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その後・愚者編
一人の少年に負け帰ってきた私は上司に様々な罰を受けた後、タロットカードの愚者の絵柄が書かれた扉、その横にある機械に自身の持っている愚者のタロットカードをかざした。
ピピッ、という機械音がなった後、扉は真ん中から開き私を迎え入る。
そこに入った私は部屋の角にある机にタロットカードを置いた。
「悪かったな、油断してしまって」
私が言うと、タロットカードが淡い光を放った後タロットカードは消え去った。
その代わりに、タロットカードあった机に灰色のパーカーを着た銀髪の少女が腰掛けて足をぶらつかせ始めた。
「…わたしは、大丈夫。兄さんは、へいき?」
少女はいかにも心配そうな表情を浮かべながら私の身を案じる言葉を投げ掛けてくれた。
「ああ、大丈夫だ」
私がそう言うと、少女の表情は笑みへと代わった。
「そう、よかった…」
少女はそう言うと、目を擦り始め、眠たそうにあくびをした。
「お疲れ、先に寝ていてもいいぞ」
「ん、分かった」
そう言って少女が部屋のベットに横たわり、眠ったのを確認した後、私は自身の傷を確かめるために廊下を出て風呂へと向かった。