新たな仲間。そして裏
「ふっふっふっふははははははははは!!!!!!」
突然笑い出し○☆△さんは笑い疲れた後に口を開く。
「ユウトと言ったな。貴様。面白いな。私の名前を適度に、かつ私の好きな感じで省略するとはな。」
.......そうなんですか?
そんな私のツッコミをよそにユウトくんはさらに口を開く。
「まぁニックネームはつけるの得意だしな。にしても幹部? 親玉じゃなかったのか?」
「さっきも言っただろう。私は頼まれたのだ。そのメトロドの真の黒幕の者にな。なので私はこの町のメトロドの中でただ一番位が高かっただけのなんちゃって幹部に他ならないのだ。 それに私の結んだ『平和にしていこうよ条約』に違反する内容があったので私はこの幹部を辞める。」
そう言い、○☆△さんは自分の腕を顔の前に意味もなく持ってくるとその腕をスライドさせる。
するとさっきまでヒビが入っていた仮面にスライドされた腕の方からだんだんとヒビが消えていった。
きっとスキルの何かだろうと言うことは分かったがなんのスキルかは私にも分からない。
「じゃあお前はどうするんだ?」
「ひとまずはこの町のメトロド達を懲らしめるかな? その後に他の町のメトロド達と黒幕の者も懲らしめるとしよう。」
そう言うと○☆....スタさんは指を鳴らし、自分の目の前に砂時計を出した。
「そこのお嬢さん。これを持っておいてくれ。」
そう言うスタさんから私は砂時計を受け取る。
「少しメトロドの者達を懲らしてくる。その砂時計が終わる頃に戻っているだろうから少し待っておいてくれ。」
そう言い私は砂時計を見つめる。サラサラと小さい音が流れ、私の取り乱していた心を落ち着かせる。
そしてスタさんの方へと目を向けると。スタさんは既に姿を消していた。
「ただいまである。 うむ。疲れた。」
「お、お疲れ様です。」
私は本当に砂時計が終わる頃に戻ってきたスタさんに砂時計を渡す。
どうも。と丁寧にお礼を述べるスタさんに対し、ユウトくんは言う。
「なぁスタさん。俺たちと一緒に行動しない?」
その言葉にスタさんは.....
「いいだろう。」
「はやっ!?」
あっ....思わず突っ込んじゃった。
「ほ、本当に良いの?スタさん?」
私はスタさんにそう聞く。
「うむ。構わぬ。いや、逆に君達についていった方が何かと面白そうだ。ぜひ一緒に行動させてくれ。」
そう言い、2人は互いに手を出し合い、熱い握手を交わした。
.............なんかいろいろとおかしかったけど、解決してよかった。
「くーーーーーかーーーーーー。」
そんなうるさいイビキの中、老若男女が8人。丸い楕円形の机に沿って禍々(まがまが)しい椅子に座っていた。
あたりは薄暗く、本当に今が昼なのか?と疑いそうなほどの暗闇に8人と1人はその部屋のような場所にいた。
「え〜っと今日の欠席は.....いつもの3人と.......あれ? あのヌイヌイさんが来てませんね?」
1人だけ立っている青年が出席を取ると、そうぼやく。
「まぁ仕方ないじゃろう。奴にも仕事はある。 」
そう言いお茶を啜るご老体。
「まぁ そうですが......せっかくの会議なので.......」
そう言い青年が新しいコップにお茶を注ぐ。
「っで?今日の議題はなんだ? また新しい魔王の誕生だったらお前を殺すからな?」
「なんで魔王が生まれたら自分が死なないといけないんですか!?」
突然口を開く漆黒の髪をした短髪の男に青年は脅される。
溜息をつきながら青年.......悪魔は議題の書かれた紙を読み上げる。
「えっと。なになに .....!!」
「どうしたの〜? まさか毒でも盛られてた〜?♪♪」
驚く悪魔に子供の姿の者が椅子に立ってそう言う。すると
「いえ、そうではないのですが.......これは.......」
いつも冷静沈着なこの悪魔がうろたえると言うことを理解している者達は今回の議題が魔王の誕生以上にある難題だということが分かっていた。
「くーーーーーかーーーーーー。」
そんなイビキの中、悪魔が口を開く。
「『亜の地の城、アシュノキャッスルからのマナの流れが停止、さらにその近くにある人間の町のメトロドのアジトが攻撃し、やられた』ようです。」
「「「「「「!?」」」」」」
思わずそれを聞いた6人は驚愕する。
勿論前半の言葉に関してだ。
メトロドという者達はただの人間達の戯言で興味はないのがほとんどだろう。しかし、
「アシュノキャッスル......ということは!!......」
青髪の男性がそう言い、その言葉を更に遮る者がいた。
「あぁ 予感的中だぜ? ムミレンド野郎。 あいつの復活だ。」
その言葉にむっ となる青髪を置いてその人物、紅い目をした者はその牙を剥き出しニヤリと笑う。
「ふむぅ。 また魔王の席を増やせねばならんのぅ。」
ご老体がやれやれ とお茶を口元に注ぐ。
そんな中、
パチン。
そんな破裂音がすると、むくっ と今まで寝ていた人物が目を覚ました。
目は人間と違い、黒点の部分が真っ赤に染まり、白目の部分は禍々しくも恐ろしいほどの黒に染まっていた。
元は漆黒だったのであろうその髪は、返り血を浴びたせいなのか、紅色で鈍く輝いている。ボサボサで至る所に跳ねている髪の毛が、起きた直後にぴょん と跳ねる。
目元にはアザともクマとも言えぬものが黒くかかっており、口元はギロリとした歯が見えている。
着ているものは服とは言えず、簡単に言うと死刑囚などに使われていそうな鎖の山がその人物をグルグル巻きにしているだけで、太ももの根元の少し手前からは何も履いていない。
両手は体の前で拘束されており髪すらかけない状態だった。
そんな人物がそれがいつもと同じことかのように 気にせず欠伸をすると、その両足を机に音を立てて乗せた。
「.......くけケケケケケケケ。 復活してんだってナァァ? ルミスがよぉ?」
その声音はガラガラで死にかけのようだが、どう聞いても何故か女の声だ。
「あぁ。おはようクラン。来るぞ。その内あいつは。」
紅い目をした男がそう言うとクランと呼ばれた少女は薄気味悪く、くけケケケケケケケと笑う。
「あっ、今情報がつかめたよ〜? なんかその町にあいつらしき力の者がいるね♪♪ にしてもなんかマナを出さないように我慢してるね? 何してるんだ?」
少年がそう言い手に持っていたキャンディーを舐める。と
「ふむ。なら儂が見てこよう。」
「お、ガリウムさん行ってくれるの〜?ありがとう情報よろしくね〜♪♪」
ガリウムと言われたご老体は杖を持ち立ち上がると口を開く。
「では儂は参る。 皆の者、また次回なぁ。」
それだけ言うとガリウムの姿は突如消えた。
「じゃあぁ。ウチはネルわぁ。 おわってたら起こせよなぁ。」
そう言いクランは寝る。
してその7人。
魔王達の大会議は更に続く。