笑みで「若様、最高!」と言いながらサムズアップした後、抱きしめられた。

ちょっと恥ずかしかったけど嬉しかった。


その後も、魔法を色々見せてニーナさんが反応を見てるのはとても楽しく、クールビューティーだと思っていたニーナさんが意外とお茶目で可愛かった。


また、ニーナさんに魔法を見せて楽しもっと。



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