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パワー・オブ・ザ・ワールド  作者: アカ ハル
道中
19/23

突然の乱入者

「.......何を言っとるんじゃ?」

そう言った時、スタさんは顔を上げる。

確かにルミゲルがそう言うのも仕方がない。が

「ルミゲル殿、私もそう思う。何故こんな矛盾が発生しているのか分からなかった。何故村という物が存在するのか、何故あの者は私達を案内していたのか...........ですが、今 全てが分かりました。」

スタさんは手を広げそう言う。

俺は分からない。 ただ【千里眼】で村の様子を見て異変に気付いた程度だ。

そもそもその異変というのは..........村が見えないことにある。

俺は少し前にスタさんが言ったことを思い出す。

『障害物は透けて見える。 亜の町まで余裕で見える。』と

つまり、『自分が見たいもの以外の物は全て透けて見えるのだ。』

そして俺は自分

視点から見た【千里眼】を思い出す。 そこにあったのは........



ただの森林だった。



「分かったということは、説明もできるんですよね?」

今まで何も言わなかったスーリアが口を開く。

「あぁ勿論さ、お嬢さん。 私はこれでも魔王の幹部だからなぁ!! この程度の原理を説明することも造作もない!!」

そう言い放ち、自分の前に手を持っていき決めポーズをするスタさん。

.......流行ってんのか? ポーズ決めるの......

「ふむ。では聞こうかスタ。 なんでこのような状況なのかを...のぉ。」

ルミゲルがソファに座り言う。

「良いであろう。しかし、問題点が一点。」

人差し指を立ててスタさんは言う。

「乱入者多数がここに突っ込んでくるぞ。」

直後。





「あ、危ねぇ!!!」

心臓がバクバクと鳴る中、俺は言う。

「し、死ぬかと思った.....」

スーリアが顔を突っ伏し、そうぼやく。

俺たちが倒れているのは、村の真ん中の道.....いや。

森林の切り開かれた道だ。

「少年にお嬢さん!!そんなところで座り込んでる場合ではない!! 第2波が来るぞ!!」

そう叫びスタさんはスキルを発動させ、そしてルミゲルはオリジナルスキルの【放出】で人を焼き殺している。

「あぁ。 いつ終わるんだ? これ?」

そう言い俺はオリジナルスキル【パワー・オブ・ザ・キング】を発動させる。

何故こんな状況になっているのか......それはスタさんの言葉のところまで遡る。



「はぁ? 乱入者? 一体な.....」

ルミゲルがそう口を開いた時だった。

メリ バキバキ

そんな不快な音を立てて天井から異様な音、壁から壊れる何かの音が聞こえてくる。

そして【千里眼】で見た俺も叫ぶ。

「窓から飛べ!!!」

直後、ルミゲルは高速でスーリアを持ち上げ、自分の体から窓ガラスを破って飛び出た。スタさんは後に続き、俺も飛び出す。そしてチラッと後ろを見ると。

「プギャァァァァジァァアァァァ!!!!!!!!」

そんな何かの叫びのようで、何かの破裂音のような意味不明の声を出し、大量の人々が壁と天井を破り 部屋に侵入してきた。それも波のように..........

さらにその人々は留まることを知らず、館のすべての窓から外へと飛び出してきた。

まさにそれこそ地獄絵図のように、そして波のように、その人々.......いや、大量の波が俺たちに覆い被さろうと近寄ってくる。

そして俺の体に着地の衝撃が走り地を跳ねる。

「っ!! 【パワー・オブ・ザ・キング】!!」

そう叫び、俺はオリジナルスキルを発動させる。

それに構わず、押し寄せる波達。

俺はその人々に向かって走る。

【パワー・オブ・ザ・キング】で脚力と腕力を上げて一つの波の前に飛び込む。

「すまん。」

そう呟き、俺の腕が波に衝突する。

オリジナルスキルの前にその波は成すすべもなく消え失せる。

いくら化け物じみていたとはいえ、大量の人を殺してしまった自分に憎しみが溢れるが、感触を思い出し俺はその考えを放棄する。

「.......柔らかい?」

その通りに柔らかかった。まるで元の世界で言うプリンのように。

【パワー・オブ・ザ・キング】は力を変えるスキルだとナビは言っていた。なので感触は何も変わらない筈だ。


《はい。 触れた瞬間に【分析】しましたが、あれはどの視点から考えても人ではないです。》


ナビさんの保障付きだ。きっと違いない。 にしてもじゃああれは何だ?


《ごめんなさい。そこまでは......ですが生命体でないことは確かです。》


成る程。まぁ仕方がない。一瞬で【分析】して生命体じゃないことを断定できるだけでも凄いが........

生命体じゃないなら安心だ。

俺は更に襲いかかる波に拳を込めて殴りつける。

そして先ほど同様に波は消え失せる。

「一体なんだかしらねぇが、かかってこいよ。 俺たちが全員まとめてぶっ飛ばす。」

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