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人生・日常 PART1

「碧いおもちゃ箱」シリーズでご覧下さい。

混沌(カオス)の行方」


無言のまま擦れ違い通り過ぎてゆく人の群

何を想い何を守り何を愛おしんでいるのか

苦しみも淋しさもその胸にひたかくし

日々の糧を得る為に自己すらも殺して

それでも明日への一条の光に託し

人は生きてゆかねばならないのか

自信などあるわけもなく混沌とした現実の中

求めてやまない答を探し乍ら今日も歩き出す








「明日になれば虹が」


雨が降る

木々に地面に私の躰に容赦なく

叩きつけるかのごとく雨が降る

夜は深く凍えるように寒い

けれど明日になればきっと

七色に輝く虹の架かる朝を迎える

どんな夢も叶うという虹の袂へと

走ってゆける希望を信じて

この雨と闇を駆け抜けろ!








「望みの果て」


焦がれて

狂おしいほど欲し

手に入れたいと願っていた

輝く希望はいつしか

色のない諦めへと形を変えた

遺るものは忘却

望まなかったのだと

必要とはしなかったと

自己を正当化するより他

道はあっただろうか……

常に迷い、絶えず惑い

それでも

今日を生きるしかないのなら

明日もまたきっと生きてゆく








「ダイエット」


毎朝毎晩

飽くこともなく

キャミソール姿で私は

鏡の中の自分に魅入る

華奢な手脚、薄い鎖骨

念入りに手入れを重ねた

マニキュアにペディキュア

メイク・ヘアケアも完璧に

けれどそれもこれも全ては

162㎝・75㎏という醜悪な

自分がかつて確かに存在していた

事実が故に……

だから今、そう今日もまた

被虐的な快感に浸りながら

私は鏡を覗き込む








「白と黒で」


なめらかに駆け抜ける

白と黒の鍵盤上を

嗚呼

もっと熱く

もっと軽く

天上に舞い上がるように

この湧き上がり来る想いを

全ての人々へ伝えんが為に








「石の華」


血の通った母なる人の

温かい愛が欲しくて

心から望んで

小さな両手を精一杯伸ばしてた

されどその手は虚しく(くう)を漂い

母が取ることは一度としてなく

泣きながら私の心は石と化した

私は成長し

美しくなったけれども

心は石のまま花を咲かせることはない








「雨音は……」


雨の日はなんだかすぐれない

窓をつたう水滴は涙のようで

そんな日に限ってFMからは

ショパンの「雨だれ」ばかり

ますますメロウに沈んでゆく

雨は気怠く降り続きこんな日は

もうなにもかもうまくゆかない








「忘却の眠り」


何も考えずに眠りたい

眠れればいい独りでも

後悔しない

振り返らない

現在(いま)を生きる為に全てを忘れ

今はただひたすら眠れ彼方に








「自我」


何がそんなに

哀しくて

何故、こんなに辛いのだろう

出口の見えない暗闇の中

自分自身で歩き出す

力が欲しい








「パーソナル」


他の誰がどうであろうと

あたしはあたし

この足と

この魂で

どこまでも生きてゆく








「破壊」


一つ言葉にすれば粉々に

砕け散ってしまいそうだ

この身も心も魂も……








「輪舞」

足下につむじ風

その一瞬、風が舞った

短い輪舞ロンドのように










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