プロローグ
初投稿作です。不定期になるかもですが
読んだで頂ければと。よろしくです。
(此処は何処だ...?)
(僕は一体どうなった...?)
見回す限り辺り一面真っ白な空間が広がっている。
ぼんやりと眺めていると、ふっと頭の隅をよぎる記憶の断片。
(そうだ!あの子はっ!)
慌てて辺りを見回すも、やはり真っ白な空間があるだけだ。
しかし、全てを思い出した。
ひっきりなしに行き交う車。
目の前を横切るボールと子供。
危ないっ!と頭が考えるより先に体が飛び出していく。
そしてあの子を道路脇へと突き飛ばす。
次の瞬間!
(どんっ!!)と、体に衝撃が走り、浮遊感を感じる。そして後から今まで感じた事の無い痛みが襲って来る。
痛みに耐えかねて動こうとも全く動けない体。
―只々、気持ちで耐える事しか出来ない。
どの位たったのだろう...
何時間をも過ぎた感覚。
でも実際には数分か?数十秒か...?
その内...
少しづつ痛みが和らいできた。アドレナリンだろうか?ただ目の前が段々と暗くなっている気がする。
目尻の端に女性に抱かれて泣いている小さな子がうっすらと見えた。母親に抱きついてるのだろう。
少しホッとした。
それから僕は今迄の事を思い出していく。
僕に親は居なかった。生まれてすぐに
山中の竹林に捨てられていたとの事だった。
見つけてくれた、若い猟師の青年に後から聴いた話では、「上等な産着に包まれて、うっすら輝いていた」との事だった。
まるで、かぐや姫?かぐや王子?か。
そして僕は、小さな孤児院に引き取られ、おじいさん先生とおばあさん先生、数人の孤児達と供に暮らしていたが、幼い頃から「此処は僕の居る処では無い」と理解していた。
何故なのか...
其れは、本能の訴えである。
僕の体に空気が合わない感じと、また栄養が足りていない様な常の疲労感。
極め付けは、僕にしか見えない『ナニカ』が見え、そしてたまに襲って来るのだ。
その『ナニカ』から僕は必死に逃げた。そして戦った。小さな子供の頃は怯え固まり、恐怖が頂点に達すると、体が勝手に光り出し、僕の意識と供に『ナニカ』は消えた。
物心ついた頃には、体を光らせる事が制御出来るようなり、『ナニカ』を消した。
そして不思議な事に、『ナニカ』を消した後は、体調が少し良くなる。
そんな異常な日常を気にせずに暮らせる頃には孤児院からも退所し、高校、大学と働きながら通った。
そこそこ成績は良かったと思う。
ただ、この世界からの疎外感はいつ迄経っても消える事はなかった。
そんなある日、大学の研究室に交換留学生がやって来た。
チラ見すると、サラサラした金髪で透き通ったサファイアブルーの瞳、整った顔立ち。まるで、異世界からきた様な女性だった。
「皆さん、はじめまして。イリノイヤ公国から来ました、イリーシア・パパディーです。イリスと呼んで下さい。」
小鳥のさえずりの様な心地よい響きだ。
周りの男子達は早速彼女を囲んで自己紹介に勤しんでいる。そんな中、僕はというと論文のまとめに集中していた。
そして、足音が近づく。
「はじめまして、私、イリスよ。蒼真くん。」
「えっ?どうして、僕の名前を?」
ドキっ!としながら声の主に顔を向ける。
「この研究室に、蒼真って言うイケメンの天才がいるって聞いていたからかな♪」
ウインクしながら、若干の茶目っ気を見せる彼女に、何故か心が和らいでいく。
それからしばらくして、彼女は僕の『彼女』となった。
イリスは、とても頭の回転が速く本当の天才であり、気の優しい素敵な女性だった。
でも、そんな彼女も僕の前でだけは、ドジっ子でポンコツな所も見せてくれる、普通の女の子って言う感じであり、安心する。
それから、何故か一緒にいると体調良いんだよね♪
そんなある日、僕は彼女と図書館デートの為に、図書館へ向かって歩いていたんだ...。
そこまで思い出したその時、
意識を手放した...。
小説は読むのは楽だが、書く事まとめるのって難しい...っす。