第七話 高校生ながら遅刻しすぎで留年した私のズボラな姉
私の通う高校。ここでは、チコクし過ぎで留年者が出たことがある。三年前に、たった一人だけ。それはなんと、私の姉。
通称”チコク女王”。
その妹である私は教師陣から警戒されていた。きっとこいつもやらかす、と。
でも、私からしたら言い訳したい。姉のチコクは、寄り道のしすぎによるチコク。妹である私のチコクは寝坊によるものだ。
私は以前姉に尋ねたことがあった。いつだったかな? 確か、二年前だったような気がする。なぜ、留年すると分かってチコクを続けたのか、と。
姉の部屋に私は入り、床に二人座り、話していた。
「それはね、Aちゃん。私は留年なんて気にしていないからよ。」
私はその言葉に絶句した。姉は高校生だ。高校三年生だ。私は中学三年生。私が何も発しないため、姉は言葉を続けた。
「私は、チコクしないようにしようと思えばできるわ。でも、チコクすることを選んでるだけなの。」
何を言っているのかさっぱり分からない。
「ま~たそんな顔しちゃって。Aちゃん、堅苦しく考えすぎなのよ。だから、いつも頭へとへとにして、熟睡しちゃって、チコクの山作ってるのよ。」
姉の言うとおりだった。私は姉とは違っていた。姉はただ、チコクすることを選んでいるだけ。だが、私には、チコクしないようにする能力はない。
いつも姉を見ていると惨めになる。姉はこんなだが、賢い。そして、美形だ。ただ、まりに自分の考えをしっかり持ちすぎて、それを無理やりでも通してしまう以外、欠点はない。
目の前の、腰に届く黒髪、色白モデル体系。瓜型の顔をした、髪の色以外西洋の絵画の美人さんのような容姿の姉を、私は力なく見つめる。
それに比べ、私は、醜い。他の人と比べればまだましな容姿をしているかもしれない。だが、この姉と並ぶのは、辛い。同じ屋根の下、比べられ続けてきた。だから、私は自身がなくなっていた。
姿勢を崩さず、部屋の右に置いてある全身鏡を見る。そこに写った自身の姿を。
黒髪。ただし、姉のように、綺麗な髪ではない。日光で痛んだ髪。姉と比べられないように、長さは、ショート。髪型はショートウルフ。姉のような上品路線にはしない。
肌は日に焼けて浅黒い。陸上部だから、体は引き締まっている。だけど、それのせいか分からないけれど胸は姉よるもはるかに薄い。
手足長いね、ってよく言われるけれど、姉のほうがもっとしなやかに長い。
顔はそこまで酷くはないが、目は二重だけど少し小さい気がするし、鼻はちょっと低い気がする。
「ほら、聞きたいこと終わったなら、もういいわよね。」
姉は面倒くさそうに私にしっしした。私は釈然としなかったが姉の部屋から出て行った。