表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

お前がNo.1だ。

圧倒的箇条書き。これが限界だ。

 意を決す...事なく俺はダンジョンに足を踏み入れた。

 だって最初に出会ったのがヒュージスライムだったんだから。落下による衝撃で倒せただけとはいえ、あんなに簡単に倒せると分かれば気も抜けちゃうというもんだ。でも、油断は禁物だけどね。

 例えばスライムに飲み込まれてしまえば窒息死するし、もしかしたら体内は酸かもしれない。奇襲されたら簡単に殺されるのだ。……そう考えると怖くなってきたな。

 もし粘度の低いスライムに包まれたら、どれだけ掻き分けても指の間を通り抜けていき、無駄な抵抗になる訳だ。

 あれ、もしかしてスライムって格上キラー?能力値が高くても呼吸が出来なければ死ぬだろうし、強くなって調子に乗った奴が、スライムに囲まれて窒息死するとか。いやこっわ。

 今更怖くなってきた俺だが、ダンジョンを進む以外に道はない。

 さっきも言ったがダンジョンを脱出出来なければ死ぬ以外無いのだ。


 そうして頬を叩き気を引き締めた俺の耳に、ズルズルと引きずるような音が聞こえてきた。

 この音を聞いてスライムじゃないのかと思って一瞬硬直したが、ドラ〇エに影響されているなって感じた。

 スライムは跳ねて移動するなんて見たこともないのに決めつけちゃいかん。

 足もしっかりと開き、油断無く先を見つめていた俺の目に入ったのは、バケツの水をひっくり返した時みたいな、形が整っていない水色のスライムだ。

 スライムは地面を這って移動していてとても遅い。赤ちゃんのハイハイよりも遅いと思う。


 ちゃんとしたモンスターを見るのはこれが初めてなので、ちょっとだけ迷ったが先手必勝。


「よいしょ」


 軽く助走して右足で蹴りつける。物音に反応して少しだけ動いたように見えたが、遅すぎて見間違いなのかわからない。

 そして俺のただの蹴りは見事ヒットし、スライムは体の4分の1くらいが水しぶきとなって飛んでった。

 これで倒せたのかは分からないので、一応距離を取って観察する。

 さっきのヒュージスライムはおそらく4分か5分くらいで消えたので、それくらいは待つつもりだ。

 ただ、倒したのが1匹だけなので同じ時間で消えるのか、それとも体積に応じて消えるかは分からない。

 これもスライムの消えた時間によって分かるだろう。分からないことづくめだ。


 時折周りを見ながらもスライムを観察していたが、消える気配は無い。

 もしかして再生する系なのかと思って蹴り飛ばした水の方を見ると、細かい水しぶきが中央の水溜まりになっている所に動いている。

 これは再生する系だなって思ったけど、スライムは知能が低すぎるんだろうな。

 わざわざ1つにしてから再生するんじゃなくて、飛んだ水全部を自分の体に集めるか、自分の方から動くか。やり方はあっただろうに。


 再生するとなると定番なのは核だ。もしくは魔石。

 さっきは動きだけを見てたから、今度は体をしっかりと見る。

 すると体の端に水色に近い青色の、小指先程の小さな石があった。

 体の中の小さな動きによって微妙に動いている。

 大きさ的には低ランクの魔石かなって思ったけど、結局壊すことには変わりない。

 足で踏み潰す。


 すると10秒程でスライムは消え、変わりに黒くこれまた小指先程の石を落としていた。

 これでモンスターは、ていうかモンスターって少しだけ長いな、魔物にするか。

 魔物は体積によって消える速度が変わり、そしてドロップアイテムがある事が分かった。

 本当にゲームだな、これ。

 そう思いつつも魔石(仮)を拾う。


 手にした魔石(仮)を見ながら、鑑定と唱えてみる。

 ステータスが追加されたなら、鑑定とかもできるのかなって思ったからだ。

 けれども、俺の思いは虚しくダンジョン内に響くだけだった。

 ちょっとだけショックを受けたがまあいい。

 さっさと攻略しちゃおう。


 さっきはいきなりの事に喉の乾きを忘れていたが、スライムの事を見ているうちに水を飲みたくなってきたのだ。

 早く水を飲みたい。

 どんどん倒してくぜ。






 

 


 ふう。結構倒してやったぜ。途中で敵の数を数えてないって気付いたけど、おそらく20体は倒してる。

 罪悪感なんてひとつもなかった。 

 だって水を蹴ってるだけなんだもん。

 そうして同じ事を繰り返してるうちに効率よく倒せるようになってきて、スキップする程度で核は潰れる事が分かった。

 お陰で体力の消耗は少なくなった。

 こういうのって結構大事だと思うよ、俺。


 何が起こるか分からないダンジョンでは、無駄な体力の消耗は抑えた方が良い。

 疲れてる時に襲われたら危ないからね。

 しかも俺は筋トレ後で少しだけ疲れているから尚更だ。

 

 ちなみにドロップアイテムは魔石12個に木の短剣1つ。

 ぶっちゃけ木の短剣なんかより拳で攻撃した方がダメージは多いと思う。

 あと、レベルは7に上がった。能力値はダンジョン攻略をしてから確認したいのでまだ見ていない。

 ちまちまと上がる様子を見るのではなく、ある程度レベルを上げてから大幅に上昇しているのを見た方がテンション上がるからだ。

 ていうかスライム20体程度でLv7になるって、先駆者さまさまだな。

タイトル詐欺じゃないよ!主人公が初めて意思を持って倒した敵だからNo.1なんだよ!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ