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プロローグ
人って言うのは、誰もが光と闇を持っている。
どちらかしか持っていない人なんていない。
だって、どちらかしか持っていない人は人とは呼べないだろう?
光しか持ち合わせていない人間は、それはもう天使やら神様の類いだろう。
逆に闇しか持ち合わせていない人は、悪魔や魔王の類いであろう。
ならば、どちらも持ち合わせていない俺はどうすればいい?
光も闇も持ち合わせない、ただの虚無に成り果てた俺は、一体なんなんだ?
光と言う名の正義も、闇と言う名の悪意も持っていない俺は、何者なんだ?
分からないんだ、全部。
だって俺は、虚無なんだから。
さあ、そろそろ始めよう。
これは、俺が生きる地獄の話。
この世と言う名の地獄の物語であり、俺が如何にして生きていくのかを刻んだ詩なんだ。