ウルズの泉水
今日から更新速度落ちます。
理由は単純に書き進まないこと、仕事で疲れていること、そろそろTRAHAがリリースされるから。
体感で10分掛からずに山を超え帰宅出来た。グラスに入っていたウルズの泉水だけど、何故か零れはしなかったので普通に走れた。やっぱりしっかりと管理していたのが良かったね。
数値的には初期から10倍以上に成長している素早さだが、そんな単純ではなかったらしい。前と比べて倍に速くなってはいなかった。
50m走で5秒台いけるか、っていう程度だ。そう考えると成長を実感できないのは、気づけないくらいしか成長出来てないって事かな。まだLv14なんだ、当たり前か。
あれ、となるとこの土地にウルズの泉水使ったら、せっかくのアドバンテージが無くなっちゃうのか。狩場を探さないといけなくなるから、手軽にレベル上げ出来なくなっちゃうし、学校もあるからな。
いや、さすがにこの緊急事態だ。休校になるでしょ。それなら学校分の8時間全部使える訳で、無駄にする訳にはいかまい。
さっそく、SNSで情報を探したいところだがその前に泉水を使わねば。ちなみに、スマホもWiFiも爺ちゃんが買ってくれた。本当に感謝しかないよ。
一応、動画撮っておくか。。手早くスマホを持ってきて、撮影モードに切り替える。
俺はどんな風に浄化が始まるのか、楽しみにしながらもウルズの泉水を地面に垂らす。スキルオーブと同様、使う意思を込めてだ。
地面に琥珀色の雫が触れた途端、そこから黄金のオーラが吹き出し、風を伴って波紋のように広がっていく。
辺りに生えていた草木や、畑に植えていた野菜の葉が揺られ、擦れあって自然のざわめきを感じた。
数秒ほどして各地からキラキラと光の粒子が立ち上り、天へと登っていく。
それが魔物から出たものだとしても、ホタルが舞っているかのうようで神秘的な光景だった。
見ていて心が癒される光景だったが、それも収まった。。心なしか空気が澄んでいるようで、田舎特有のキレイさが増した。
...凄かったな。あまり芸術に関心がない俺でも美しいと感じる光景だった。ただ心残りがあるとすれば、夕方ではなく夜に見ていれば、更にキレイだっただろうなというところだ。惜しい。
しかし、見渡す限りに魔物は居なかったと思うんだけど、虫の魔物でも居たんだろうか。虫系は状態異常を使うイメージがあるので、気付かなかったらやばかったな。泉水使って良かった。結界は張られてるように見えないが、まあ張られてるんだろうな。
ともかく、これでこの土地は安全になった...はず。もし救済ってのは神の嘘で、希望を失い絶望する人間をみたいとかいう考えだったら、さすがにゲスすぎる。
今は信じるしかないな。よし、戻るか。ネットで情報を集めるのだ。
ほうほう、色々と分かったぞ。まず日本の負傷者数、死亡者数は確認できているだけでも5万人を超えているようで、かなり悲惨な状況だ。しかしこの数には、地震は含まれていない。
合わせるともっと増える、って訳ではなく何故か被害は0だったそうだ。
だけど何となくその理由は分かる気がした。神からすると、地震で混乱する人を見るのは飽きているか、地震による被害が合わさりすぐに滅びてしまうのはつまらないのか。
つまりは神の気分によって被害は0なんじゃないかってことだ。
それでも、魔物による被害があるので、被害はどんどんと増えていく。
更には混乱した人間同士、争いが起きるかもしれない。様々な要因で被害が増えていくのだ。人と人が手を取り合い生きていかなければいけない。そこは日本の国民性が最大限発揮されるだろう。
1番被害が多かったのは北朝鮮で、2500万人を超えるそうだ。ていうか、国全部。やはりというべきか、ガブリエルに攻撃したのは北朝鮮で、その裁きで滅んだみたいだ。
しかも輪廻の輪をくぐれると思うなよと発言していたことから、生まれ変わることは出来ないらしい。あまりに残酷な話だ。南無三。
そしてこれだけの被害を出した魔物達は、軽く見積っても被害者1人付き一体で5万体と推測されている。
47都道府県で被害者数に大きな差が無いことから、数値を合計し被害者数で割って算出すると、各都道府県約1050体ずつ配置されているらしい。これも軽く見積ってだが。
ダンジョンに関しては、ここの井戸のダンジョンみたいに埋まっているからか、それともただ数が少ないのか、700件くらいだった。
これらの情報は俺が一つ一つ調べたわけではなく、国が報告に上がった情報をまとめ発表してくれているものだ。インターネットで調べればすぐに出てくるし、生中継でも随時発表している。
テレビに映っている総理が発言しているが、要約するとこんな感じだ。
・これは世界規模で未曾有の人類存亡をかけた危機だ。
・人と人が手を取り合わなければならない。
・命を守る行動をしよう。
・国は迅速で的確な対応を取ります。
こんな事を長々と発言している。その時点で、迅速な対応は取れていないのだが気にしてはいけない。
国はこの後会議を開いてどう対応するか決めるみたいなので、か弱い国民たちはその報告を待つしかないだろう。
俺は待たないけどね!
俺は選択を間違えたみたいだ。ローファンタジーってほんわかとした日常生活にファンタジー要素が混じるから面白いのであって、重い雰囲気の中にファンタジー入れても面白くないなって。それにシリアスな展開になるということは文も重くなるということで、俺には書けないのでね。
なんでこんなストーリーにしたんだ。