心霊研究家になりたい男と残念な後輩
片付ける事の無い食べ散らかした食器、散乱したペットボトルや菓子の袋、ペットボトル、カップ麺の容器…散乱した部屋はその名の通り『ゴミ部屋』と化している。空気も澱み、生ゴミの腐った臭いが充満しているかのような、強烈な異臭が漂っている。こんな部屋に人間が住んでいるとは思えないが、塚林はこの部屋に何らかの手掛かりがあると信じ、証拠を探す。歩けば、カサカサとビニール袋が塚林を嘲笑うかのように囁く。六畳ほどの部屋だ、証拠品を隠す場所も限られてくるだろう。だがこうも散らかっていては、見つけられる物も見つける事が出来ない。「仕方が無いか…」と、台所まで行き、ゴミ袋を探した。どうやらこの部屋の主は、片付けようと試みたようで、軍手とマスクとゴミ袋が一緒にコンビニ袋の中にあった。だが、それを使用した形跡は一切無い。封を切る所か、レシートと一緒に袋の中で眠りについていた。ここまでズボラな家主が『あんな事』を引き起こすとは到底思えないが、用意周到な者でも、意外な一面があったりするものだ。例えば、几帳面で有名なA型だが、案外自分の部屋は汚かったりする。なのに、他人の部屋は片付けたがったりと、忠実なのか…それともお節介なのか、そういう反面的な部分があるものだ。今回の件に関しては、きっとそういう一面なのだろう。
塚林は二、三枚ゴミ袋を取り出し、マスクと軍手を嵌めて、まるで家政婦にでもなったかのような気分になりながら、散乱しているゴミを袋の中に入れていく。
部屋の片付けを始めてどれくらいが経過しただろうか?ずっと中腰で作業をしていた為、腰が痛み出している。ここらで少し休憩するか…と、多少歩けるようになった部屋からベランダに行き、煙草に火を付けた。『ジュワッ』と煙草の先が燃え、ゆっくりと煙を吸い、まるで溜め息を吐き出すように「ふぅ…」と吐き出す。腕時計を確認すると、12:30を張りが指していた。作業開始から一時間が経過したのに関わらず、相変わらず部屋は汚い。汚部屋とはよく言ったものだ…と塚林は苦笑いしながら、フィルターまで差し迫った煙草の火を、携帯灰皿に押し付けて消した。さて、また作業の続きをしようか…と部屋に戻った時、部屋のドアが『ガチャ』っと音を立てて開いた。
「先輩、お疲れ様です」
入って来たのは後輩の鶴小音 晶だ。背中の丁度中盤まで伸ばした黒のロングヘアーに黒縁の眼鏡。眼鏡の奥には切れ長の瞳がクールな印象を与えている。可愛いというよりも綺麗という言葉が似合う女だ。
「これ、差し入れです」
手に持っていたコンビニ袋の中には、塚林が吸っている煙草と、缶コーヒーと、おにぎりが二つ入っていた。そして、やはりと言うべきか、レシートは手渡された袋の中に入っている。
「おい。こういう所だぞ」
「何がでしょうか」
「こういう所がズボラだと言うんだ」
「合理的、と言って欲しいですね」
今塚林が相対している女こそ、この部屋の主である。そう、この女が『あんな事』を引き起こした張本人なのだ。
事は今から二日前まで遡る──────
* * *
2015年、7月5日。
天候、晴れ。気温32°。
蝉が大合唱を奏でる程の山に面した某大学のオカルト研究サークル部室で、塚林は今年調査に行く心霊スポットを調べていた。
通称『オカ研』と呼ばれるこのサークルは、そこまで人気のサークルではない。メンバーも片手で数えられるくらいしかいないので、実質は『同好会』レベルである。だが、その中でもサークル代表、塚林 進吾は、心霊研究家として活動する事を目標にしていて、日夜怪奇現象を調べているのである。
調べ物も一段落し、テーブルの上に置いてある、もう『ぬる〜い』缶コーヒーを啜る。今日はもう誰も来ないのだろう。そういう日は多く、塚林だけが毎日来ている日が殆どだ。今日もそういう日だろうと、一人で十二畳程のスペースで心霊研究出来る喜びを、単純に堪能していた。だが、今日は珍しく誰かがオカ研の扉を叩き、入って来たのだ。
「お疲れ様です。先輩」
入って来たのは一年生の鶴小音だ。鶴小音は多少霊感があるらしく、霊経験もあるらしい。大型ルーキーが入って来た!と、入部当初は喜んでいた塚林だが、それは期待外れに終わってしまった。そう、鶴小音もオカ研には滅多に現れない幽霊メンバーなのである。オカ研だけに。
「鶴小音か。珍しいな、どうした」
鶴小音はゆっくりと扉を締め、塚林の対面にある白い長机の椅子に腰を掛け、キリッと背筋を伸ばし、こう言った。
「幽霊が出ました」
「・・・ほう?」
何処に出たのだろうか、と塚林は頭の中にある心霊スポット情報を引っ張り出す。大学付近にもそういった場所はあるのだが、これはどうやらガセネタらしいという結論に至っている。鶴小音が行ける範囲だとすると、大学の周囲二、三キロ…だろう。鶴小音の住むアパートもその付近にあるからして、予想はかなり絞られて来た。
「大きな噴水がある公園か?」
「違います」
「じゃあ、駅付近にある踏み切りか?」
「違います」
「自殺現場になった空き家…」
「違います」
「・・・・・・」
まさか全弾外すとは思わなかった塚林は、「おかしい…」と眉をひそめた。
「じゃあ、何処に出たんだ」
「私の住んでる部屋です」
「そうか、お前の住んでる部屋か…お前の部屋?」
「はい。私が借りているアパートの部屋です」
「そうか…それはその、災難だったな…」
「そうですね。いい迷惑です」
幽霊に対して『いい迷惑』と言ってしまえるくらいには、経験しているという事なのだろう。だが、せっかく出て来た幽霊に対して『いい迷惑だ』と言ってのける鶴小音という女の度胸というのは、感服する思いだと塚林は関心と呆れが混じった感情を覚えた。
「それで、俺にどうしろと?」
「何とかして下さい」
「俺が?」
「はい」
「除霊しろと?」
「心霊研究家はいつもテレビで除霊しているので、先輩も出来るのではないかと」
「いや、あの人は───」
と、言いかけて、夢を壊してしまうのは申し訳ないからと、塚林は言い留まる。
「言っておくが、俺にそんな力無いぞ」
「じゃあ、何とかして下さい」
「だからな?俺には除霊出来るような力は備わってないと───」
いや、待てよ?と、塚林は考える。
もし、これで本当に霊と接触出来るのであれば、そんな貴重な体験は無い。これはチャンスなのではないか?と塚林は前向きに捉える事にした。
「然し、心配だな。うん。俺が行ってどうこう出来る問題ではないかもしれないが、まあ、調査するくらいなら出来るだろう。それで、いつ行けばいい」
「え?」
「いやだから、いつ行けばいいんだ?」
「先輩、うちに来る気ですか」
「当たり前だろ。現地調査は基本だからな」
「あの心霊研究家の先生は、数珠を背中に当てて叫ぶだけで終わらせてましたよ」
「あの心霊研究家の先生の事は、もう忘れろ…」
「ちょっと散らかってるので、二日後でいいですか」
「なら、二日後にここに来てくれ」
「分かりました。失礼します」
要件だけを言い残し、それがあたかも当たり前であるが如く、鶴小音は出て行った。だが、扉を閉めた後に「どうしよう…」と零していたのを、塚林は逃さなかった。
「そうか。やはり不安なんだな」
鶴小音の心配は幽霊よりも、自分が生活している部屋が異常な程汚いのを心配していたのだが、この時の塚林はそんな事知る由もなく、「除霊の仕方、検索してみるか」と、再びパソコンと向き合っていた。
そして、今に至る──────
* * *
「鶴小音。お前本当にこんな所に住んでいたのか?」
「ええ。住めば都というやつです」
鶴小音は少し誇らしげに、自信満々でそう答える。だが、この部屋は住めば都と言うよりも、住んだら地獄と言えよう。塚林は呆れ顔で「お前、凄いな…」と溜め息混じりで呟く。
「それにしても、俺が来ると知っていたなら少しは片付けるという気概は無いのか」
二日前、塚林は確かに「行く」と伝えていたのだ。全て片付けられなくても、普通の人間ならある程度は片付けるだろう。だが、この汚部屋に入った時、その形跡は一切無かった。
「もしかして、コンビニでゴミ袋や軍手を買って満足してしまったのか?」
「素晴らしい推理だ。小説家にでもなったらどうだね?」
「お前な、その台詞は犯人の台詞だぞ。と言うか、犯人も何も、お前が犯人みたいなものか」
「先輩の言う通りです。私がやりました」
「まあ、そうだろうな。お前の部屋だもんな。逆に誰かがやったなら教えて欲しいものだ」
鶴小音は顔を伏せて、両手を差し出した。
「なんだ、それは」
「手錠を掛けますよね」
「なあ、鶴小音」
「はい。何でしょう」
「お前って本当に残念なヤツだな」
「はい。残念美人と高校の時に渾名を付けられました。美人と言われてるので、良しとしましたが」
「ディスられても動じないメンタルは凄いよ。それで、お前はいつ掃除に加わるんだ」
「午後からは手伝ってあげますよ。先輩」
「ここ、お前の部屋だよな。つか、男に掃除させるのは女子としてどうなの?」
「先輩は家族みたいなものですからね」
「俺はいつお前の家族になったんだ」
「お父さん」
「そこはせめて〝お兄ちゃん〟にしてくれ」
鶴小音と会話していると、妙に歯車が噛み合わない。それは鶴小音という女の感性がぶっ飛んでいるのか、それとも塚林のコミュニケーション能力が鶴小音に追い付いていないのか定かではないが、塚林は鶴小音の高校時代の渾名『残念美人』を「上手いこと言うもんだ」と少しばかり関心していた。
流石に部屋で食事するのは躊躇した塚林は、ベランダで鶴小音が買ってきたおにぎりを頬張る。『オムライス味』と『ソーセージ』という奇抜なセンスだったが、普段こういうおにぎりを選ばないので新鮮だった。だが、缶コーヒーがカフェオレというのが頂けない。オムライス味とソーセージおにぎりをカフェオレで流し込むというのは、どうも抵抗がある。だが、鶴小音の部屋にある紙パックの麦茶は、それよりも更に危険な臭いがしたので、我慢して甘いカフェオレで飲み込んだ。
「ごっそさん」
「お粗末様でした。先輩。お金はレシートに記載されているので、後でお願いします」
「奢りじゃないのか」
「お金の貸し借りは良くないですから」
「そうか…お前には労いの精神というものは無いんだな」
「私の辞書に〝奢る〟という言葉は存在しません」
「ナポレオンだな。でも、そこはあまり誇らない方がいいかもな」
食事も済ませ、休憩もした塚林は、また掃除を進める事にする。鶴小音も塚林に習い、せっせとゴミ袋にゴミを入れ始めた。
「なあ。鶴小音」
「何でしょう。先輩」
「この部屋に霊が出たと言っていたが、どんな霊が出たんだ」
塚林が気になるのはそこである。わざわざ後輩の部屋を掃除しに来た、優しい先輩ではないのだ。塚林の今後の活動に今回の件は重要になると、そう思っていたが…鶴小音の今までの言動から察するに、一抹の不安を覚えたのである。
「声が聞こえるんです」
「声?」
「夜中の二時くらいです。隣の壁からガサゴソと…まるで揉み合いをしているかのような…」
「ほう…なあ、鶴小音。隣の部屋は空き部屋か?」
「いえ。ホストのお兄さんが住んでます」
「なるほど。それはある意味男女の揉み合いだから気にする必要は無いと思うぞ」
「でも、先輩」
「なんだ」
「女性の叫び声のような…呻き声のような…そういう声も聞こえ───」
「それは喘ぎ声というやつだから聞こえない振りしなさい」
「そうですか」
何故この女は無表情でそんな話を出来るのか、羞恥心が無いのか、或いはそういう行為を知らないのか?と、塚林はもう鶴小音という女が少し怖くなってきていた。
「それで、その…違う霊現象はあったのか?」
鶴小音は少し間を空けて、「はい」と、声のトーンを低くして答える。
「どんな現象だ」
「以前、カップ焼きそばを食べようと思い、湯切りしようと、お湯をシンクに捨てたんです。そしたら───」
「〝ボコン〟だよな?それは霊現象と一切関係無いから大丈夫だ。心配無い」
「然し、妖怪の仕業とも考え───」
「───られないから大丈夫だ」
「そうですか。では、もう一つ」
「なあ。鶴小音」
「はい。先輩」
「お前。その、色々と大丈夫か?」
「何とか会話も出来ているので大丈夫だと思います」
「うん。俺はそういう意味で心配はしてないんだけどな。まあ、お前がそれでいいならもう何も言うまい」
「先輩。もう一つの霊現象なのですが…これは、いくら先輩が名探偵でも、解決するのは難しい問題かもしれないです」
「うん。前提が先ず違うんだけどな。それで、どんな現象だ?」
「これは、三日前の事なのですが───」
* * *
2015年7月4日。
天候、雨。気温29°。
この日は連日雨が降り続けた最後の雨の日。湿度が高く、じっとりと洋服が肌にへばりつくような不快感を感じ、鶴小音は上手く眠りに着くことが出来ず、ごみ溜のような部屋に、唯一ゴミが散乱していないベッドの上で、隣から聞こえてくる揉み合いのような騒音と呻き声に耳を傾けながら、静かに眠れるのを待っていた。
(この怪現象はいつまで続くのか…)
と、心の内で呟きながら、目を閉じて今か今かと睡魔が訪れるのを待つ。然し、いくらエアコンのおかげで快適な空間を作ろうとも、連日続いた雨のせいで、部屋の湿度が上昇し、やはり不愉快で眠れない。それは、洗濯物を部屋干ししているというのも相まって、余計に酷く湿度を感じた。
やがて、隣から『逝く』という声が聞こえ、揉み合いのような怪音は収まった。
(良かった。これで成仏出来るんだね)
と、ある意味昇天したお隣さんを他所に、鶴小音は安堵していたのも束の間、今度は自分の身体が全く動かなくなっている事に気付いた。
(今度は金縛りか…)
鶴小音は少し霊感が強く、金縛りになる事は珍しい事ではなかったが、いつもは自力で金縛りを解けるはずなのに、それが出来ない。焦りこそしないものの、鶴小音は「参ったな」と、頭の中で呟いた。もしかして、隣の霊が私の所へ来たのか…そう考えるのが鶴小音にとって辻褄の合う理由だったが、どうやらそれも違うらしい。何故なら、この気配は『男』なのだ。金縛りでも辛うじて目だけは開く事が出来たので、部屋を視線が見渡せる限り確認した所、やはり『男』が部屋の隅に立っていた。
ベッドからの距離、凡そ1メートルくらいだろう。男は僅かに浮かんでいてる。見た目からして60代。身なりはボロボロで、髭が生えているようにも見える。あまり清潔な雰囲気ではない。近付いて欲しくないが、鶴小音の身体は金縛りで全く動く事が出来なかった。
(何をされるんだろう)
怖い…とは感じてない。怖いというよりも『迷惑』という感情が鶴小音が感じた感情である。
やがて男は、ついに鶴小音が眠るベッドの近くまでやって来た。
(ああ、嫌だな)
そう思って、なるべく見ないように目を閉じた。そして、その男は一言『あと三日』と言い残し、気付いた時にはその姿を消していた。
* * *
「あと三日って、今日がその日じゃないか」
「そうなんですよね」
なるほど、だから鶴小音は除霊してくれと、あんなに迫って来たのか…と、塚林は納得した。然し、予告を受けた本人に、焦りは全く感じられない。寧ろ冷静にも見える。
「なあ。鶴小音」
「はい。先輩」
「どうしてそんなに冷静でいられるんだ」
普通の感覚の人間なら、もう冷静ではいられないだろう。仮に塚林が鶴小音の立場だったとしたら、こんな所で呑気に部屋の片付けなんてしていない。神社に行ってお祓いをして貰うか、漫画喫茶で今日を潰すだろう。この部屋にいる以上、その男に襲われる確率が高まるのだから。
「まあ…私にも色々と事情があるんですよ」
「護身が一番優先だと思うけどなぁ」
そんな話をしながら、テキパキとゴミを袋の中へ入れていき、ようやく部屋らしい部屋が見えてきた。
「まあ、これくらいやれば充分じゃないか?」
「そうですね。ここはもう大丈夫です」
「〝ここは〟って事は、まだやらせるのか」
時間は16時を過ぎている。
「ここよりも、お風呂場の方が…私が言うのもあれですが、凄いんです」
「風呂場?」
まさか、風呂掃除までさせられるとは…とうんざりした塚林だが、もしかして鶴小音は表情に出さないだけで、一人でいるのが不安なのではないか?と感じた。確かに、あんな『死の宣告』みたいな事をされたら、流石に鶴小音も怖いはずだ。不本意ではあるが、今日はこの部屋に泊まる事も覚悟しなければと塚林は思った。
「特に浴槽が酷いんですが、お願いします」
「分かった分かった。じゃ、風呂場な。何処にあるんだ?」
「玄関の隣に扉があったと思います。その扉を開くとお風呂になってます」
「そんなに酷いのなら、カビキラーやお風呂の洗剤なんかも必要だな。まあ、状況確認だけでもしておくか」
塚林は玄関横にある扉に手を掛けた。そこで鶴小音が「あ、先輩」と呼び掛けた。
「なんだよ。まだ何かあるのか」
「いえ。開けて吃驚しないようにして下さいね」
「あの大量のゴミを目にしてるんだ。もう多少の事では驚かないさ」
そして、塚林は躊躇いなく扉を開けて、絶句した。
「だから言ったんです。吃驚しないで下さいと───」
塚林が見た光景、それは、浴槽に手首を浸けて力なく項垂れている鶴小音の姿だった──────。
* * *
2015年7月6日。
天候、晴れ。気温34°。
その日、鶴小音晶は、手首を切って息絶えたのだ。
* * *
あの事件から数年の月日が流れた。
塚林は、サラリーマンをしながらも、心霊研究を継続して続けている。本も出版し、テレビでも特集されるようになり、『心霊研究家 塚林』の名は、広く知られる事になった。
「やはり、実体験というのは一番反応があるな」
塚林の代表作になったのは、塚林が大学時代に実際に体験した鶴小音の件だ。来年、それを元にした映画も決定している。
何故、鶴小音が塚林を頼ったのかは定かでは無い。もしかしたら誰でも良かったのかもしれないが、鶴小音が自分を選んでくれた事を、塚林は感謝していた。
「お前のおかげだよ。鶴小音」
今は亡き後輩に、自分を選んでくれた事を感謝しながら、塚林は自分の書斎で煙草に火を付けた。
「どういたしまして。先輩」
その声はまるで、塚林の耳元で囁かれたような、そんな気がしたが、塚林は気の所為だろうと、再びパソコンを立ち上げ、原稿を書き始めたのだった。
この作品はR15指定にさせて頂きました。
どうも、こんにちは。瀬野 或です。(=ω=)ノ
本当はガチなホラーを書きたかったのですが、思いの外鶴小音さんが良いキャラになったので、シリアスな表現とギャグ要素を組み込み、ちょっとカオスな物語に仕上りました。
鶴小音さんのキャラは、結構気に入ってます(笑)
またこういうホラーを書きたいなと思っていますので、その際はお付き合い、どうぞ宜しくお願いします♪
by 瀬野 或