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プロローグ

文章力少なめだけど許してね。

「あー、喉乾いた」


 毎日の習慣である筋トレを終えた俺は、井戸で飲むための水を確保しに向かっていた。まあ筋トレといってもダンベルとか使ったような筋トレではなく、腕立て伏せや腹筋といった手軽にできる筋トレしかやってない。それでも、塵も積もれば山となるように、2年間も続けてれば結構がっしりしてきた。腹筋も8パック程度には割れてるし、胸筋や肩も筋肉が付いておかげで制服がきつくなってきた。

 だが、これだけ鍛えても効果は出ていない...。いや体には効果が出てきてるのだが、そういう事じゃないんだ。


 ずばり、細マッチョになって女の子にモテたいんだ!その一心で高校生になってからの2年間、毎日筋トレし続けていたのだが、もやしだった俺がいきなり筋トレを始めた事に下心を感じ取ったのか、もしくは俺の顔がフツメンだったからなのか。....悲しい事だが多分、いや絶対顔のせい。だって同級生のイケメン神崎君はもやしでもモテてるもんな。


 そんなモテないフツメン高校3年生の俺は鈴木実という。顔が普通なら名前までもが普通だ。今年で17歳になるが生まれてこのかた大怪我なんてしたことなく、小、中普通の成績でそこら辺の高校に入学したごく普通の男子高校生。

 一つだけ普通じゃないのが家庭環境だ。俺が中2の頃に母さんと父さんは結婚記念日で旅行していた所、交通事故に巻き込まれ亡くなった。

 その時俺は反抗期&厨二病真っ盛りだったため、ウザったく感じていた両親が亡くなった事で悲しみなんて感じることなく、むしろ清々した気分だったり、同級生の中で俺だけ両親が居ない、そして落ち込むこと無く堂々と出来ている自分に優越感を感じていた。そんな俺だったのだが、1週間もしない内に生活が苦しくなり始め、初めて親のありがたみを痛感した。優しい隣人が軽く世話をしてくれてたんだけどね。

 そこからどうなったかというと、田舎に住んでいる爺ちゃんが引き取りに来てくれた。爺ちゃんは遅くなってごめんよって謝ってくれたけど、車で十時間もかかる道のりを初心者マークが付いた軽トラで来てくれたのが、本当に心配してくれてたんだなって分かったけれども、素直に感謝するのは恥ずかしかったので遅いよ!ってちょっとだけ怒るフリしたのを覚えている。

 

 爺ちゃんの家は前に川を挟んで畑があり、後ろには標高300mくらいの小さい山がある。これは爺ちゃんが所有している山で、爺ちゃんは金の使い方が上手だった。

 そう、上手"だった"のだ。金遣いが荒くなった訳では無い。両親と同じく亡くなってしまったのだ。死因は寿命で、80を越えていた爺ちゃんはそれはもう、あっさりと、亡くなった。畑を耕すのを手伝ったり、一緒に風呂に入って背中を流してあげたり、爺ちゃんとはかなり仲が良かった。反抗期中の俺でも甘やかしてくれていた爺ちゃんだから、両親よりも懐くのは当然だ。だから、俺はすげえ泣いた。


 .......こうして振り返ると、母さん父さん爺ちゃんが亡くなってもモテたいがために、筋トレを続けられる俺って結構メンタル強い?


 あっ、話がズレた。そうして爺ちゃんが亡くなってからは遺産を全て貰った。爺ちゃんは家族から絶縁状態みたいで、遺産相続させたくないみたいだから可愛がっていた俺に全部渡してくれたのだ。

 かなり大きい家や山、畑に3000万のお金が遺産だ。他にもあるけど、目立つのがこの4つ。前になんで一人暮らしなのにこんな大きい家に住んでるのか聞いたけ ど、ロマンだってさ。ロマンで豪邸に住めるって、爺ちゃんかなりすごい。ちなみに負の遺産なんて1つもない。


 と、そんな風に心の中で俺の人生を語っていればようやく井戸についた。うち、無駄に広いから井戸まで遠いのよな。

もう喉カラカラだよ、と井戸に手を伸ばしした時。






――それは始まった。






 いきなりラッパの音を低くしたような重低音が空から鳴り響き、しかも脳内に直接聞かされてるみたいに妙に響いている。この音を聞いてくるだけでブツブツと鳥肌が立ち始め、足が震えてきた。

 森からも色々な悲鳴のような鳴き声が聞こえ、鳥がバサバサと飛び立つ音も分かった。 


 そして黄金に光り輝くオーラが天から降り注ぎ、何者か達がぞろぞろと降りてきた。


「なん、だ?天使?」


 よく見てみるとそれは金髪の頭に輪っかを乗せ、子供のような体に純白の翼を付けた天使のようだった。天使はみなラッパを手に持ち演奏している。でも、どこかで聞き覚えのある曲だ。

 分かった、この音はあれだ、アポカリプティックサウンドだ!ユーチューブで動画があって、それを見たことがある。この音はそれに酷似している。

 それに、天使が吹いているということは本物のアポカリプティックサウンドに違いない。7回鳴ったら終焉が訪れると聞いたことがあるけど、もしかして本当にそうなるのか...?


 そう考えていると、今度は声が響いてきた。これが社長だったらめちゃくちゃ媚びたくなるような、凛々しく威厳のある声だ。


『人類よ、よく聞くのだ。我は熾天使(セラフィム)、天界最上位天使ガブリエルだ。神の御前に立つ者として、貴様らに神のお告げを届けに来た。』


 はっ、えっ?ガブリエル!?え、ガブリエルってめちゃくちゃ清楚っぽく伝えられてたよね?こんな偉そうな奴だったの?ていうかガブリエルどこよ。どれだけ探しても子供しか居ないんだが。もしかして直接脳内に!?ってやつか!?あー、でも少し考えれば当たり前か、人類よって言ってるし全世界に言葉を届けるなんて無理だし、念話みたいなのでも使えるんだろうな。


『神は退屈しておられる。今まで神は何度も地球上の生物を滅ぼし、遊んでおられた。だがそれも飽きたという事で、神はただ滅ぼすのではなく人類が抗う様を見ながら滅ぼしたいとおっしゃられた。最後まで抗い続けるならば、人類の生存を許すともな。』


 ...かなり酷い話だけど、俺はなんだかワクワクしてきた。だって神が人類を滅ぼしたってことは、伝説になってるノアの方舟とかも本当ってことでしょ?あくまで伝説でしかなかった話が、今ここで本当の伝説として証明された訳だ。それならアーサー王伝説とかも事実なのかもしれないし、めっちゃくちゃカッコイイ。

 未だ厨二病が残る俺としては、心躍る話だ。


『その手段として悪魔をこの世に放ち、そして悪魔の巣窟を作るそうだ。神は慈悲のあるお方だ。人類に力を授け、そして救済も用意した。神の慈悲を心に刻め。』


 えっと、どういうことだ?悪魔を放って巣窟を作るって、何となくは理解できるけど、抽象的すぎて分からない。けどこの展開を小説に当てはめるなら、いわゆる"ダンジョン"が現れたって理解していいんだよな!?いいんだよね!?やべえ、まじ興奮する。


 そんな風に興奮していると、ガブリエルに何かが起きたらしい。


『...なんだこの箱は。いきなり飛んできて爆発するとは。衣が汚れたでは無いか。...そうか、ミサイルというのだな。人類も新しい進歩をしているということか。だが、我に攻撃をしたのは天界への宣戦布告と捉えるぞ。万死に値する。輪廻の輪をくぐれると思うなよ。』


 わーお、誰かさんが熾天使さんにミサイル飛ばしたそうだ。一体どこの黒電話だ。あ、ミサイル飛ばしたってことは姿は見えてるのか...。くっ、俺も見てみたかった...。


 そしてガブリエルの声が聞こえなくなったのと同時に、天使達の演奏は終わり、今度は地震が起きた。


「うおっ!」


 ズゴゴゴゴゴゴォオ!とかなり大きい地響きが聞こえ、地面が大きる揺れ始めた。その揺れに耐えきれず

俺は尻餅を付くが、空を見るために振り返っていたので井戸に背を向けていた。

 そこで尻餅を付くということは...

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